バイク用エンジンオイル

自動車用エンジンオイルはこちら

4輪自動車とバイクの違い

自動車のエンジンオイルは一般に4サイクルエンジンですが、バイクに関しては2サイクルと4サイクルの2種類が存在します。
よって、バイクのオイルを選ぶときはまず、2サイクルか4サイクルかを確認してから購入しなければなりません。
4サイクル用のオイルと2サイクル用のオイルは性質が全く異なるため、種類の異なるオイルを使う事は出来ません。
(2,4サイクルエンジンのことを2,4ストロークエンジンとも言います。略して2ストや4ストと呼ばれます。)

2サイクルエンジンオイル

2サイクルエンジンは原付スクーターや小排気量のスポーツバイクに採用されています。
2サイクルエンジンオイルの特徴は、オイル自身が燃えるように作られています。
これは2サイクルエンジンがガソリンとオイルを一緒に燃やすというメカニズムを持っているためです。
しかし、一般にオイルはガソリンほどよく燃えません。
このため、2サイクルエンジンのマフラーからは白煙が見える事がほとんどです。
また、燃えかすや未燃焼のオイルなどがマフラーに詰まる事があります。
格安で買える2サイクルオイルは白煙が多いため、なるべく純正品の使用を勧めます。
注意が必要なのは、一般の2サイクルエンジンのバイクにレース用のオイルを使わない方がいいという事です。
レース用のオイルはガソリンとの混合比が異なるため、原付などに使用するとかぶってしまったり、焼き付いたり不調の原因になります。

4サイクルエンジンオイル

昔はバイクのエンジンオイルは自動車と同じと言われていましたが、最近は自動車のオイルを使うと問題が起こる可能性があります。
自動車用のオイルをバイクに使っても大丈夫なのですが、一部のオイルではクラッチが滑る可能性があります。
これはバイクは自動車と違って湿式クラッチを採用しているためです。(クラッチ板がオイルに浸かっている)
この問題が注目され始めたのは、近年オイルの高性能化が進んで、より潤滑性能の高いものが開発されるようになったためです。
そのため、バイクにはなるべくバイクでも使える事を考慮したオイルの使用が望ましいとされています。
4サイクルガソリンエンジンオイルの規格はSF,SG,SH,SJ,SL,SMなどがありますが、Sの後に付く文字がZに近いほど新しい規格です。
一般にSJSLSMなどのオイルが高性能です。
また、バイク専用にJASO MAJASO MBといった規格も出てきました。
これは湿式クラッチの滑りを考慮した規格で、MAが滑りを起こしにくいもの、MBは滑りやすいがより潤滑性の高いオイルという位置づけです。
一般的な車種はMAのオイルを選択した方がいいようですが、MBが指定された車種はMBのオイルを使えるように設計されており、
MBの方が高出力、省燃費性に優れています。
湿式クラッチの無い車種に関しては特にMAやMBなどにこだわる必要は無いようです。

オイルの粘度について

4サイクルエンジンオイルには上に書いた規格の他に、粘度が選択できます。
これも通常は純正と同じ粘度を持ったオイルを選んだ方が無難なようです。
一般的なオイルの粘度は10W-40で、最初の10Wが低温時の粘度で、次の40が高温時の粘度となります。
数字が低い方が粘度が低く(サラサラした感じ)、高い方が粘度が高い(ドロドロした感じ)という意味です。
ただし、オイルは低温ではドロドロしており、高温になるとサラサラになるので、10W-40でも高温時の方がサラサラしています。
粘度が低いとエンジンの始動が容易で、燃費も良くロスの少ない出力が得られますが、油膜が切れやすくエンジン保護能力は低くなります。
粘度が高いとエンジンの始動が困難になり、燃費や出力が下がりますが、油膜が強くエンジン保護能力は高くなります。
ただし、オイルの粘度があがると抵抗や摩擦でオイルの温度が上がりやすいので注意が必要です。
バイクに対して0W-40などの柔らかいオイルを使うとミッションに悪影響が出る恐れがあるらしいのでこれも注意が必要です。

化学合成油について

あまり気にしない人も多いようですが、高級オイルと一般のオイルでは何が違うかと言えばオイルの大半を占めるベースオイルの成分です。
エンジンオイルにはベースオイルと、その性質を調整するための添加剤が入っています。
ベースオイルには鉱物油、部分合成油、100%化学合成油などがあります。
鉱物油は原油から不純物を取り除いて作られたオイルで、値段が安く一般的なエンジンには十分な性能を持っています。
部分合成油は鉱物油と化学合成油を混ぜたもので、化学合成油は20%から30%程度のようです。鉱物油と化学合成油の間を取った性能です。
100%化学合成油は原油から作られる別の化学物質を原料に、再度オイルとして化学合成させて作られるオイルです。
不純物が少なく、オイルとしての性能はかなり高いようですが、オイルシールを痛めやすいという欠点を持っているようです。
現状では鉱物油でも十分な性能を発揮するので、お金に余裕があれば合成油を選べばよいといったところでしょう。
表記・名称
鉱物油:Mineral-Based Oil
部分合成油:Part-Synthetic Oil
100%化学合成油:Full-Synthetic Oil あるいは 100% Synthetic Oil
時々「半合成油」と書いてあるものもありますが、50%の割合で合成油が入っているものは無いらしいので誤解しやすい表記です。

オイル交換について

4サイクルエンジンを搭載したバイクのオイルは自動車に比べて早めに交換する必要があります。
理由はいくつか考えられますが、オイルの量が自動車より少ない事、エンジンの回転数が高い事、オイルの温度が上昇しやすい事などがあります。
自動車のオイルは一般に4Lですが、バイクは2Lや1Lのものがほとんどです。
自動車のオイルは10000Km交換でも問題ありませんが、容量が半分以下のバイクは長くても5000Km以下と考えるべきでしょう。
また、オイルは高温になると劣化が進むため、特に空冷や油冷は冷却水が無いのでオイルの寿命は短い傾向にあります。
ちなみに2サイクルエンジンのオイルはどんどん燃えて減っていくので、時々補充してやる必要があります。
そのため、4サイクルの様に交換する必要はありません。
違う銘柄のオイルを混ぜるのはあまり良くないようですが、混ぜたからといって特に不具合が出る事は無いようです。


Home