PX25/DA30コンパチブルシングルアンプ

英国を代表する直熱3極管の銘球、PX25とDA30の差し替え可能なコンパチブルシングルアンプです。



回路構成は、41MTL(MH4)-ML4-PX25の簡単なCR結合の2段増幅です。整流管は、U52(5U4G)です。PX25の場合はバイアスが低くて1段で十分ですが、DA30はバイアスが高く、どうしても2段増幅になります。電源トランスの高圧端子をUSプラグを用いて切り替えることで、バイアス差70Vを補っています。それに対応して前段の供給電圧もUPしますので、バイアスの深いDA30を十分に振ることが出来ます。いろいろな球を差し替えて使用しますので、100mAのメーターをカソード側に設けて常時観察できるようにしてあります。こうすることで、新たに入手したPX25やDA30類似管を、動作試験を兼ねて差し替えで楽しむことが出来ます。

トランスは、出力がタムラのF2004(Zp=5kΩ)、電源がタンゴのMX175(350V-400V:175mA)、チョークがタムラのA4004(10H200mA)です。コンデンサーはDA30使用時に500Vを越えるので、リップルフィルターに630V耐圧のフィルムコン(整流管側:10μF,出力トランス側:75μF)を使っています。その他は、カップリングがビタミンQ(MIL規格)、カソードのパスコンがスプラーグのATOMとタンタルコンデンサーです。抵抗は、出力管のカソードはメタルクラッドを用いてDA30使用時には1630Ω、PX25使用時は530Ωになるように、高圧の切り替えと同時にUSプラグで選択しています。

アースは、電源側が電源トランスの止めネジで信号側が41MTLとML4の間のラグ板です。また、画像ではチョークのアース端子をアースしていますが、ボリウム全開でノイズが顕著になったので取り外しました。


一部の真空管で若干発振気味だったので、出力管のグリッドに発振防止の4.7kΩ、プレートに100Ωを入れました。

動作 プレート電圧 プレート電流 グリッドバイアス 負荷抵抗 出力 プレート損失
PX25の動作 407.7V 59mA -31.3V 5kΩ 24W
DA30の動作 384.4V 63mA -104.6V 5kΩ 24W



左からDA30、P27/500、PX25を実装しました。


左からマツダのPP5/400、フランスフィリップスのF410、同じくRadio FotosのF410(通称BF25)を実装しました。