欧州の多極出力管(傍熱管)

テレフンケンの汎用ビーム管のEL12です。プレート損失18Wで、非常に高感度な真空管です。欧州では一般的な真空管で、同等管にEL6,EL36,EL54とベースは異なりますが、数多くあります。これは最初期のもので、管壁が擦りガラスになっています。

これは、テレフンケンでも後期のもので、通常の管壁になりました。

バルボのEL12です。

耐圧を375Vまで印加できるように改良されたバルボのEL12/375です。

フィリップスのEL12です。ラッカー処理の不足部分をメタルコートで補っています。

これもフィリップスのEL12です。メタルコートの部分が、金色から銀色に変更されています。電極の保持方法も変更されています。

RSDのEL12Nです。戦後の真空管で形状がコンパクトになりました。

トッププレート構造になったテレフンケンのEL12spzです。

テレフンケンのAL4です。AL4は欧州で広く使われた高感度の5極管です。フィリップスやタングスラム、RFT等も作っていました。

AL5(テレフンケン)は、珍しい擦りガラスの真空管です。なぜスリガラスにしたのかは不明です。

タングスラムのEL6です。プレート損失18Wで6L6の高感度型のような真空管です。

バルボの4645は、EL6のトッププレート版です。

テレフンケンの出力管のRENS1664d、バルボの4654(メッシュプレート)です。RENS1664dは、ラッカーシールド塗装のため側面からは内部が見えませんが、円筒型プレートで損失は12Wの出力管です。

テレフンケンのRENS1823dです。ベースの横にターミナルが出ていて、これがスクリーングリッドです。初期の5極管特有の造りです。出力2W程度の小型出力管です。

フランスマツダの5Y15(=PE05/15)です。ドイツ占領下のものらしく、ハーケンクロイツの紋章が残っています。プレート損失15Wの小型送信管です。

フランスマツダの5Y35です。ヒーターが24V0.45Aと特殊で、たぶん航空用だと思います。プレート損失は35Wです。規格表では送信用の動作が記されていますが、オーディオ用でも使えそうです。

バルボの4689です。

シーメンスのC3mです。メタルのロクタル管で最近ではドライバーに使った例が多いですが、一応出力管です。

バルボのEL8は小型の出力管で、プレート損失は5Wですが、A級シングルで2Wの音声出力が得られます。

タングスラムのEL3DとフィリップスのEL3Nです。どちらも非常に太いカソードでよい音がしそうです。規格は、6F6に似ていますが、バイアスが浅く高感度な出力管です。

テレフンケン純正のEL34です。プレートのフィンとグリッドの放熱翼の四角い切欠きが特徴です。このサンプルは1950年代の物と思われます。

テスラのブルーバルブのEL34(6CA7)です。ガラスが青いだけで、電極は普通のEL34です。

ロシアのGU50です。ドイツのLS50同等管です。電極構造もそっくりです。

ムラードのEL37です。軍納入品の関係からCVナンバーで表記されています。特性は6L6によく似ていますが、太いカソードが特徴です。一回り太いタイプがあります。

タングスラムのO18−600です。

アンペックスのE80L(6227)です。

ウルトロンの829Bです。双ビーム管の送信管です。日本の2B29と同特性です。

リムロック管のテレフンケンのEL41とECL113です。

リムロック管のソケットです。MT管のソケットに似ていますが、管壁の突起とソケットの側面の凹み部分が勘合してロックする仕組みになっています。