欧州の真空管(整流管〜直熱型)

左からテレフンケンのAZ1(ナス型メッシュプレート)、ラウイオプタのAZ1(ナス型メッシュプレート)です。同じAZ1でも、テレフンケンの方ががっしりとした感じがあります。次は、テレフンケンのAZ1(ストレート、戦後の軍用)とフィリップス(ハルトロンブランド)のAZ1(ST)です。時代の違いでいろいろな形があります。AZ1は、フィラメント4V1A(1.1A)でRCAの80より少し小さい規格です。300V100mA程度の整流に使うのが丁度良いと思います。ちなみにこれらのベースは欧州特有でサイドコンタクトといいます。

フィリップスの小型水銀蒸気整流管のAX1です。米国の82クラスになります。

フランスRTとフィリップスのAZ4です。フランスらしいスマートさと老舗フィリップスの安定感、違いが良く分かります。

バルボのAZ4です。プレートがメッシュになっています。ちなみにテレフンケンのAZ4は見たことがありません。

大電流用のテレフンケンのRG105です。4つの電極が2個づつ内部でパラレルになっています。

PHONETIKAのAZ11です。古いナス形状でメッシュプレートになっています。

RGN1064同等の真空管です。右端の物はメーカー不詳ですが、ST管になったAZ11です。

テレフンケンのAZ12はRGN2004同等の整流管です。

テレフンケンの片波整流管のRGN1404です。トッププレートの精巧な造りの真空管です。800Vまでの整流が可能です。RV239やRV258の整流管にちょうど良いです。

小型の片波整流管テレフンケンのRGN354と同等管のバルボのG354です。どちらもプレートが横向きについている初期の整流管です。

テレフンケンのWE51です。RGN1054同等の真空管です。ナス管ですが、外観はテレフンケンのウエストがしまった感じはなく、どちらかと言うとUSタイプの形状です。

テレフンケンのREICO SPEZIAL(=RGN1054)です。変わった名称です。ガラスの支柱を巧みに使ってプレートを保持した希少な真空管です。

珍しいオーストリア、トリオトロンのG470です。RGN1054同等の規格です。

バルボのG490、初期型です。テレフンケンのRGN1054同等管です。バルボの初期のロゴで、管全体にゲッターが広がっていて、内部の構造はわかりませんが、初期の昇華型カソードだと思われます。

バルボのG490、後期型です。ロゴは初期のままですが、通常のカソードになりました。

大変珍しいテレフンケンのRGQZ1.4/0.4です。小型ですが、高性能な水銀蒸気入り整流管です。フィラメントは2.5Vで、米国の82程度の規格です。

ラウイオプタのG1064です。

フィリップス系のHOGESの5006(=RGN1064)です。

テレフンケンのRGN1064(初期型メッシュ)です。後期は直管になりました。

バルボのG1064です。初期のメッシュタイプのナス管と後期ST管では全くの別物のように見えます。もちろん規格は同じです。

テレフンケンのRGN2004、板プレートとメッシュプレート(初期型)です。初期型は、トップに旧ロゴがあって新型板プレート(左)のようなウエストがしまった感じはありません。ちょうど同社のWE51のダブルフィラメント型のような構造です。

バルボの戦後ST管になったG2004です。前述したテレフンケンのナス管に比べると素っ気無い感じがしますが、電極は丁寧な造りです。味わいのある音色は、米国の80では足元にも及びません。

テレフンケンのRGN2504、板プレート(ハーケンクロイツ紋章付き)とメッシュプレートです。

バルボのG2504(=RGN2504)です。

クラングフィルムのKL76303です。クラングフィルムは独自の真空管を製造していません。この真空管は、テレフンケンからのOEMでRGN2504になります。

テレフンケンのRGN4004(メッシュプレート)です。RGN2004クラスの電極が共通のプレートで並列に入っています。ステムから左右に振り分けたリード線にフィラメントが保持されています。

バルボのG4004(=RGN4004)です。旧型はL497Dと同じ大きさの大きなST管で、F410からグリッドを抜いたような電極が2つ入っています。それぞれの電極を支柱とガラスバーを巧みに使って支えています。

通常のST管になりました。

テレフンケンの片波整流管のRG62(T、1939年製)です。テレフンケン特有の太いST管で、トッププレートの精巧な造りの真空管です。RV271やRV25の整流管にちょうど良いです。改良管にRG62Dがあります。

RG62の改良管、テレフンケンのRG62Dです。プレートにフィンが設けられて、耐圧も引き出せる電流も一回り多くなっています。このサンプルはロゴから推測するに、戦後のものだと思います。RG62とは大きさもほとんど変わりなく、アマチュアの使用では差し替え可能です。

ローレンツの軍用特殊2極管のLG3です。規格については全く判りませんが、大戦中のレーダー等の無線機に使われていたようです。

シーメンスのロクタル管の整流管、AZ21です。

英国フィリップスの両波整流管の1807です。内部はゲッターでほとんど見えません。性能は80程度ですが、同社のE406などのナス管と形状がピッタリです。赤く見えるゲッターは同社の初期型特有のリン系のものと思われます。

英国フィリップスの1821です。前述の1807は内部が良く見えませんが、こちらは精巧な造りの電極が確認できます。トップには右端の画像にあるように、「PHILIPS MINIWATT 1821」と型番が記載されています。

英国362のRB500/120です。500Vで120mAの仕様の整流管です。

マルコーニの整流管、U12です。ベースの形状から見て、初期のものと思われます。メッシュプレートでとても丁寧な造りの真空管です。規格は米国の80相当です。

Cossorの53KUです。ウィリアムソンアンプ(KT66PushPull−L63−53KU)の整流管に使用されました。

U52は米国の5U4G同等の整流管です。

Brimer(STC)の83です。WEの274Bのようなプレート面が向かい合った構造になっています。水銀蒸気整流管です。

英国の送信管ベースを持ったマルコーニのU15(軍番号:NU13A)です。片波整流管のため、2本必要です。DA60やDA100の整流に使うと形が揃ってカッコいいです。

GECの高圧片波整流管のU19です。

英国軍用のM2463(=5U4G)です。フィリップスが納品したもののようです。

オスラムのU50(=5Y3G)です。

フィリップスの1805(=80)とタングスラムのPV4200です。

ムラードのFW4/500とFW4/800です。プレートの感じが若干違いますが、その他の差異は私には判りません。500の方は500Vまで、800の方は800Vまで整流できます。

フィリップスの4646です。F410と同じ大きさの片波整流管です。フィラメントは、4V1.3Aで1000V75mAまでの整流が可能です。

ロボットのような特異な形のフィリップスのDE2/200−01です。がっしりとしたセラミックスペーサーで支えられた強固な電極で、ズシリと重い真空管です。送信管等の高圧整流に用いられたものと思われます。このサンプルは、戦時中のドイツ軍に納入されたものです。上に出ているのがプレートで、ベースはフィラメントのみで、ピンも2本だけです。使ってみたいのですが、これに見合う出力管がありません。