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森の領域(秋)
油彩(P50号) 1991
日仏現代美術展入選


もうひとつの作品「森の領域(春)」の秋バージョンで、テン(貂)が主役だ。

架空の風景である「森の領域(春)」に対して、現地で下絵を描いた現実の雑木林である。


富士の裾野、自衛隊演習場の広大なすすき野原を左に見ながら、富士山に向かって上るスカイラインで偶然視界に入った紅葉スポット。差ほど広くはない起伏に富んだ地形が名状し難い彩に包まれていた。

淡い緑から黄色や赤へのグラデーションが気品ある透明感を醸していて自然の妙、という他ない。


京都古寺名刹の、これでもか!と言わんばかりの真紅のモミジ尽しの庭を愛でる人は多いが、何となく抵抗感がある。

モミジは和の風情を持つ素敵な樹木だが、調和を欠いた庭師の驕りが見え隠れしてしまうからだ。

自然のことは自然に聞け!森はそう語っていた。