秋晴れの日曜日、ひとり。
俺は、近所のカールスジュニアに昼飯のバーガーを買いにいくため、車を駈った。
見馴れた道、ひとり、日曜日。
……見馴れた道……の上空に、存在しないはずの巨大な輪っかを発見。 アレは何だ? いつ出現したのだ? 俺は誰だ?
奇妙な感じ。
とりあえず、突入。
ハーベスト・フェスティバル、収穫祭りらしい。
3日みないうちにこのような遊園地を閑静な住宅地の街角に作り上げるとは、アメリカはグレートだ。
大雑把な短期巨大仕事なら世界一だろう。 まさに一夜城。 秀吉の嫁はのりぴーでよいのだろうか。
入場料6ドル。 払いました入りました。
ひとり。
アメリカ映画によく出てくる移動遊園地、これか!
『A.I.』でロボ君がいぢめられたのも、こんな感じの場所だったのではなかろうか。
適度に幻想的でしょぼい雰囲気、まさに体感。 暖かな秋空 10月7日。 3日限りの遊園地。 悪くない。 笑みがでてしまう。
ひとり。
屋台でドイツ風ホットドッグ酢キャベツ入りを食いながら、風を楽しんでいると、その秋風に乗ってバグパイプの音色が。
ハイランドおぢさんs出現。 地元のバグパイプ楽団らしい。
アメリカで、日曜日、ひとり。 遊園地で、遠ざかりゆくハイランドラディ(Highland Laddy)の生演奏を聞きながら、
瞼を閉じる。 ゆったりと、ゆったりと。 ひとり。 時が過ぎてゆく。
……いまにも目からこぼれそうな 涙のわけがいえません(ザ・ブルーハーツ)
ちなみにハイランドラディは『アドバンスド・大戦略』の英軍ソングである。
大学時代の後輩のY内氏は、この曲を聞くと英軍の猛爆撃を思い出して憂鬱になるらしい。
そして出店には愛国水着。 セプテンバー・イレブンスからまだ1ヶ月たっていない。
得体の知れない遊園地をさ迷う。 なぜここに俺はいるのか。 そんな生の根源まで問い詰めたくなるほどのどかな雰囲気。
ただひとついえることは、
まわりはすべて家族連れだということだ。
……いいもん。
さすがに一人でお子様用の遊具に乗り込む勇気はない。 よって、観察プレイ。
おおっ、けっこうすごい。
写真だとわからないが、このコースターなぞは真上で3秒ほど停止している。
こいつもすごい。 こんなブツをどのようにして運び込んだのか、考えたら夜も眠れない。
蜂須賀党か?
一時間ちょっとで退散。
癒された、ような気がする。
晩飯はアメリカン・ピザにしよう。
ひとり。
ぴよぴよロードショー新作シリーズ『漂流播磨』、予告編その1 完