ティーアイ君、AX2001へ行く〜その8〜
AX2001とは、The Internatilnal Animation & Comics Exposition 2001である。主催はSPJA(The Society for the Promotion of Japanese Animation)ってボランティアで運営されている団体らしい。今年で10周年である。要するに年1回のアメリカの聖なるお祭りである。夏と冬のアレを心待ちにしている人は推して知るべし。
川元サンのサインを貰った、の巻
さぁ、日曜日の朝だよっ、ティーアイ君っ!
「ねぇ、隊長っ?」
なんだいっ?
「きのう来た道なのに、どうしていきなり道まちがえてるノ?」
……パルゥぅ。(泣)
……………
それはさておいて、今日は朝一からビデオ上映会でビデオを見て、11時になったらコスプレファッションショーを見学しようという算段でした。
「7時半に会場に到着だヨっ! 上映開始まで30分あるネ」
でもホラ、もうなんか怪しい人がうろちょろしてるよっ!
「東京おもちゃショーの朝の幕張みたいな光景だネ」
コミケの日のビッグサイト周辺のような光景でもあるよね。
「懐かしいネ(笑)」
懐かしいな。(笑)
「あっ、隊長。見て見て。もう列ができているヨ」
おっと、もうビデオ上映会の入場待ちかな。並ぼう並ぼう。
かくして、東京ビッグサイト周辺で夏と冬によく見かけるような列を発見した我々探検隊は、さっそく彼らの中に潜入するのであった。じゃじゃーん。(笑)
だけど……
ああ 空はこんなに青いのに
風はこんなに温かいのに
太陽はとっても明るいのに
どうして キミたち 並ぶのっ?(笑)
「東京おもちゃショーの朝の幕張みたいな光景だネ(笑)」
コミケの日のビッグサイト周辺のような光景でもあるよね。(笑)
「僕たちも並ぶヨっ」
おうっ! 日本人としては列を見たら並ばないわけにはいきませんっ。
「みんな本を読んでるネ」
ちょっと覗いてみましょう。 えと、前に並んでるお兄ちゃんたちは……
「日本語のマクロスの本だヨっ」
ほんとだ。 プラモを使ったジオラマ写真が見えますから、メカ系のムックでしょう。
「2人で覗き込んで、カタカナのメカの名前を読もうとしてるネ」
うん。 "それはデストロイヤー、そっちはファランクス" とか突っ込みたくて、口がうずうずしたよ。
「隊長、それってなんかイヤな優越感だヨ」
そうだね。でもちゃんと読んでたよ。 すげー。 やるな、アメリカオタクっ!
「後ろの日本でいうところの小学高学年くらいの兄妹も本を持ってるヨ」
おっと、チェックチェックぅ。
「兄ちゃんのほうは2冊だネ」
"ラブひな" テレビ版のムックです。 日本語。 すげー。
「妹さんは熱心にマンガを読んでるネ」
"ウテナ" と "CCさくら" です。とにかくすげー。
「素晴らしい兄妹だネっ!」
パターン青、使徒ですね。 ご両親もさぞかし満足でしょう。(笑)
「でもこういう熱心なファンに日本アニメは支えられているんだよネ」
そうです。感謝感謝です。
「隊長のとこの兄弟はどうなノ?」
……俺だけです、使徒は。
「よかったネ!」
……うん。
「だからこんなとこで一人で並んでいるんだネ……ぐはっ」
おやおやティーアイ君どうして寝てるんだいそういえばもう10時を過ぎてるなぁ。
「パルゥぅ……」
でもなにか変だね。 ちょっと前の人に聞いてみましょう。
……
「どうしたノ?」
……Autograph らしいです。
「パルゥっ?」
どうやらサイン会の列に紛れ込んでしまったらしいですぅ。
「(どてっ)」
いや、列の整理係の人もそんなことを言ってたような気がしたんですけど。
「そこで気づかなくちゃだめだヨぅ」
そんなこと言ったって……どうしよ?
「あっ、列が動き出しちゃったヨ」
ええい、こうなったら列の先に何があるのか確かめてくれるっ!
「係の人が "誰のサインが欲しいのか" 聞いてまわってるヨ」
やべっ、パンフレットは車に置いてきたから、
ゲストの方は誰がいらっしゃるのかわからんっ!
「(どてっ)」
といってるうちに、早く準備が完了したゲストの方の名前が呼ばれて、その方が目当ての人がどんどん列から抽出されて行ってしまってますっ!
「どうするノっ、隊長っ!」
前の人に相談しますっ。(笑)&(泣)
「(どてっ)」
教えてもらいました。 前の人は カワモト-san のサインが目当てのようです。
「ビバップのキャラデザの川元利浩さんだネっ」
でもそのときはパニックでそこまで考えが及びませんっ。
「ビバップならビデオ全部もってるしいいじゃないノ」
そ、そうだね。 さらに英語版のビデオ(*1)も買って英語の勉強教材にしてるし。
(*1)かなり英語吹替えの出来がいいです。お勧め。
「パルパルゥ」
あと、いま列に残ってるのは イシグロ-san と ミキモト-san と カワモト-san のサインが目当ての人だということが判明しましたっ。
「ビッグネームだネっ!」
ちょっとビビりました。
「で、どうするノ?」
もはや外国旅行者がよくやる手、コバンザメ作戦 しかないでござるよ!
「……そ、そうだネ」
で、時は流れて11時。すでに3時間半が経過しています。(笑)
「ようやくサイン会場に入場だヨ。 中ではゲストの方ごとに列がわかれてできていたヨ」
イシグロ-san の列に並んでいる高校生くらいの男の子がマクロスのPSのゲームソフトを出しています。 隣の列の人と"これクールかい?" "あぁクールだよ" って話して盛り上がってます。
「素晴らしきオタクの交流だネ」
そこで俺は見たっ! そのソフトのパッケージにサインらしきものがあることをっ!
「隣の人は気づいてなかったみたいだヨ」
だって、ひらがな だったもん。
「パルパルゥ(笑) なんてサインされてたノ?」
いいじま まり。
「……すごいネ、アメリカオタク」
うん。
………
さらに時が流れて愛も流れて、11時半。
………
サインをいただきましたっ!
「スーパーで買ったばかりの安い手帳しか紙が無かったんだヨね」
うん。1ドルの安い手帳でした。 他のオタクの方々はちゃんとムック本とかタペストリーとかを持参で準備万端です。
「ちょっと失礼だったネ」
反省反省です。 でもカワモト-san は温和な方で快くサインしてくださいました。
「大感謝だヨっ!」
ですから、額縁に入れさせていただきました。(笑)
「大切に保管と自慢させていただきます、だヨっ!」
ありがとうございます、カワモト-san と通訳の方。
「そしていろいろ教えてくださった僕たちの前に並んでたオタクの人も、ありがとうだヨっ!」
お陰で命拾いしました。
「隊長、助けられてばっかりだネ」
そだねっ!(笑) ……ひたすら感謝ですぅ。
つづくっ!
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