特別企画・もう1ver.

最弱×最弱


(あーいうの、苦手だからやりたくないって言ったのになぁ…)
苦手意識が先に立って、難易度の割に時間が掛かってしまった今回の任務。
漸く終わって、精神的にもくったくた。
帰宅の足も遅くなってしまう。


あれ…?
人通りの少ない公園で、ぼんやり空を眺めてる人物を発見する。


「こんばんは、イルカ先生」
「こ、こんばんは、カカシ先生」
声をかけると、慌てて振り返ってくれる。
気配が薄いとはいえ、消していた訳ではないのに全く気付いていなかったらしい様子に少し、心配になってしまう。
…一応、中忍なのに、大丈夫なのだろうか。


「お月見?」
「は、はい。綺麗ですよね」
「うん」
少し赤くなっている相手に頷いて振り仰ぐと、欠けて細くなった月。
月を見るなんてあまりしない自分には、新鮮な感じがする。


「あの、何かあったんですか?」
「え?」


これでも表情を隠すのは得意で。
しかも顔の殆どを隠しているから、感情を読み取られる事なんて皆無なのに。


気付いて貰った事に驚いてしまう。


「あ。余計な事を言いました。すみません」
聞き返したのを不快に思ったとでも思ったのだろうか。
焦った顔で言ってくる姿に好感を持つ。


「そんな事、ないです」
全然、余計なんかじゃない。


「そうですか?」
「はい」
不安そうな顔に頷く。
気付いて貰えただけで凄く、嬉しい。
そんな事、伝えられる日がくるかは、しれないけれど。


この先、月にこの人を見ることが出来るだろう。



…う〜む…。恋歌のままとさして変わらない気が…。
イルカ先生にちょっとだけ艶を含ませた想像を自力でしていただかないと。

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