特別企画・もう1ver.

最強×鈍感


(…流石に、結構キツいかな…)
別に、任務に文句がある訳じゃないんだけどねぇ。
そんな埒もない事を考えながら歩いていると。


「あ。カカシ先生!」
「こんばんは。イルカ先生」
元気な声が思考を打ち砕く。
「お帰りですか?」
「えぇ。イルカ先生も?」
気落ちを巧みに隠しながら、人の好い表情を浮かべてみせる。


これは。
いつも元気なアカデミーの先生。
大事な大事な預かりモノ達がよく懐いている青年。


「はい!これから一楽に行くんです」
上機嫌な声は、どうしても可愛い教え子を彷彿としてしまって。
「へー。ご一緒しても?」
つい、こんな事を言ってしまう。
「はい!」
断られるとは思っていなかったけど、ここまで即答だと逆に面食らってしまって。
苦笑が浮かぶ。
(この人って…。本当に平和だねぇ…。ナルトみたい)


可愛い息子とも思う少年と同じ種類の笑顔に、ほんの少し重かった気が晴れて。


苦笑が微笑に変わるのにも、そう、時間はかからないだろう。



…最悪と変わらない上にもっと平和…ってか、任務気付かせてないよ!旦那ってば!
それ以前に恋愛感情がナイ…。

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