特別企画 最強×最弱


(…流石に、結構キツいかな…)
Sランク任務を片付けた後のAランク。
身体的には何の問題もないものの、精神的には結構クる。
…スパイの始末。
目星をつけて、近寄って、尻尾を出すのをゆっくり待って。
手間隙ばかりが面倒で。
ましてや色仕掛け。
任務の割り切りは利いても、機嫌が悪くなるのは仕方がない。




──────── 口直し、しよ。




消毒も兼ねて。
踵をあっさり返すと、上忍待機所とは違う、アカデミーの内庭へと向かった。


「イールカ先生」
見付けた相手に声をかけて。
振り返るのを待って手招きする。
「カカシ先生。どうしたんですか?」
「うん。ちょっとね」
言いながら担いで、ひょいと樹の上に跳躍する。
常緑樹のこんもりとした葉の中。
しっかりした枝に座らせる。
「あの、カカシ先生?」
「ん、なに?」
困った顔で首を傾げる相手に苦笑して、あっさりと口布を外してしまう。


「え?」


驚く顔に満足して、そのまま唇を重ねる。
始めは軽く、啄ばむように。
それから段々と深くして。
「ん…。んん…」
「ごめーんね。ちょっとで良いから、口直しさせて」
嫌な相手に触ったから。
口直しと消毒は欠かせない。
反論は吐息と一緒に飲み込んで。


アカデミーの休み時間、ギリギリまで。


「ご馳走様」
「…ぁ…」
トロンとした顔の相手を樹の根元に座り直させて、眦に一つ、キスを送る。
「ありがと。またね」
言い置いて姿を消す。
先刻啼いた、連絡鳥。
今度は精神的に楽な任務を望んで、火影の執務室へ。




ま。


日々の任務の褒美には。


少しの役得くらい、ないとね。



やっぱり最強の銀カカシ。
トロいので、良いようにされるイメエロイルカ。
まぁ、こんなトコロでしょ。


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