〜 イルカの憂鬱 〜



「 行ってらっしゃい。気をつけてね?」



あの人の背中を笑顔で見送り小さく吐く溜め息。
愛する里の為。仲間の為。子供達の為。


そして


・・・・・・・・・・・・私の為。



大好きなあの人は筋金入りのワーカホリック。





『 大丈夫だよ 』



そうじゃない。そうじゃないの。
あなたの無双の実力は知っている。
冷静沈着で的確な状況判断が出来る事も。



ただ



酷使され続けのあなたのカラダが心配なだけ。
それでもあの人を心配する私の気持ちは

『 大丈夫だよ 』

その一言で片付けられて泣きそうになる。



でも



面に出したら あなたはとても心配するから。
その背に抱えるものを 放り出しもせず抱えたままで心配するから。
私は笑顔で見送るの。



あなたに内緒の溜め息を吐きながら。。。。。






 〜 カカシの気がかり 〜



「 行ってきます」



キミは笑顔で送ってくれるけど
ドアを閉めたら泣きそうになっているんだろうね?



笑っていても・・・・・
俺の大好きな黒い瞳に隠し切れない憂いが浮かんでいるよ?



大丈夫。大丈夫だから。
必ず帰ってくるよ。
キミの許へ必ず帰ってくるから
そんなに心配しないで。



知っているかい?
キミの笑顔が俺を生かしてるって事。
キミがいるから
キミが待っててくれるから



俺はいつでも頑張れるんだよ?





だから・・・・・・ね?



そんな痛そうな笑顔は駄目だよ。。。。






■ 似た者夫婦 ■



「 どうした?イルカ。」



火影邸のトラップの確認をしていたイルカの様子に火影が声をかけた。



「 あ、火影様・・・・」

「 浮かぬ顔じゃのぅ。何か困り事か?」

「 ・・・いえ。ちょっと。。。。」



言い澱んだイルカだったが、優しい眼差しを向けられて 日増しに痛みを増す胸の内を思わず打ち明けた。



「 カカシさんが・・・もう3ヶ月もお休みをしていません。」

「 うむ。」

「 帰って来てもまともに眠る間もなく次の任務に出かけてしまって。
 私、カカシさんの身体が心配で・・・・。」

「 う〜む。しかし、あやつの事だ。休暇を取らせても大人しくしておるまい。」

「 えぇ。」



イルカは更に顔を曇らせ、トラップのワイヤーを確認しながら深い溜め息を吐いた。
火影の目には、カカシよりイルカの方が心配になる程その姿は痛々しかった。



「 イルカ。ひとつ新しいトラップを作ってくれんか?」

「 はい?」

「 間者捕獲用のトラップを仕掛けようと思ってのぅ。掛かれば3日は出て来れぬ強固な物を頼む。」



火影に何やら耳打ちをされたイルカの顔がパッと輝いた。



「 お任せを!至急取り掛かります!!」





******





「 ・・・どうじゃ?最近イルカは元気にしておるか?」



任務を言い渡され、出発しかけたカカシを火影が呼び止めた。



「 ええ。新しいトラップ開発とか言って、家事そっちのけで頑張ってます。
 もうすぐだと嬉しそうにしてますよ?」

「 そうか。」



火影はうんうんと満足気に微笑んだ。



「 最近、少し元気が無かったから心配だったんですよ。けど、もう活き活きしちゃってね〜。
 ふふふっ。ホント、イルカは仕事好きって言うか トラップ好きって言うか。」

「 そうか。完成したらお前にも協力を頼むぞ。」

「 お任せ下さい。では出発します。」



カカシはイルカの事となると だらしなく緩んでしまう顔のまま姿を消した。










「・・・・・全く。 似た者夫婦とは良く言ったものよのぅ。」



至極美味そうに紫煙を吐くと、火影はニンマリと笑った。



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藤原様〜。

銀真珠を拝読して感激したキモチを書いてみましたー。
おなごイルカ書いた事無いものでやっとこさ出来た。(^^ ゞ
今頃って感じですけど、お近付きの印に押し付けちゃいます。貰って下さりませ〜。(≧▽≦)/

翠拝


あ…ありがとうございますぅぅぅぅぅ。
うちの銀真珠夫婦がこんなに美味しく料理して頂けるなんて…!
冥利に尽きると言うか、後で天罰が下りそうと言うか…
幸せ過ぎて熱が出そう…(ぱたり)
この狂喜の御礼はいつか必ず…っ!!
藤原。



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