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大学時代、親友NOBUと旅をした。ユースホステルをこよなく愛していた彼から、
長野県諏訪方面への旅に誘われたのだ。

途中、列車が止まってしまい、非常口から降りて次の列車に拾われるアクシデントが
あったり、宿泊した諏訪湖ユースホステルの暖かい雰囲気に触れたりすることが
できたりして、今だに忘れられない旅になっている。
NOBUの心の奥の一端に触れることができたのもうれしかった。
それまで旅行などにあまり興味を持っていなかったわたしだったので、NOBUには
感謝している。

人が「旅をしよう・旅行しよう」と考えるのは、(旅行したいなあ)という自分の内からの
衝動・あるいは外からのお誘いで出かけていくことが多い。
しかし、旅はもともと、狩猟民族が獲物を求めて行動範囲を広げていくという、
「生存していくために必要に迫られた」ことから始まったものだ。
そんな意味で、生きていくことそのものが旅と言われるのも納得ができる。

あなたの人生という旅を、あなたは誰と歩みたいですか?
そして、あなたは、with…のあとに誰の名を綴りますか?

今、わたしは、withの後に名前を綴った人と一緒に、長く楽しい人生を歩んでいるよ。


【『夜を往け』 ほかに収録】

(初稿 2000.02.11)
(最終改稿 2000.04.15)


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