時 代


以前勤めていた職場で、飲み会があると、よくカラオケに行った。

かつてはアニメソングシンガーを目指していた(?)わたしである。歌うことは大好きだ。
カラオケでも、みんなでアニメソングや流行の曲をひとしきり歌うのだが、夜も更けて
解散となるとき、必ず最後にみんなで歌った歌が、『時代』だった。
「なぜ?」と聞かれても困るのだが、とにかく、仲間たちのラストナンバーは、いつも
中島みゆきの『時代』なのである。
ソウルメイト観とでもいうのだろうか、魂(kokoro)の永遠性を感じさせる曲である。

わたしは、中島みゆきのアルバムに収録されている『時代』よりも、コッキーポップや
ポプコンのアルバムの中に収録されている『時代』が好きだ。

別に聴き比べてそんなに違いがあるわけではない。
数多くのシンガーたちの曲が収録されている中で、この『時代』という曲の持っている
意味合いがうれしいと思う。

同じ『時代』を生きた仲間・同じ『時代』に存在した曲だけに呼応できるものが、
そこにはある。
    
(本当に、涙も出ないや…)

信頼していた人からの裏切り。
そんな状況の時、この歌を聴いてみた。
長い人生、いろいろなことがある。
自分に直面する全てのことを受け止めなければ、人は前に進めない。

目の前のことしか見えていなかった自分に、この歌は勇気をくれた。

中島みゆきの『時代』。彼女の原点であり、終着点である曲だと思う。


【『私の声が聞こえますか』 ほかに収録】

(初稿 2000.02.04)
(最終改稿 2000.05.20)


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