ホームにて

この曲を聴くと、悲しいというより、やさしい気持ちを感じてしまう。

わたしの出身地は、別に大都会でもなく、また大自然に囲まれた所でもない。
まあ、いわゆる普通の街である。多少、『お稲荷さん』で有名だというぐらいだろうか?
特に遠くに離れているわけでもないので、別に意識してふるさとを感じたことはない。
よくドラマに見られるように、夜行列車に乗ってふるさとに帰るということは体験がない。
しかし、この曲には、いつか自分の中に、自分のふるさとは、雪国であるようなイメージを
感じてしまうから、不思議なものである。

この曲が、ドラマ『北の国から…』のBGMとしても使われたというのも、なるほどと思われる。

ふるさとに帰りたいのに、帰ることができないジレンマを歌っているようだが、わたしには、その後
何年か経って、笑顔でふるさとのホームに帰ってきた彼女(?)のイメージが浮かぶような気が
するのだが…。
 
握りしめた切符に染み込んでいるモノ…それは人によって違う。
しかし、それを振り払った時、人には、進むべき道が見えてくる。

道を決めるのは、他人ではない。自分自身だ。
前に進むあなたを、わたしは応援したいと思う。
でも、いつか、きっと、その道に疲れる時があるかも知れない。
そんな時、このホームは、いつでもあなたの出発点。
いつでも帰ってきていい場所なんだよと、覚えておいて欲しいと思う。


【『あ・り・が・と・う』 ほかに収録】


(初稿 2000.02.06)
(最終改稿 2000.04.08)


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