ボギーボビーの赤いバラ

植物を育てていると、その生命力に驚かされることが多い。
枯れたのかと思っても、実は命の火は燃え続けている。
たとえ葉っぱ1枚になったとしても、上手に育てれば、そこから新しい芽が生まれてくる。
今育てているケナフも、そう。
たった一枚の葉っぱをちぎり、土に植えると、そこから根を張り、新しい葉を生やす。
大地のエネルギーをいっぱい吸い上げて、それを自分のエネルギーに換える。

枯れてしまった花は放置しておくと、やがて水が腐って、どろどろになってしまう。
でも、きちんと手を入れてドライフラワーにしてやれば、いつまでもその姿を保つことが出来る。
人の心も同じ。
傷ついたままにしておけば、心はやがて朽ち果てるだろう。
心の傷を癒すには、まず、ちゃんとケアをしよう。
そして、時が流れて、再び歩き出せるエネルギーに満ちてくるまで、じっと待つことだ。



【『私の声が聞こえますか』ほかに収録】

(初稿 2000.08.04)



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