桜…花びらが舞い散る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…このままみんなと一緒にいれたら…ってわがまま?」
「…さぁな…。お前が望んだんだろ?それをオレがどうこう言う権利はあるのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穏やかな空気をまといながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりですね」
「うん」
「相変わらず、暗い部屋だな」
「まあね、でもねここから……出来るのよっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

夢を見るのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あのコはあそこでいいんじゃない?」
「そりゃ傑作だな。オレも良い考えだと思うぜ」
「…ってただそれが面倒で、おもしろそうなだけでしょ?あなたの場合」
「おまえほどじゃないさ」
「その言葉、そっくりあなたにかえすわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月が天に輝く。
光を浴びて輝く沙羅双樹。
池には銀の月。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう。とても嬉しいわ」
「あなたに喜んでもらえて僕としても光栄ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞い散る花を杯に受けて。
聞こえる宴の声と。
心地よい風と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「陽の光がこんなに気持ちいいなんて思っても見なかった」
「出てきて正解だろ?」
「そうね」
「……あまり、危険な目に遭わせないでください」
「って…なんでお前も登ってくんだよ!!!三人も乗れねぇぞ!!」
「心配しなくても大丈夫ですよ。いざとなったらけ落としますから」
「誰をって…聞くだけ無駄か?」
「そう言う事です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ青な空。
むせかえるような花の香。
一面に広がる花畑がうっと惜しく感じられないのは…。
心地よい風のおかげ。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっとぉ、これは---で」
「これは?」
「それは--!!」
「じゃあ、これは?」
「---かな?で、これ、あげる」
「わたしに?」
「そう、あげる」
「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ…助けたかったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「腹へったぁ…!」
「この、バカ猿が!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西の方には沙羅双樹。
東の方に桜の木々。
南に見えるのは一面の花畑。
差し込む日差しを日よけで遮って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「怒ってる?」
「…必要あるのか?」
「…ないわね。良かった」
「何がだ」
「怒ってるって思ってたから…なんか嬉しい」
「…もう戻るのか?」
「どうして?」
「送り迎えするって騒いでる」
「…まだいては駄目?仕事の邪魔?」
「…邪魔じゃない。いても構わない」
「…ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 永遠なんて、変わらない未来なんて…欲しくなかったのに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらずですねぇ」
「まったくだ」
「……お前ら、人がどれだけ苦労してると思ってるんだ!!!」
「ごめんね、わたしのせいよ」
「……」
「おねえちゃんがわるいわけじゃないからなっっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしても、守りたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった一つの……思い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最遊記外伝『百花繚乱』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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