ドコに行ったんだよ。
青子がいなくなって4日?
すでに、俺の誕生日は過ぎた。
マジで、あいつどこに行ったんだよ。
ケータイもつながんない。
参った。
青子がいないだけで、こんなにもおかしくなっちまう。
あの冷静沈着な怪盗キッドがだぜ?
青子ぉ、頼むから早く帰ってきてくれよ。
「かいと」
夜、青子を見つけたらすぐ飛び出せるように窓を開けていた俺の耳に軽やかな声が飛び込んできた。
忘れもしない。
青子の声だ。
「青子っ!」
青子は庭にいて俺のいる部屋を見上げていた。
とるものもとりあえず、そのまま飛び降りる。
「な、何してるのよぉ」
「それは俺のセリフだっつーのっ。青子、お前今までどこにいたんだよ」
「…言わなかったっけ?ゼミの方で小旅行に行くって」
聞いてねーって。
「そう言えば、言わなかったかも。でもね、青子、みんなには言ったんだよ。でね、これ快斗におみやげなんだ」
そう言って差し出されたのは小さな箱とプレゼント用に包まれた小さな物。
「おみやげ…二つあんの?」
「一個はおみやげ。もう一個は、快斗、誕生日おめでとう。ごめんね。遅くなって。青子、ホントは快斗の誕生日だからって断ろうと思ってたんだけど、行かないのもったいないかなって思ったんだ。だから…快斗の誕生日…遅く…なっちゃって。怒ってるよね」
小首傾げてオレをうかがい見る青子がめちゃくちゃかわいくって。
小さい頃から全然変わってない仕草が。
後、声とか。
それからえっと表情とか。
「お前はさぁ」
参ったなぁ。
笑顔見たらもう、怒ってたのなんてどうでも良くなって、腕を引いて抱き寄せる。
「快斗?」
「マジで心配したんだけど。オレ」
「うん、知ってる」
「新一達から?」
そう聞いたら青子は頷く。
あいつら。
どうせ、オレが青子のこと思ってぐるぐるまわってたのを笑って見てやがったんだ。
くっそー。
マジでムカツク。
「…青子?」
急に俯いた青子にオレは不安になって問い掛ける。
「快斗、足、ハダシだよ」
「…っ誰のせいだよ」
「バ快斗」
「アホ子のせいだっつーの」
「なんで青子のせいになるのよぉ。快斗が2階から飛び降りるのが悪いんでしょう?」
「お前が連絡の一本もしねーでいなくなるのがわりぃんじゃねぇか!!」
「やっぱり、快斗怒ってる。もぉ、中に入ろう?タオル持ってくるからね、しょうがないから青子がタオル持ってきてあげる」
そう言って青子はオレの手を引く。
やっぱ、オレ、青子がいないと駄目なんだ。
今更ながらに気付かされる。
「青子ね、快斗がいないとやっぱり駄目みたい。寂しいんだもんね」
振り向いて満面の笑顔で青子は言う。
不意打ちって卑怯だよな。
嬉しくって、どうしようもない。
「快斗」
「ん?」
「誕生日、おめでとう」