二組のカップルというなの幼なじみ 君に逢う為に生まれた~We Love The Earth~

1.蘭
「工藤や工藤や工藤がおるーーーーーーーーー工藤!!!逢いたかったでーーーーー」
「オレはお前に会いたくなかった!!!!」
「平次、工藤君嫌がっとるやろ!しかも玄関先で叫ぶな、アホ平次」
「アホとは何やアホとは!!」
「アホにアホと言ってどこが悪い」
 玄関先で行われる漫才に新一は頭を抱える。
「二人とも、ここじゃあなんだから中に入ったら」
 わたしは服部君と和葉ちゃんを新一の家のリビングに通す。
「ったく何が楽しくてあいつらの漫才見なきゃ何ねーんだよ」
 新一は面白くなさそうに言う。
「でも、結構楽しいよ」
「オレは楽しくない」
 新一は完全にむくれている。
 理由は多分、わたしが和葉ちゃんに電話してから、二人がここに来るまで10分とたってないから。
「くそー服部のやつ絶対邪魔しに来たようだよ!!」
「フフ、新一、あ、和葉ちゃん達に何かださないと…」
「オレやるよ」
「いいよ、わたしがやってあげる」
「じゃあ、オレコーヒー入れるよ」
「ウン」
 なんか、なんか、なんか、新婚家庭な会話って感じてしまったのはわたしだけ?
 んーーーーホントに新一帰ってきたんだなぁって思ってしまう。
「蘭、そっちのカップ使って」
「ウン」
 きゃああああああ、何かもうホント新婚家庭だよぉ。
 ちょっと興奮しちゃう。
「蘭、入ったよ。持っていける?」
「うん、大丈夫」
 4人分のコーヒーカップをお盆に載せ、わたしは和葉ちゃん達が待っているテーブルに持っていく。
「蘭大丈夫か?」
 新一がわたしを隣で心配そうに見ている。
 そんなに危なっかしいかな?
「なんや、新婚夫婦見たいやね」
 コーヒーカップを並び終えたわたしと新一に和葉ちゃんが言う。
「か、和葉ちゃん」
 思わず、顔が赤くなる。
「何?工藤はオレのもんやで」
「アホ!人が聞いたら誤解するような言い方やめや平次」
「冗談に決まっとるやないか、和葉」
「冗談でも質が悪い!!!」
 と新一は服部君の頭を殴る。
 穏やかな時間が流れる。
 新一は服部君となんか事件の話してる。
「そう言えば蘭ちゃん何やきれいになったんと違う」
 突然の和葉ちゃんの言葉にわたしは頭が止まる。
「そ、そうかなぁ、和葉ちゃんの気のせいだよ」
「そうなん?アタシはてっきり…………っ!!!!!!」
 和葉ちゃんは一旦そこで止めて
「は、やっぱりアタシの気のせいやったごめんな」
 とおわす。
 うっ…………………和葉ちゃん知ってる。
 やっぱりあの話しってホントなのね。
「あの後は見る人が見ればわかる」って言う話!!!
 って言うことは和葉ちゃんにばれたって事。
 そんなのいやぁ。
 って、いうかあれは新一が悪いわけだし。
 わたしのせいじゃないし(責任転嫁しちゃおうっと)。
 ………………もしかしてばれる?
 誰にってお母さんとか園子とか……。
 お母さんに
「あら、蘭、見ない間にきれいになったわね」
 って言われるならまだ良いけど園子に
「蘭、もしかして、フフフ」
 なーんて言われたらどうしよう。

2.和葉
 蘭ちゃんにとんでもないことを言ってしまった。
「何やきれいになったんと違う?」
 思わず言ってしまった。
 そりゃ、もともと美人っやったけど、久しぶりに会った蘭ちゃんは凄くきれいで、幸せそうで、うらやましかった。
 それに引き換えアタシは……全然変わらない。
「うらやましいわぁ」
「何で?」
 蘭ちゃんはアタシの言葉に聞き返す。
「蘭ちゃんは工藤君とうまくいったんやろ……アタシは全然進展なしや」
 平次と工藤君がその場にいないことを良いことにアタシは愚痴り始める。
「平次の気持ち全然分らんし、どうしてええか分らん。告白なんてしても平次はわからんかもしれへんし。あの男ちょう鈍感やし。平次のことずっと見てるけど、時々平次が何考えてるか分らんようになって……」
 思わず泣いてしまう。
「和葉ちゃん……わたしもね、新一のこと分らないときあったよ。その時すっごく頭に来ちゃって、新一にさんざん文句言ったこと覚えてる。でも新一ずーっと聞いてくれたの。だから、和葉ちゃんも服部君に素直に言ってみたらどうかな」
 蘭ちゃんはアタシが悩んでるときに凄く的確なアドバイスをくれる。
 同じ身の上(好きな人がおんなじ事やってる)って言うのもあるのかな。
「平次に素直に……。アタシ、素直に言えるんかなぁ」
「大丈夫だよ」
「平次に好きって言えるんかなぁ」
「服部君言わなそうだもん、和葉ちゃんが言わなくちゃ」
「そうやね。蘭ちゃんありがとう」
 蘭ちゃんの言葉に勇気が出る。
 平次がどう思ってても構わない。
 好きなら好きなほうがいい。
 このままズルズルと幼なじみの関係を続けて行くのは嫌だ。
 たしかにこの関係はいいよ。
 でも、一生このままか離れるか……くっつくか。
 出来ればくっついたほうが良いに決まってる。
 平次と工藤君がアタシらがいるリビングに戻ってくる。
 フフフ、良いこと思いついた!!!
「ええ事思いついた。蘭ちゃん、アタシ。ええ男見つける!!!!」
「か、和葉ちゃん何でそうなるの????」
 蘭ちゃんごめん。
 今からやるお芝居にのって。
「蘭ちゃん、アタシずっと考えとったんやけど、一人の男に執着しとる場合やないと思うねん。しかも、事件事件って騒いどるどっかの推理好きなアホなんかほっぽってもええんと違う?」
「まぁ、気持ちはわかるけど……………」
 蘭ちゃんは入ってきた工藤君と平次を盗み見しながら言う。
 驚いたことに平次が驚いてる。
「せやから、蘭ちゃん。蘭ちゃんも浮気せーへん?」
「う、浮気????考えたことないよぉ……」
「ホンマに?」
「……………和葉ちゃん止めようよこの話し……ね」
「……ま、後でな。蘭ちゃん」
 工藤君が驚きまくってるのはまぁ、おいといて、平次が驚いてるのが収穫だなぁ。
 あ、蘭ちゃんに言っておかないと。
 あれはお芝居やって。
 ごめんね蘭ちゃん。
 巻き込んじゃって。
 巻き込むつもりはなかったんだよ、ホントに。

3.新一
 書斎に入るなり、服部は言う。
「で、あれから事件は完ぺきに解決しとんのか?」
「あぁ、一応な。あとは細かい残党の事ぐらいかな」
「そんなら、もう安心なんやな」
「一応はね」
 そう、一応は安心だ。
 一応って言うところがつらい。
 生きているのが不思議なくらいだ。
 まぁ、蘭ともう一度この姿で逢うためだけに組織をぶっ潰したって言うのは過言じゃない。
 残党がちょこちょこと残ってるらしい。
 博士経由で伝えられる壊滅後の組織の情報が入ってくる。
 ふぅ、しかし、オレはなんつー事件に首突っ込んだろうな。
 後から聞いてみれば、あの事件は警察トップクラスの秘密事項で、しかも内調(内閣調査室)とインターポールがからんでたって言うじゃねーか。
 参ったね。
 それ聞いたときは。
「内調とインターポールがかかわっとったっちゅうのはホンマか?」
「何で服部が知ってるんだよ」
「オレのオヤジは大阪府警本部長や!情報は入ってくるもんやで」
「はいはい」
 こいつの父親が大阪府警の本部長って言うのは問題じゃねーのか??
 しっかし、東京に女の子ときてどうも思わないのかね。
 服部は。
「なぁ、工藤。ちょっと聞きたいことがあるんやけど、ええか?」
 ふと服部は深刻な顔して聞く。
 な、なんだ?
 この深刻さは……。
 嫌な予感がする。
 まさか、泊まるとこないから泊めろって言うんじゃねーだろうなぁ!!!
「服部、なんだよ」
「オレって和葉のこと好きなんやろうか」
 は???
 何言ってるんだこいつは?
 普通自分の気持ちぐらい分かるもんじゃねーのか??
「なぁ、工藤。お前から見たオレって和葉のこと好きなように見えるんか?」
 オイオイオイオイ、なんで人に聞くんだよオメーは。
 普通聞くもんか?
 ………服部なら聞くか。
「なぁ、工藤どうなんや?」
「はっきり言っていいか?」
「もちろんや」
 もう、教えてもらえるもんだと思っていやがる。
 はぁーーーこんなやつを好きになった和葉ちゃんがかわいそうに思えてきた。
「服部、自分で考えろ!!!」
 ったく、何で自分で考えねーんだよ。

4.平次
「服部、自分で考えろ!!」
 どういうことや、工藤。
 オレが分からんで悩んでんのやど。
 同じ名探偵やんか!!!
 そう抗議したら、
「そう言うのは自分で考えろ」
 これや。
 なんでや、分からんから聞いてんのに。
「あのさぁ、本気で分かってねーのか?」
「分かる訳ないやんか!!」
「じゃあ、和葉ちゃんがオメー以外のオメーが知らない男と一緒に街ん中歩いてたらどうする?知ってる男でもいいよ!!」
「そんなんある訳ないやんか」
「バーロ、合ったらどうすんだよ。腕とか組んでたり」
 …和葉がオレの知らん男(知ってる男)と腕組んで歩いてる……。
「その男、しばく!!!!」
「だったら分かるだろ」
 ????
 工藤の言ってる意味がわからん。
 確かに和葉が他の男とおると腹たつ、せやからってオレが和葉のことを好きやって言う証明にはならへん。
「とりあえず、リビングに戻ろう」
 そう言って工藤はオレを引っ張り、和葉と蘭ねーちゃんのおるリビングに戻る。
「せやから、蘭ちゃん。蘭ちゃんも浮気せーへん?」
 突然、和葉の声が聞こえる。
 浮気???
 なんやねん浮気って!!!!
「う、浮気????考えたことないよぉ……」
「ホンマに?」
「……………和葉ちゃん止めようよこの話し……ね」
「……ま、後でな。蘭ちゃん」
 和葉、浮気ってなんやねん!!
 おまえ、オレのこと好きとちゃうんか?
 ん?和葉ってオレのこと好きなんか?
 どうなんや?
 周りのやつらが「いっつも和葉と平次で漫才やっとるからいっそのこと夫婦漫才でデビューなんてしたらどうや」なんていうから……。
 ん??????
 うぎゃ?
 わからん。
「そうや、この後どないする?」
「そうだね、遊園地行こうか?」
「ウン、トロピカルランド」
 和葉と蘭ねーちゃんの話しは変わってこの後の予定になっていた。
「新一、いいよね」
「は、??あ、あぁ、別にいいよ」
 工藤はオレ達が入ってきた時聞いた和葉の蘭ねーちゃんを誘う、
「せやから、蘭ちゃん。蘭ちゃんも浮気せーへん?」
 に驚いて話しまともに聞いてへん。
「平次もええよね」
「か、かまへんよ」
 オレもあんまり聞いてへんわ。
 和葉、頼むから心臓に悪いこと言わんといて。
 ……何か気ぃついたような気がする。
 何かわからんけどな。

*あとがき*
がんばれ和葉!!


novel top