Voices Of Love

3


 夜になると妙にそわそわとした。
 アリオスが車での間に、入浴し、あのナイティに袖を通す。
 鏡の前で、何度も懲りずにチェックをした。
 何度も確認した薄いピンクの膝丈までのナイティ。アリオスはが好みであったら嬉しい。

 アリオス…、気に入ってくれるかな…。

 少しばかりの不安と期待が心の中で交錯する。
「アリオスにこれぬがされて…」
 思わず口に出して言ったものの、それ以上のことは真っ赤になって言えない。
 頭の中で起きている妄想が激し過ぎて、アンジェリークは暴れ出してしまいそうになった。
 肌の先までぴりぴりとした甘い緊張感が襲って来た。
 気持ちが高ぶって来た。
 そのタイミングで、ドアをノックする音が響き渡る。
「アンジェ」
 大好きな甘いテノール。
 それだけで誰が来たかが直ぐに判る。
 アンジェリークは慌ててドアを開けに行った。
「アリオス〜!!」
 姿を見るなり抱き付くと、アリオスは抱きしめてくれた。
「いつもに増して積極的だな」
「…バカ…」 
 定番の言葉を呟いた後、アンジェリークはしっかりと精悍な広い胸に顔を埋める。そのはにかむような姿が、可愛くてしょうがない。
 アリオスはアンジェリークを軽々と抱き上げると、ベッドに連れていき、そこに腰をかけると、アンジェリークを膝の上に乗せた。
「…一緒に風呂入ろうぜ?」
「もう入ったけど…」
 そこまで言った後、背後からしっかりと抱きしめられる。
「…俺がまだだ」
「やっ…」
 ナイティの上から、胸の膨らみを撫でられる。もちろん、もうアリオスと愛し合って眠るだけなので、ブラジャーは身につけてはいない。
「はっ…!」
 薄いナイティの生地の上から、乳首が硬くなり、つんと立っているのが、解り過ぎるほど解る。
「今度は俺を綺麗にしてくれよ…」
「アリオス…」
 そのままアリオス繊細な手は、アンジェリークの豊かな乳房をまさぐり始める。
「んんっ…!」
 甘い声を上げながら、全身を走る快感に、躰をアリオスに預けてしまう。
「風呂に行こうぜ…」
 唇を深く塞がれる。返事をする前に、主導権を取られてしまった形だ。
 舌が入って来て、巧みに愛撫して来た。やはりアリオスのキスは甘くて素晴らしい。
 全ての感覚がアリオスに従順になっていた。
「はぁ…」
 唇を離されると、アンジェリークの躰は中心が潤んで既にスタンバイが出来てしまっている。
「アンジェ」
 名前を呼ばれてアリオスを見ると、不思議な瞳には既に欲望の影が、色濃く付いていた。
「アンジェ、バンザイしてみろよ」
「?」
 言われたように”バンザイ”をすると、するりとナイティをぬがされてしまった。
「きゃっ!!」
 アンジェリークは真っ赤になって剥き出しになった胸を隠した。
「綺麗なもんは隠さなくていいんだぜ?」
「アリオス…っ!」
 深い艶が宿った瞳を向けられると、アンジェリークはいてもたってもいられないぐらいに、感じていた。ちょうど、目で侵されるといった気分だった。
「アリオス…」
 恥ずかしそうにべそをかくアンジェリークもまた愛らしい。
「こっちはどうなんだ?」
「きゃっ!!」
 アンジェリークはあまりにもの恥ずかしさに何も言えなくなってしまう。
 少しばかり油断をしていると、唯一残ったパンティの中に手を突っ込まれた。
「やんっ!!」
 甘い声を上げたのと同時に、アリオスの指が熱い場所を掠るように触れた。それだけで、甘くも狂おしい感覚が躰を駆け抜けていった。
「あっ…!」
 アリオスの指は濡れそぼる中心を数度掠めただけで離れていく。アンジェリークは無意識に不満の呻き声を上げていた。
「すげえ濡れてるぜ? 俺は殆ど何もしてねえんだけれどな」
 濡れた指先を目の前で見せ付けられて、恥ずかしくてしょうがない。
「…アリオスが…」
「俺が何だ?」
 アリオスは意地悪な笑みを浮かべると、更に指についた蜜を舐めてしまった。
「もうっ! アリオスのバカ…!」
 真っ赤になって抗議するも、余り説得力等ありはしなかった。
「もっと濡らしてやるぜ」
「バカ…!」
 余りにも恥ずかしい恋人の言葉に、アンジェリークは耳まで真っ赤にする。
「風呂に入るからな。邪魔なものは取り払わねえとな」
 アリオスがゆっくりと下着を下ろしてくるものだから、恥ずかしくてしょうがなかった。
 官能的な拷問の後は、抱き上げられて浴室に運ばれる。
「アリオス…」
「綺麗に洗ってくれよ?」
「もう…」
 脱衣室に着き、全裸のままで立たされる。
 やはり裸で放置されるのは、恥ずかしくてしょうがない。
「アリオス、このままじゃ恥ずかしい…」
「直ぐに済むから待っていろよ?」
 アリオスはそう言うと、 てきぱきと衣服を脱ぐ。
 アリオスが精悍な胸をはだけさせて、服を脱ぐ仕草はエロティックな気分になった。アリオスに視線を合わせられない。
「恥ずかしいのかよ。慣れてるだろ?」
「だって…」
 アンジェリークは目線を合わせずに下を向いた。
「アンジェ、ほら、脱いだから風呂に入ろうぜ」
「…うん…」
 アリオスに手を引かれてお風呂に入る。
 初めてではないが、何度も一緒に入っても恥ずかしい。
「ほら、洗ってくれ」
スポンジを渡されて、アンジェリークは俯きながら、ボディソープを使って泡立て始める。
「いい?」
「ああ。洗ってくれ」
 アリオスに言われた通りに、アンジェリークは洗い始める。最初は恥ずかしいので、背中から。
 いつも守ってくれる背中は広くて、逞しい。洗いがいがあるというものだ。
 背中をきちんと洗い上げた後は、前に回って首からしっかりと洗った。
 アリオスの躰は全くもって像のように美しい。無駄なものは一切なく、完璧に筋肉が付いている。
 アンジェリークは思わず見取れてしまう。
 着痩せするアリオスは、服を一端脱ぐと鍛えぬかれた躰に惚れ惚れする。
 しっかりと洗ってやった後は、段々羞恥心が帯び、真っ赤になりながら、手が震えた。
「…ほら、洗えよ」
「だって…」
 アリオスの乳首を見ると、そこをくにくにと洗う。最初は恥ずかしかったが、アリオスが息を乱してくると、ついつい嬉しくなってしまう。
「アンジェ…もっと色んな所を洗ってくれよ…」
「あっ…!」
 今まで恥ずかしくて視線すら合わせたことのない、アリオスの熱い場所に手を導かれた。
「やっ…!!」
 すでにそこは熱くて硬くなっている。
「洗ってくれ…」
「…うん…」
 恥ずかしくてしょうがないが、アリオスが慶んでくれるのなら、一生懸命やっても構わない。
 アンジェリークはアリオスの大切なものを丹念に洗い始めた。
 いつも喜ばせてくれるので、ここは頑張らないといけないと思う。
「アンジェリーク…っ!」
 アリオスの声が艶を増して輝く。その声で、彼が感じてくれているのが解った。丁寧に泡だらけににしてアリオスを見ると、艶やかな視線がアンジェリークに下りてくる。
「たまらねえよ、アンジェ…。これで洗ってくれよ」
「アリ…っ!」
 豊かな胸をわしづかみにされて、アンジェリークは思わず声を上げる。
「ほら、やれよ」
「アリオスっ!」
 アリオスの手が胸をわしづかみにしてしっかりと揉み込んできた。
「やんっ!!」
 甘い痛みに感じ過ぎて、アンジェリークは悶える。その姿が愛らしくてしょうがなくて、アリオスはもっと攻めたくなる。
「…ふたりで気持ち良くなろうぜ?」
「アリオスっ…!」
 アリオスはとうとう熱くて元気なものを、アンジェリークの胸の谷間に挟み込む。
「…アンジェ…、もっときつく挟んでもいいんだぜ?」
「…だって、そんなの恥ずかしいじゃないっ!!」
 羞恥が先行して、なかなか出来ない。
「いいから、やれ?」
 アリオスに促されて、アンジェリークはすることにした。胸でしっかりとアリオス自身を挟み込んで、刺激を与える。
「いいぜ…、アンジェ…」
 アリオスが喜んでくれているのは、艶やかな声で充分に理解できる。アンジェリークは嬉しくて、胸の谷間で一生懸命洗った。
「アンジェ…、サンキュ。コレ以上しちまったら、我慢出来なくなっちまうから、これぐらいにしてくれ…」
「あっ…」
 アリオスが胸の谷間から熱いものを抜くと、アンジェリークは何故だか切なくて、甘い声を上げる。
「お楽しみはこれからだぜ、アンジェ」
 甘く囁くと、アリオスはシャワーのカランを開いた。
コメント

この間のONLYで非常に素敵なスケブを頂きました。
そのスケブを見て、思いついたお話です。

お風呂は定番ですね




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