連れて行かれた場所は、優しい雰囲気のある、瀟洒な館だった。 「おい、おふくろ!」 電子キーを開け、ドアを開けるなり、彼は自分の母親の名を叫んだ。 だが、呼んでも、呼んでも、返事はない。 「ったく、どこ行きやがった」 彼はアンジェリークの手を取ると一緒に、吹き抜けのリヴィングや、客間などを駆け巡る。 「凄い家に住んでいるのね」 「ああ。お袋は親父の正妻だったからな?」 「正妻?」 「ああ。俺が足げに通っているのは、親父の愛人たちへの使い。引退した親父の代理に、手切れ金の相談などを弁護士といっしょにやった。おかげで、何とかキリがついたがな・・・」 その言葉は、見事に彼女の心の最後の砦を突き崩していた。 心の中に暖かなものがこみ上げてくる。 安堵や優しさ、そのようなものが入り混じって、彼女の心を満たしてゆく。 その表情に、彼は彼女が何を今まで考えていたかがぴんと来る。 「悪ィが、俺はそこまで節操がないわけじゃねえぜ? 刑事さん?」 喉を鳴らして笑い、アリオスはいたずらっぽい瞳を彼女に向ける。 「もう…」 彼女はその眼差しの、甘さに思わず俯いてしまう。 私この人を誤解していたのかもしれない…。 マフィアだからって、こういううことは普通だと思ってた…。 だけど…、そうじゃなかったんだ… 彼女は、初めて、彼の手の中に自分の手があることが心地良いと感じた。 結局、家中を探し回ったが、彼の母親は見つからなかった。 「あ、アリオス、あれ!」 彼女が指差さした掲示板に、彼宛の小さなメモが張ってある。 アリオスへ。 今日から三日間、ミュージカルを観にロンドンに行って来ます。 またね。 「相変わらずな、やつだぜ」 彼はあきれながらも、笑っている。 「あの…」 彼女が探るように彼を見ると、彼は優しい眼差しを彼女に注いでくれた。 「ああ。その辺のソファに座っとけ? 仕方ねえから、俺が適当に紅茶でも入れる」 「はい」 心地よいスプリングのソファに身体を沈め、アンジェリークはアリオスを待つことにした。 彼はキッチンに消えると、そのままお茶の準備をしてくれているようだ。 彼女は吹き抜けの天井を見つめる。 私…、バカだな…。 だって…、FBIの癖に、どうしようもなく、”マフィア”の彼に惹かれるなんて… 「おい、ほらおまえんだ」 声がして顔を上げると、艶やかな異色の眼差しがあり、白いティーカップを差し出してくれている。 「有難う…」 彼女はそれを受け取ると、そっと口をつける。 美味しい…! ちゃんと私が好きなミルクティだあ… 甘い味と感覚が体中に広がり、彼女の心は甘美な疼きに覆われてゆく。 冷たいが優しい深い眼差しを彼女に送ってくれている、彼の視線の暖かさに、彼女は気が付く。 「アリオス…、私の好きなものをどうしてわかったの?」 不思議そうに呟くアンジェリークに、彼はクッと喉を鳴らして笑った。 「----バーカ、決まってんだろ?」 「え!?」 彼はそっと彼女の手にあったティーカップを取り上げテーブルに置くと、彼女の顎をクイっとあげる。 否が応でも見つめられずに入られない瞳。 彼女の瞳は甘い疼きにうっすらと潤んでいる。 「好きな相手だと、その人のことを知りたくなるのが常だぜ? 違うか?」 艶やかに深い色になる異色の瞳に、彼女はうっとりと見ほれる。 最早、視線を逸らすことなんて出来ない。 「うん…、私もアリオスのことが知りたいって思っている…」 「アンジェ…」 そのまま深く口付けられる。 口付けが済んだ後、彼女は彼に抱き上げられた。 「アリオス…」 これから何が起こるか、うっすらと判ってはいても、彼女にはもう、抵抗することは出来なかった。 彼女はそのまま彼に客間へと連れて行かれた---- ------------------------- 客間のベットに寝かされ、そのまま、ベッドのスプリングが軋み、彼が彼女の体を覆うように包み込む。 一瞬、アンジェリークは身体を震わせる。 「恐いか?」 甘く優しいテノールに、彼女はふるふると首を振った。 「怖くないわ…」 「そうか…」 彼女が彼の首に手を回し、総てを委ねると、彼の唇を待ちわびた。 「…ん…!」 降りてきたアリオスの唇に、アンジェリークは甘いと息を漏らす。 荒々しいが、情熱的なキス。 彼の舌は彼女の唇を深くむさぼり、強く優しく吸い上げる。 「うん・・・」 何度も口づけられるたび、それは深さを帯びてくる。 「あん…」 唾液の糸をひきながら、二人の唇が離れたときm彼女の唇から炎のように銃熱的な吐息が漏れた。 彼の唇が彼女の首筋を這い、味わい吸い尽くし始めた。 「ああっ!」 身体をびくんと浮かせ、目眩に似た陶酔感を感じ、彼女の体から力が抜けてしまった。。 穢れを知らない彼女の白く柔らかな肌に、彼の所有の証である紅い花びらが、美しく咲き乱れる。 その間彼の手は、ゆっくりと、彼女のワンピースを脱がしにかかる。 まるで勝手知ったるもののように、、すぐに下着が露になる。 すっと身体を浮かされ、ワンピースを脱がされると、彼女は背中にひんやりとしたシーツの感触に、否が応でも裸を意識してしまう。 「アリオス…」 恥ずかしそうに潤んだ瞳で自分を見つめる彼女があまりにも艶やかで、彼はもう、自分の激しすぎる想いを抑える自信はなかった。 そっと、彼女の下着の鍵を外す。それはフロントホックで、簡単に外される。 彼の不思議な色違いの瞳に、今や彼によって花を咲かせようとしている、真っ白な果実が豊かにさらされた。 真白の果実の先は、彼を待ちわびて色を濃くし、ピンと勃ち上がっている。 その余り物美しさに、アリオスは暫し見惚れた。 「やだ、見ないで…」 小さな掌で、豊かなそれが隠れるはずなどないのに、それが判らなくて、彼女は隠そうとした。 彼は優しく彼女の手首を掴み、それを阻止すると、そっと手を広げさせる。 「綺麗だ。おまえ、こんなに綺麗になっちまってたんだな…」 「アリオス…」 彼の瞳が欲望に揺れ、声もいつもよりも低い。 見られることは恥ずかしいが、それが彼の艶やかな眼差しを生んでいるかと思うと、誇らしい気持ちになった。 彼女の腕から手を離すと、アリオスの大きな手は彼女の白いまろやかな胸を、揉みこみ始めた。 体が心が潤み始める。 「や…ン…」 弱々しい抵抗なのか、、唇から漏れる甘い吐息に、アリオスは満足げに咽喉を鳴らす。 「綺麗だな、おまえ」 「もう…」 彼は優しく彼女の胸を揉みしだき、すっかり尖った蕾を指でつんと刺激を与えた。 「やああん」 甘い声がさらに高くなり、彼女は身体を仰け反らせてその刺激に答えた、彼女は快感を受け入れてゆく。 左右どちらの蕾も指で愛されて、彼女はシーツの上で身悶えた 彼は唇をそっと彼女の白い双丘に寄せ、輝く蕾に唇を寄せ、吸い上げ、舌で舐め上げ、歯を当てたりして、その甘い味わいを楽しむ。 「ああっ!!」 蕾を深く交互に愛されて、アンジェリークは甘い嬌声を上げ、身体を仰け反らせる。 唇に愛されていない丘は、彼の手でしっかりと慰められるかのように愛撫される。 彼女の誰にも染められたことのなかった白い肌は、今、アリオスの手によってゆっくりと彼色に締め上げられてゆく。 「ああっ!」 与えられる愛撫に、彼女は目を閉じ、身体を震わせた。 くちゅ---- 淫らな水音が響き渡る。 彼の与えた愛撫に応えた体が、最奥から蜜を滴らせ始めたのだ。 その音が何を意味するかを、彼女はまだ知らない。 彼の胸への愛撫に溺れていた彼女は、彼の指が、秘所に触れようとしていたことに、気がつかなかった。 「いやっ!」 身体をピクリと跳ね上げさせて、彼女は彼の指の突然の感触に激しく喘いだ。 「アリオス…、ダメっ!」 「ダメじゃねえよ」 「だって…」 恥ずかしさの余り、彼女の声は消え入るようだ。 「そんなわけねえじゃねえか」」 く欲望に曇った声で言うと、彼は彼女の花芯を白い布の上から探し当て、指で刺激を与える。 「ああっ!!」 甘い旋律を呼吸しながら、全身を震えさせ上り詰めてゆく彼女が、欲しくて堪らない。 すっかり蜜を吸い込み、びっしょりと濡れてしまった白い布を、彼は壊れ物を扱うかのように脱がしにかかる。 「いやあン…」」 細い足をすり抜けると淫らな水音が響き、彼女は生まれたままの姿になった。 「綺麗だな…」 彼は暫し見惚れると、すっとベットから一旦離れた。 「アリオス?」 彼女が彼を追いかけて切なげに起き上がろうとしたのを、抑える。 「待ってろ…」 「うん…」 アリオスが纏っていたものを総て剥ぎ取るのに、余り時間はかからなかった。 彼のその様子を彼女は固唾を飲んで見守る。 「待たせたな?」 再び、スプリングが音を立てて、彼がベットの上にやってきた。 だが、彼はそのまま彼女の白い足に唇を落した。 「アリオス!!」 彼は足にも所有の証を刻みつけながら、唇を上へと這わせてゆく。 素早く、彼女の足首をさっと掴むと、その前に彼女の秘所を曝した。 「いやあ! 見ないでっ!」 体の奥深くを見られて、彼女はその羞恥の余り身を捩じらせる。 しかし彼の力は容赦なく、足を閉じようにも閉じることが出来ない。 彼は蜜がたっぷり溢れているそこに唇を寄せ、味わい始めた。 「ああっ!!!」 彼女は快感を彼の唇によって煽られる。 彼の唇は、蜜を吸い尽くし、その宝石に何度も舌を這わせ、吸い上げてゆく。 彼女の意識は絶頂に向けて急激に高まる。 「あああああっっ!!」 彼は蜜が溢れる泉に、指を侵入させ、彼女の胎内をかき混ぜ始めた。 何度も指は出し入れを繰り返され、指がすれて甘美な刺激を彼女に与える。 やがて指は、かき出すように内壁を刺激し感じる場所を探っていった。 「いあああああっ!」 キツク彼の指を深く締め付ける。。 そして彼女は乱れるままに、快感へと達してゆく。 唇と指で送られる刺激に、体が大きく跳ね上がり彼女はそのまま、彼の指と唇を蜜でたっぷり潤して、ベットに沈み込んだ---- 甘い余韻が残る中、荒い息遣いでぐったりとするアンジェリークの身体を、アリオスはしっかりと両手で開かせる。 もう彼は待てなかった。 「愛してる・・・」 「私も…」 彼女を安心させるかのように包み込むと、彼は緩みきった彼女の足の間に身体を入れて、そのまま、彼女の道を辿り始めた、その瞬間。 「いやああっ! アリオス、痛いわっ!!」 その余りにも、生木を裂かれるような痛みに、彼女は眉根を寄せ、身体を強張らせる。 だが、アリオスはもう止めることが出来ない 「アンジェ、アンジェ」 優しく甘く耳元で囁いて、口づけわ背中を撫でたりして、彼女を宥めながら、彼は彼女の緊張感を取ってゆく。 彼女への激しい情熱が、今花火となってスパークする。 それを境に、アンジェリークは、痛みが快楽に変ることを知る。 「ああっ!!」 彼は、ようやく力強い律動を開始する。。 経験したことのない未知なる快楽に突き上げられ、、アンジェリークの瞳には快楽の涙が浮かんだ。 彼は彼女が感じるところに、彼は愛の証を擦り付け、突く。 疼くそこを何度となく突き上げられて、彼女は甘い声で泣き、彼を締め付ける。 「ああっ!」 彼の動きが益々激しくなる。 彼からもたらされる快感に果てはなく、彼女は貪欲に求め、彼は力強く答えてくる。 ただ判るのは、彼が与えてくれる愛撫だけ。 視界がぐらつきはじめ、ガクガクと震えだした彼女の華奢な体が、限界を伝える。 「アンジェ、おまえの締め付けは最高だ…」 息を乱しながら、アリオスも速くなる。 二人の呼吸が速くなる。 熱い時が過ぎ、彼女は目がくらむような快感に満たされて、ついに彼女は絶頂を極める。 「あああああっ!! アリオスっ!」 彼の熱い命が胎内に放たれ、彼女がそれを受け入れたとき、彼女の身体に衝撃が走り抜け、。喘ぎ声と共に、世界が崩れ落ちた----- --------------------------- 「あ・・・」 気が付いたとき、アンジェリークはアリオスに優しく抱きすくめられていた。 私…、彼と結ばれたんだ…。 「大丈夫だったか?」 目元に甘い唇が落ちる。 彼女は甘い幸せに浸りながらも、自分の立場を考えると苦しくなる。 私はFBIなのに…、彼とは許されるはずはなかったのに… 急に強く抱きすくめられて、彼女は喘いだ。 「許されるに決まってるだろう? 俺たちは愛し合っているんだから} 彼女の気持ちをすべて理解して、彼は包み込んでくれる。 「でも…、うんっ!!」 口を開こうとして、彼女は彼に優しくふさがれる。 「----アリオス・…」 「俺たちは、これから自然体で行けばいい…。 おまえが今の仕事を続けたければすればいいし…」 彼はいたずらっぽい笑顔を彼女に浮かべる。 「FBIとマフィアの癒着は今に始まったことじゃねえだろ?」 軽くウィンクを去れて、彼女の表情もほころぶ。 「愛してるぜ?」 「私も…」 これから何が起こるか判らない。 だが、二人には愛がある。 二人の甘い"癒着"はまだ始まったばかり---- |
コメント
500番のキリ番を踏まれたユーリ様のリクエストで、、「マフィアのボスのアリオスと、彼を追う新米女刑事アンジェ」です。
ようやく完結の"敵味方もの"
この話はこれからシリーズとして続くと思います。
ユーリ様も皆様もよろしくお願いします!!