Lovers Secret

前編


「アリオス、今年も宜しくね?」
「ああ、俺こそよろしくな」
 ベッドに腰をかけて、二人は甘い囁きを交わしながら、新年の挨拶を交わしていた
 今年一年が、二人にとって良いものであるようにと、甘くキスで誓いを交わす----
 それがとても幸せで、二人にはこの上ない重要な行事だった。
 ふたりは、しばらく窓の外に広がる、新年の夜景を楽しんでいた。
 アリオスの住むマンションは高層マンションで、しかも彼の部屋は最上階。
 ここからの新年の夜景は最高に綺麗だ。
「新年の瞬間を二人っきりで過ごせるなんて、凄く嬉しい…。来年も、再来年も、ずっと、あなたと過ごせたら嬉しいわ…」
「ああ、ずっとだぜ、アンジェ…」
 アンジェリークの耳元で甘く囁くと、アリオスは再び唇を奪った。
 今度は先程の甘さはなく、激しく深いもの。
 総ての感覚を奪われるような、そんなキスが彼から与えられる。
「…んんっ」
 唇を吸い上げられるだけで、その強さに躰が痺れ、舌先で口腔内の上顎のあたりをしっかりと、愛撫されれば、もう何も考えることなんて出来やしない。
「はあん…」
 唾液が顎を伝い、アンジェリークは総ての思考が奪われた。
 Kissだけでおかしくなってしまう。
「んんっ…」
 唇を離されても、彼女の息は乱れたままだった。
 ただ本能が命ずるように、アリオスに縋ることしか出来ない。
 潤んだアクアマリンの眼差しで見つめられると、アリオスの欲望が燃え上がる。
「アンジェ…。最高の新年にしてやるよ」
「アリオス…」
 そのままベッドに押し倒されて、アンジェリークは躰が震えるのを感じた。
 いつもにも増して艶やかなアリオスの異色の眼差しに溺れそうになる。
「愛してる」
「アリオス…」
 とっておきのワンピースに手をかけられた。
 アリオスの為だけに、最高の新年の瞬間のためだけに着られた、ワンピース。
「このワンピースも似合ってるぜ? だが、俺はおまえの生まれたままの姿が見てえんだよ…」
「アリオス…」
 少しだけ背中を浮かされる。
 そこに当てられた掌ですらもとても温かくて愛しい。
 ワンピースのファスナーが静かに下ろされた。
 その音が部屋に響くだけで、アンジェリークは心の奥に甘い官能を感じた。
 するりと絹擦れの音がして、ワンピースを脱がされて、下着姿にされる。
 その一部始終を彼に総て見られているのが、妙に恥ずかしくて、ミルク色の肌が薔薇色に染まった。
「おまえの肌は本当に綺麗だぜ」
「アリオス…」
 彼の瞳の深い揺らめきと、その深いささやきで、アリオスが心から言ってくれるのが判る。

 私を欲しがってくれているんだ…。
 凄く嬉しい…。

 アリオスの呼吸が乱れているのが良くわかる。
 彼の唇が、白い首筋に係り、その部分を強く吸い上げられた。
「あっ…!」
 首が仰け反るのと同時に、鈍くも甘い感覚が躰を突き抜けていく。
 体温よりも少し冷たい唇の刺激は、とても甘く、それに彼女は酔いしれた。
 白い首筋には、アリオスの所有の痕がいくつも咲き乱れ、アンジェリークはそれが何よりも誇らしくさえ思えてしまう。
「あっ、ああ…」
 普段なら、学校の友達に見られたくなくて、その部分に痕をつけないでと懇願するが、今は冬休み。
 誰にも見られる心配はない。
「休みが終わるまで、おまえをベッドから出さねえからな? 覚悟しておけよ?」
「アリオス…」
 アリオスの淫らな囁きも、アンジェリークにとっては、官能を高めるスパイスになる。
 アリオスの顔がゆっくりと降りてきた。
 舌先でたっぷりと鎖骨を愛撫され、アンジェリークは、絹のようなアリオスの髪に、思わず指を差し入れる
 唇から漏れる吐息は、桃色に染まっていた。
「はあ…」
 彼の繊細な指がアンジェリークの豊かな胸に差し掛かった。
「ああっ!!」
 下から持ち上げるかのように、しっかりと揉みしだいていく。
「あああっ!!」
 時には緩やかに、そして時には激しく揉みしだいた。
「あああっ!!」
 掌で胸をマッサージされるのには、とても官能的で、快楽を呼んでくれる。
 時折、布を通して、勃ちあがり固くなった乳首が刺激されて、呻く様な声をアンジェリークはあげた。
 布の上から刺激を受けるほど、なぜだかじらされているような気分になり、堪らなくなる。
「アリ…、お願い…」
 甘い肢体を捩りながら、アンジェリークは無意識にアリオスに胸を擦り付けていた。
「しょうがねえな?」
 少しの意地悪さと甘さが混じった微笑を浮かべた後、アリオスは、わざと布の上から乳首を唇で捕らえる
「んんっ!
 アリオスの唇は強くアンジェリークの乳首を吸い上げた。
 吸い上げていない胸は、慰められているかのように揉み上げられている。
 甘い拷問に、アンジェリークはおかしくなりそうになった。
「はあ、あああんっ!!」
 悩ましげな声を上げながら、真新しいシーツをアンジェリークは力任せに握り締める。
「アリオス…っ!!!」
 彼の唇で濡れた布が、乳首を刺激して、堪らない官能を呼ぶ。
 直で吸い上げてもらいたくて、アンジェリークはアリオスの唇に更に胸を押し付けた。
「お願い…、アリオスっ!!」
 悩ましげな懇願に、彼は乳首を唇に含みながら話している。
「------何がお願いなんだ? ちゃんと言ってもらわねえと、判らねえよ…」
 話しながら吸われると、刺激の余りに堪らない。
 しかも、彼はちゃんと言わなければ、望みどおりにしてくれそうにない。
「…直に…、直に吸って欲しい…」
 アンジェリークは蚊の鳴くような声で欲望を伝えた。
「しょうがねえな…」
 本当に楽しそうに言うと、アリオスはいったん唇を離し、アンジェリークのブラジャーに手をかける。
 その彼の見つめる瞳は、いたずらっぽく輝いていて、彼女にとっては堪らなく恥ずかしい。
「あ…」
「お望みどおりに、俺の天使様」
 アリオスの繊細な指先がフロントホックにかかると、一気にたわわに実る白い果実が、薄暗い明かりの元に晒された。
「やっぱり最高の色と形だな…」
「アリ…」
 彼は満足そうに微笑んだ後、アンジェリークの豊かな胸に、顔を埋める。
「あああっ!!」
 まるで子供のように、彼は何度も頭を振ってその柔らかさと、肌のまろやかさを感じた。
「アンジェ…」
「はあんっ!!」
 やはり、彼に直に吸い上げられたほうが、何倍も嬉しくて、また気持ちがいい。
 アンジェリークは何度も躰を捩りながら、その官能に震えた。
「はあっ!」
 舌先で乳首の先を転がされたかと思えば、その付け根を甘く噛まれる。
 甘い刺激とキツイ刺激が交互にもたらされて、アンジェリークは何度も躰を仰け反らせた。
「はあ、あああんっ!!!」
 アリオスの鍛えられた肩に縋りながら、アンジェリークは何度も腰を無意識にも甘く揺らした。
「はあ・・・」
 胸からようやく彼の唇が離れて、アンジェリークは名残惜しげに溜息をまたひとつ吐く。
「アンジェ…」
 名前と共にアリオスがくれたのは甘いkiss。
 それが終わると、彼はベッドから降りる。
「あ、アリオス…。どこか行っちゃうの?」
 ここでやめられてしまったらきっと泣いてしまうとばかりに、アンジェリークは涙ぐんで、愛しい男性を見つめた。
「-----行かねえよ。心配すんな」
 頬にキスをしたあと、アリオスはアンジェリークの前で衣服を脱ぎ始める。
「おまえに、プレゼントやるからな?」
「プレゼント…?」
「ああ」
 アリオスの口角が僅かに上がった。
 彼はズボンのバックルをわざと音を立てて、はずし、素早くそれを脱ぎ捨てる。
「…!!!!!」
 目の前に現れたものに、アンジェリークは真っ赤になって絶句する。
「おまえへのプレゼントだ。ほら、食えよ」
 不適な微笑みにアンジェリークは震えた手を伸ばす。
 そこには、アリオスのモノがバナナのように布の皮のようなものに包まれ、突き出ていた-----
「一枚ずつ剥けるぜ? そういうパンツなんでな」
 象の鼻のように彼のモノが突き出た下着を、アンジェリークは暫く見つめる。
「口で剥けよ?」
 その挑むようなアリオスに眼差しに負けて、アンジェリークは唇を熱いものに近づけていった-----

コメント

2003新春初書きは、やはり『姫初め』を(笑)
自分でも、またアホなことを書いていると思いつつ、がんばっております。
次回はもっと『エロ』っぽく攻めてみたいと思いますので、
皆様、引かないで下さい(笑)
久しぶりにエロを書くと、やっぱりいいな〜なんて思ってしまいます。

2003年も、『異間人館』『Sexy Gardians』を宜しくお願いいたします。



モドル ツギ