1
「終電出ちまったな・・・」 「はい・・・」 アルバイト先での仕事が佳境を迎え、一生懸命やっているうちに終電を迎えてしまった。 出ていく電車を線路の向こうで見送りながら、アンジェリークは溜め息をひとつ吐く。 今期では最重要プロジェクトのせいか、詰めの作業もかなり慎重で念入りにこなさなければならない。 アルバイトでなくてもそれは例外ではなく、特にアンジェリークはプロジェクトリーダーアリオスのアシスタントな為、最後まで付き合うことが多かった。 「俺も今日はたまたま車で来てねえからな・・・」 直属の上司であるアリオスが少し考えるしぐさをすると、不意に手を取られて引っ張られる。 てっきりタクシー乗り場に行くのだと、アンジェリークは思っていた。 強い力で腕を引っ張られ、アンジェリークはおたおたと着いていく。 その間、アリオスは携帯でどこかに電話をかけていた。 アンジェリークの躰がタクシー乗り場に傾きそうになり、アリオスに戻される。 「おい、こっちだ」 「タクシーに乗るんじゃないですか?」 「いや。それだと明日の出勤にお互いにかなりの労力が必要となっちまうからな。疲れないようにな?」 「明日は休日だから午後からじゃ・・・」 ほんの少し、アンジェリークは戸惑いの色を見せたのだが、アリオスは魅力的に口角を上げただけだった。 「おまえの疲れを最少限にとどめておかねえといけねえからな」 アリオスが言うことは、一々利に適っているので、アンジェリークは従う。 最も、理不尽なことも結局はアリオスに従ってしまうのだが。 「え!?」 連れていかれた場所に、アンジェリークは息を呑んだ。 そこは、仕事場の近くにある最高級ホテルで、アンジェリークもいつかは泊まりたいと思っているところだ。 アリオスのようにステイタスのある男なら、当然泊まることが出来る場所。 アリオスが到着するなり、支配人らしい男がいそいそとやってきた。 「アリオス様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました! 最上階にお部屋をご用意させて頂きました」 「有り難う。世話になるぜ」 特に荷物などもないので、ふたりは身軽に部屋まで向かった。 「あ、あの・・・」 最上階のゴージャスな部屋に通されて、アンジェリークは緊張してくる。 こんな経験は今までになかったことだ。部屋に入り、中が城のように綺麗なことに驚いてしまった。 「あの・・・、アリオスさん・・・、ここみたいな場所は大袈裟です」 「”ジュニアスウィート”だから、特に気にしなくていい」 アリオスはさらりと感情なく言うと、荷物をソファに置いた。 「別に、ダブルで寝るわけじゃねえから、ばらばらだから気にするな」 「・・・はい・・・」 どこか安心したような、少し残念のようなそんな気分になった。 「先にシャワー浴びてこい。バスローブとバスタオルはドレッシングルームにあるだろうから」 「・・・はい」 先にシャワーを浴びるのは恥ずかしいような、なんとも言えない気分だ。 バスタブにお湯を溜めて、その間にシャワーを浴びる。 セパレートになっているのが嬉しい。 「おい、コレット、携帯が鳴っているぜ?」 「え、あっ!」 シャワーを浴びているので、無防備になる。 「あの、そのまましておいていただいたら・・・」 返事をはすると同時にバスルームのドアが開き、アリオスが顔を覗かせる。 シャワーを浴びていたせいで無防備になっていた。 バスルームの鮮やかな照明にま白な肌を晒してしまう。 「あ、あの・・・」 なるべく落ち着いたように見せようと、深呼吸をした。 「アリオスさん、後で電話だったらかけ直します・・・っ!」 落ち着きを払って言ったつもりだった。 だが、アリオスの繊細な指先でアンジェリークの躰のラインをなぞってくる。 「やっ・・・!」 ぞくりと背中が震えた。 「綺麗な躰だな?」 「・・・見ないで下さい・・・」 「すげえ綺麗なラインをしてる」不意にアリオスが背後から抱き締めてくる。 「濡れちゃう・・・っ!」 先ほどから一転して、息が早くなっていく。 「濡れるって、ここが?」 いつもよりも低い声が響き、艶やかに耳を噛んできた。 「やっ・・・!!!」 油断などしていなかった。だがアリオスの指は一瞬のすきを着いて、アンジェリークの甘いスリットに侵入してくる。 「やっ、あんっ・・・」 くちゅん。 淫らな濡れた音が響き、じんわりとした疼くような熱になる。 「-----濡れてるぜ?」 ストレートなアリオスの声は、それだけでどうしようもなくなる。 「あっ!!」 繊細な指がゆっくりとスリットの内側をはいまわる 。「はあんっ・・・!!」 アリオスの指が中心を中心をくにくにとこすってきた。 「やあっ・・・!」 指のスピードが徐々に速くなっていく。 紅い蕾が堅くなり、じんとした快感が下腹部を貫く。 「…あっ…!!」 指がぬぷっと音を立てて、胎内に入ってきた。 「あああっ!!」 入り口にとても圧迫感を感じる。 だがそれはきついような心地よいような何とも言えない気分になる。 「はあっ、ああんっ!」 アリオスの指が胎内でゆっくりと動き始めた。 探るような優しい動きは、アンジェリークに確実に快楽を与える。 知らなかった甘い疼きと、感覚。 だがそれは決して嫌じゃない。 「ああっ…!」 胎内をくちゅくちゅとかき回されると、腰から下の感覚がなくなった。 力が入らない------ 「あん、あああっ!」 アリオスが胎内の最奥をかき混ぜ始めると、一気に快楽が走り抜ける。 「ああああんっ!!!!!!」 躰に甘い痺れが走り抜け、背中を仰け反らせるとアンジェリークはアリオスの肩にぐったりともたれかかった。 |
コメント アリコレの新しいえろです。 次回で甘いエロは完結。 最近頭がえろエロで困っています(笑) タイトルは「或る夜の出来事」です。 映画のようにロマンティックとはいきませんが、宜しくお願いします。 |