La Isla Bonita


「アリオス〜! やっぱり凄くロマンティックだわ! 本当に有り難う!!」
 アンジェリークはアリオスの腕にしっかりと掴まりながら、嬉しそうに笑っている。
「久し振りのバカンスだからな。羽根を延ばしてゆっくりしようぜ」
「うん!」
 アリオスとアンジェリークは、南のロマンティックな島に、バカンスに来ていた。
 光と影のバランスが美しい情熱の島。
 そのロマンティックさに、アンジェリークはすっかり魅せられていた。
 坂の多い街を散歩するだけでもとても楽しい。それはアリオスが一緒だということもあるだろう。
「眩しい! ふたりしてこれじゃあ日焼けしそうね?」
「見せつけてやったらいいじゃねえか? みんなによ?」
「もう・・・」
 アンジェリークは恥ずかしそうにしながら、俯く。
 それがアリオスには、凄く可愛らしかった。
不意に、哀愁を帯びた素敵なメロディが路地裏に流れてきて、アンジェリークは思わず聞き惚れる。
「凄く美しい音色だわ・・・」
「フラメンコギターだな」
「アリオス知ってるの!?」
 アンジェリークは驚愕と尊敬が入り交じった表情で、恋人を見上げる。
「ちょっとぐれえは弾けるぜ?」
「凄い!」
 益々アンジェリークはうっとりとしてしまう。
 音に誘われて、もっと奥に行ってみると、フラメンコギターに合わせて、美しい黒髪の女性がフラメンコを踊っている。
 とても情熱的な踊りに、アンジェリークはうっとりと見つめた。

 凄く綺麗な踊り・・・。

「凄く素敵・・・!! 踊ってみたいわ・・・!!!」
「クッ、小学生の頃に”栗の実”ダンスをしていたおまえがかよ!?」
 アリオスがかなり受けている様子に、アンジェリークはすっかり憤慨していた。
「何よ! ”昆布踊り”だって得意なんだから!」
 頬を膨らまして拗ねる彼女がアリオスには相当可愛らしくて、ずっと笑っている。
 フラメンコの情熱的なダンスが終わった後、アンジェリークは感激の余り何度も手を叩いた。
 すると美しいダンサーが微笑みながら、アンジェリークに近付いてくる。
「お嬢さん、どうぞ」
 髪に刺していた、造花の美しいアクセサリーをアンジェリークに手渡してくれる。
「有り難う!」
 嬉しそうに見ていると、女性はアンジェリークの髪に刺してくれた。
「新婚旅行ですか?」
「いえ、その・・・」
「いずれはそうなるつもりだ」
 アンジェリークが言葉に詰まっていると、アリオスが代わって言ってくれる。アンジェリークにはそれが嬉しくて堪らなかった。
「おふたりともお幸せに」
「有り難う!」ふ
 たりはフラメンコダンサーたちに別れを告げた後、ゆっくりと元来た道を戻っていく。
「ホテルに戻って昼飯食っちまおうぜ? シエスタが始まるから、店も一端閉まっちまうしな。俺たちも少し昼寝だな?」
「うん」
 ふたりは仲良く、ホテルに戻りレストランで昼食を決め込んだ。

 今日のランチはロブスターをメインとしたパエリアだ。
「やっぱり本場は違うわ〜! 凄く美味しいもん!!」
「だな。うまいな」
 いつも仕事に追われた毎日を過ごしているせいか、こんなゆったりとしたランチタイムは久し振りだ。
「こういうの作りたいな〜」
「作れよ。材料を無駄にしねえように頑張れよ」
 意地悪に微笑む恋人に、アンジェリークはまた軽く拗ねた。
 その表情を見たいがために、恋人がからかっていることを、アンジェリークは知らない。
「作ってもアリオスには絶対〜あげないもんっ!」
 アリオスさ意地悪にも微笑むと、アンジェリークの頬に手を延ばした。
「ついてるぜ? メシ」
 アリオスは御飯粒を取ると食べてしまう。
 アンジェリークは恥ずかしすぎて、今度は逆に俯いてしまった。

 甘くも美味しい時間を過ごした後、アリオスと手を繋いで、アンジェリークとふたり部屋に戻る。
 エレベーターの中でもいちゃいちゃとしてから、ゴージャスなスィートルームに入っていった。
「お姫様になったみたい・・・。有り難う、アリオス」
「いつもおまえが頑張ってくれるからな」
 部屋に入ると、空調が心地好く、光が柔らかく差し込んでくる。
「シャワー浴びたら、シエスタしようぜ?」
「うん」
「シャワー浴びてくる」
 アリオスが浴室に入って行くのを見つめていると、彼が振り返ってきた。
「一緒に風呂に入るか?」
「昼間から恥ずかしいもん・・・」
 アンジェリークは耳まで真っ赤にさせて俯く。
「じゃあ、今夜な?」
「もう・・・」
 クックと喉を鳴らして笑いながら、アリオスは浴室に入っていった。
 やはりざっとシャワーを浴びるだけなので、すぐにアリオスは浴室から出てくる。
「ほら、入ってこい」
「うん」
 栗色の髪を上げてから、アンジェリークは浴室に入っていく。
 シャワーの栓を開いた後、心地好い水流が肌に当たって気持ちが良い。
 なんて贅沢な休日だろうか。
 のんびり羽根を延ばせて、しかも三食昼寝付きなのだ。
 夕方はサマードレスを着て、アリオスと花火大会を見ながら食事をする予定だ。
 ご機嫌過ぎる休日に笑みも零れた。
 ボディシャンプーで躰をさっぱりさせた後、タオルで水分を拭き取り、バスローブを羽織って浴室を出ると、アリオスが待っていた。
「昼寝に行くぜ?」
「うん」
 抱き上げられてベッドに運んでくれる。アリオスがお姫様のように扱ってくれる瞬間が、アンジェリークは嬉しくてたまらない。
「ゆっくり昼下がりを楽しもうぜ?」
「うん、昼寝で疲れを癒さないとね」
「移動の疲れと、昨日の夜の疲れとな?」
「もう、バカ」
 確かに昨夜は飛行機の移動でくたくたで、ホテルにチェックインして、お風呂で疲れを取って、ぐっすりと眠るはずだった。
 が・・・、入浴の後ベッドに入ると、アリオスが襲いかかってきて、結局は寝るのが遅くなってしまったのだ。
 ベッドに寝かされて目を閉じた瞬間、アリオスが横に滑り込んできた。
 次の瞬間、抱き締められる。
「アリオス・・・」
「昨日は1回しか出来なかったからな。その埋め合わせだ」
 突然ローブをまさぐられてしまい、アンジェリークは甘い吐息を吐く。
「・・・あっ、だって寝かせてくれるんじゃ・・・」
「”シエスタ”はこのためにあるんだぜ?」
「やっ、あんっ!!」
「したら少し寝かせてやるから・・・」
 唇を奪われて、アンジェリークは甘い吐息を吐く。
 アリオスのキスは、全てを奪い尽くすかのように、貪るようなものだった。
 口腔内を舌先でたっぷりと犯された後、アリオスは口の周りをめいいっぱい舐めてくれる。
「おまえすげー可愛いぜ?」
「アリオス・・・」
 アリオスのキスによって目覚めた官能で潤んだ瞳を、アンジェリークはアリオスに向けた。
「あっ!」
 昼寝をするつもりだったので下着を付けていない胸に触れられて、アンジェリークの吐息が激しくなった。
「んんっ!!」
 白くてすべすべなアンジェリークの胸を、アリオスはしっかりと揉み込み始める。
「んんっ・・・!!」
 下から持ち上げるように何度も胸を揉みこまれて、アンジェリークは何度も甘く艶やかな吐息を吐く。
 それが凄く愛しくて、アリオスは更に胸が張り詰めるまで揉みこんできた。
「あっ、ああんっ!!」
 勃ちあがり始めた薔薇色の蕾は、指先でくにくにと摘まれて、躰に痺れるような快感が走る。
「あっ、いやんっっ!!」
 ローブを脱がされ、シーツも取られてしまい、アンジェリークの躰が光に晒される。
「いやっ・・・!」
 光に晒されるだけでも恥ずかしいのに、アリオスの視線は許してくれそうになかった。
 異色の瞳で真摯に見つめられると、アンジェリークは逆らえなくなる。
「アンジェ・・・」
「あっ!」
 勃ちあがった薔薇色の蕾を、アリオスが吸い付くと、アンジェリークは躰をびくりと逸らせた。
 生きているようなアリオスの舌に、アンジェリークは翻弄される。
 彼は左右の蕾を片方ずつ充分に愛しながら、胸を揉みしだいた。
「あっ!!」
 躰の奥から、愛の証しの熱いものが流れ始める。
 アリオスの手が、アンジェリークの下着にかかった。
「やっ!」
「もうすげー濡れてる・・・」
「やだっ!!」
 アンジェリークは恥ずかしくて顔を背ける。
「おまえの芸術品見せてもらうぜ?」
「「あっ! いやああんっ!!」
 アリオスの手が、アンジェリークの下着にゆっくりとかかった------
コメント

「ラブ通」最終号の表紙から生まれたエロです。
いいところですん止め。
アリオスさんに怒られそうだ(笑)
ふたりの日焼けの秘密など描きたいな〜!!!



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