BABY IT’S YOU/MAY BE IT’S YOU
後編


 潤んだ瞳で彼を真っ直ぐに見つめ、アンジェリークは僅かに身体を震わせている。
「…門限は…いいのか?」
 アリオスは、そっと、彼女の肩を抱いて、その瞳を覗き込んだ。
「・・うん…。いいの。門限は…。
 私…、両親が赴任で外国に行っていて、お姉ちゃんと二人暮しなの…。お姉ちゃんは…、今夜は恋人と過ごすから帰ってこないの。
----だから・・、いいの…。だって、アリオスの側にいたいもん。こんなに切迫した気持ちは初めて…」
 彼もまた、この少女に惹かれて、助けた。
 それがどうしてだかはわからない。
 だが、今彼も切迫するほどの思いを抱えている。
「後悔はしねえか?」
「うん…、どこでも連れて行って?」
「判った」
 アリオスはアンジェリークの手を取ると、強く握り締めて、そのまま彼女を連れて行く。
「どこへ?」
「この近くに俺の車を停めているから、そこから俺の家へ行く」
「うん…」
 二人は駐車場へと向かい、そこで車に乗り込む。
 彼の車は、、黒いクーペフィアット・リミテッドエディションで、高級外車を乗る彼が、いったい何者かを、アンジェリークは考えてしまった。

 アリオスは、いったい何者なんだろう…

 車に揺られて暫くすると、高級住宅街に入ってきた。
 そこはそこは豪邸ばかりで、アンジェリークはきょろきょろとしてしまう。
「何がそんなに珍しい?」
 おかしそうに、彼は言う。
「え? あ…、大きいおうちばかりだなッて思って…」
「そうだな…」
 彼はさらに車を走らせて行く。
 一際、目を惹く、大きな屋敷にアンジェリークは目を見張った。
「凄い! あのお屋敷」
「そうか? あれが俺の家だ…」
「え!?」
 余りにもスケールの大きな話で、アンジェリークは息を飲むしか出来なかった。


 屋敷の中に入り、長い敷地部分を越えて、ようやく駐車場部分に入った。
「今日は、使用人は休みで出払ってる。誰にも見つからずには入れるから」
「うん…」
 車を降りてゆっくりと屋敷に入る。
 敷地自体の警備も完璧で、抜かりがない。
 アリオスは電子キーと暗号でドアを開けると、アンジェリークの手を引いて二階へと連れてゆく。

 どうしてこんなことをいったのか、自分でも判らない…。
 だけど…。
 どうしても彼のものになりたかったの…

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「おまえはこの部屋のバスルームを使え。俺は隣を使うから」
「・・・うん、有難う…」
 来客用のバスローブとバスタオルを渡されて、彼女はバスルームへと入った。
 制服を脱ぎ、ハンガーにかけ、作り付けのクロゼットにかける。
 そして、中に入って、シャワーを浴び始めた。
 体中が感覚になり、シャワーを痛いほど感じる。

 私…。
 どうしても…あの腕に抱かれたい…

 ボディソープで身体を洗い、髪を洗った後、彼女は中から出た。
 髪をタオルドライをして、バスローブを纏ってから部屋に入ると、その前には、すでに、先にシャワーを浴びていたアリオスが待っていた。
「来い」
 命令するように強く言われ、彼女はそっと頷いた。
「離さねえから・・・」
「うん・・・」
 そのままアリオスはアンジェリークを抱き上げ、天蓋つきの立派なベットに連れて行った。
 彼女はそこにそっと寝かされた。
「アリオス…」
 不安げに揺れる彼女の眼差しに、彼は愛しさがこみ上げてくるのを感じた。
「怖くねえからな? 俺がついてる…」
「うん・・・」
 ベットの上で、彼だけを待ち、、小さな動物のような姿の彼女に、彼は軽く口付けた。
 その後に、ゆっくりと彼女の身体を覆う。
「…ん…っ!」
 彼女の全てを奪い尽くしてしまうかのような、情熱的な口付け。
 勿論、彼女はこんな口付けを知らないわけで。
 その口付けに、体に力が入らない。
 彼の舌が、彼女の口腔内に侵入し、余すことなく愛撫を始める。
 もう何も考えられなくて、彼が与えてくれる感覚だけが総てだった。
 キスを与えながら、アリオスの繊細な手は彼女の身体を探り始める。
 ローブの前を空けられ、露になった白い肌を、彼の巧みな指がなぞった。
「・・・んっ・・・」
 彼の唇に溺れながら、その優しい手の感触に、彼女はうっとりとする。
「可愛いな…。おまえ・・・」
「ん・・!!」・
 何度も深く唇を晴れるまで吸われた後、、ようやく彼の唇が離され、彼女の唇からは甘い吐息が漏れた。
 欲望が渦巻いているた彼の不思議な瞳に、じっと全身を見つめられて、アンジェリークは恥ずかしくなり、思わず身を両手で覆った。
「アリオス…、恥ずしい…」
「おまえは凄く綺麗だ…。お願いだ・・、見せてくれ…」
 欲望に曇った低い声で囁かれて、彼女は意思とは関係なく、思わず頷いてしまう。
 彼は満足そうに笑うと、彼女の腕をそっと体から下ろさせた。
「最高だ…アンジェ…」
 豊かな彼女の胸がふるりと揺れるのを見つめたまま、彼は眼差しを外そうとはしない。
 ゆっくりと彼の顔が首筋に埋められる。
 彼の濡れた舌が彼女の白く透き通る首筋を辿り始めた。
「あ…っああ」
 彼女の声がいつもに増して甘さを含み、彼を昂まらせる。
 舌は容赦なく彼女の肌から命を食むように彷徨い始めた。
 その総てを奪い尽くすかのように、彼女の肌に押し付けられる。
「…や…ん!!」
 首筋、鎖骨、それらにアリオスは赤い証をつけてゆく。
 彼女は彼のものだという所有の証を----
「逢ったときから、こうしたかった…。
 おまえと一目逢った時から、こうしたかった…」
「私も…! ああっ! あなたの…、あなたのものになりたかった!! ああ」
 赤い花びらが散るたび、アンジェリークの息は上がり、喘ぐ。。
 彼の唇はゆっくりと降りてゆき、豊かな胸の蕾に辿り着いた。
「アリオス…!!」
 声にならない声を合えながら、彼女は彼の名を呼ぶ。。
 自分を呼ぶ声がもっと聞きたくて、甘い喘ぎ声をもっと聞きたくて、彼の唇を待って震えていた、ぴんく色の蕾を強弱をつけながら吸い上げた。
「ああ・・・!!」
 唇を受けていない胸は、持ち上げられて優しく包まれ、揉みこまれる。
 直に蕾を口に含まれ、舌で転がされ、嬲られる。
 触れていない手は何度も彼女の豊かな胸を掴んだまま離さない。
「アリオスっ!!」
 自分の声とは思えないほどの甘く激しい声が漏れて、彼女は驚愕した。
 体の奥が熱くなり、体が彼を求めているのが判る。
 だが、彼女にはそれがどういうことなのか、具体的には未知の領域だった。
 彼への欲望が高まった証拠に、彼女の奥から蜜がとめどなく溶け出し、流れ始めた。
 その勢いは止まることを知らず、流れを作り、シーツを濡らす。

 何だか恥かしい・・・

「あっ!」
「触れたい…」
 アリオスの手がアンジェリークのすんなりとした太腿に伸びる。
 二度、三度と撫でられるだけで、足の力が抜ける。
 それがチャンスとばかりに、彼の指が秘所へと探りを入れてくる。
「あっ!! いやっ! そこは!」
 誰にも触れられたことのない、恥かしい最奥を、直に触れられて、彼女はどうしようもないほどに全身が震えるのを感じた。
「いやあんっ!」
「あついな。おまえ?」」
 いきなり、アリオスは力で足首を掴んで、大きく足を開かせ、彼女の秘所を曝した。
「いや!!」
「可愛いぜ? アンジェ」
 いつもより低くて、魅力的なテノールで囁かれると、彼女は全身から力が抜けてしまう。
 彼の指が、無防備になったそこに触れる。
 途端に、ひどく淫らな水音が部屋にくちゅくちゅと響き渡り、彼女の全身が粟立った。
「はあんっ! アリオスっ!」
 その甘い拷問に、彼女は彼にしがみつく。
「おまえ最高だ…」
「あっ、アリオス!!」
 足の付け根に生温かな息を感じたかと思うと、彼の舌が太腿から順に、彼女の蜜を辿り、中心へと動いてゆく。
「いやっ!! だめっ!! ああ…」
 気が遠くなるほどの恥ずかしさに彼女は身を捩り、泣きながら懇願するが、彼は離してくれない。
 舌は、彼女の秘所にゆっくりと侵入し、蜜を音を立てて舐め取る。
「うまいぜ?」
「やあん!!」
 甘く可愛らしい吐息が、彼を更に突き動かす。
 彼の舌は宝石を探し当て、、そこを愛でるように口づけたり、歯を当てたりして軽く噛んだ。
「ああ・・・!!!!!」
 全身に震えが走り、足をぴんと伸ばすことしか出来ない。
「アリオス…!!」
 彼女は全身を痙攣させ、そのまま意識を沈ませた。

「アンジェ…」
 名前を囁かれて、
アンジェリークはゆっくりと瞳を開いた。
「ありおす・・・」
「ずっと、これからも。俺のものでいてくれ…」
 その瞬間、彼は彼女の胎内に自分を埋め始める。
「アリオスっ!! ダメ! 痛いっ」
 今までに知らなかった全身を貫かれる鋭い痛みに、アンジェリークは顔を顰め、目をキツく閉じた。
 背中に回された彼女の手の強さが、その衝撃の強さを彼に伝える。
 爪が立てられ、彼女が必死に耐え抜いているのが判る。
「大丈夫だ、身体は多少無理しても壊れないようになってる…。
 俺を信じろ?」
「ああっ!」
 響き渡る甘い悲鳴。
 だが、彼にはもう止めることは出来ない。
 彼女の体の力が抜かれるようにと、顔や体にキスの雨を降らせ、甘くその名前を囁き、宥める。
「愛してる…、アンジェ…。
 ホントに愛してる…」

 それって、ホント・・・?

「私も、愛してる!」
 愛の言葉が、彼女の体から強張りを静めた。
 その言葉が嬉しくて、彼女の頬に涙が伝う…。
 深く…、激しく…
 それを身体で感じ、彼は今度は彼女の奥深くまで腰を進め、その熱さと、結合の喜びを噛み締めた。
「あっ!! ああ…」
 ようやく、苦痛を伝える声ではなく、悦びを彼に伝え始めている。
 それを合図に、ゆっくりと、アリオスは動き始めた。
 誘われるようにアンジェリークも無意識に動く。
 二人は最高のコンビネーションは最高で、互いに深い官能を産む。
「ああ、ああっ!! アリオス!!」
 甘く激しくなってくる吐息。
 快楽を深く産むリズム。
 「ああっ! もう…、ああ…・・・!!」
 逢った時からどうしようもなく欲した少女と、結ばれる喜びが、彼を更に高まらせ、彼女を何度も突き上げる。
 彼女もまた意識が朦朧とし、もうアリオス以外の何も考えることが出来ない。
 ただ、彼だけを放さないように何度も締め付ける。
 それは、彼のために存在するかのような締め付けだった。
 これほどぴったりとした相手はなかったと、彼の心と体が今最高に満たされる。
「アンジェ…!!」
 二人の息が早くなり、楽園への扉をノックする。
「ああああああ!!」
 感極まった彼女は大きな嬌声を上げ、それと同時に失神し、ベットに沈み込んだ。
 
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「アリオス?」
 彼女がその名を呼べば、彼は抱き返してくれた。
「アンジェ…。これからもずっと、俺と一緒に過ごしてくれねえか?
 おまえが欲しい…」
 彼は耳元で囁くと、彼女の唇に軽く口付けた。
「うん…。いいの? 私で?」
「おまえこそ俺でいいか?」
 その言葉に彼女は彼の胸に顔を埋める。
「あなたしかダメ…身も心も。
 愛してるから…」
 そう言うと、彼はクッと笑う。
「どうしたの?」
「先をどうやら越されちまったからな。
 俺も、おまえを愛してる…」
「アリオス!!!」
 彼女の心に喜びがあふれ出て、溢れたもの総てが涙になった。
「これからずっと一緒だ…」
「うん・・・」
 二人は深く抱き合う。

 出会ったきっかけが何であれ、二人は今、自分の"半身”に出会うことが出来たのだ----- 

The END


コメント

29000番を踏まれたサミー様のリクエストで、
「売女に間違えられたアンジェリークを、アリオスが貰う」です。
修行のたびに出ます…