子供のころ、近所のお姉さんがこう云った。
「あなたにもいつか素敵な男性(ひと)が現れるわ。
女の子は誰でも、たった一人の男性(ひと)をずっと待つものなのよ。
でも気をつけて!
それまでに素敵になっておかなくっちゃダメよ。
だけどね、年月は、ウインクしてる間に過ぎていくわ。
ふふ、あなたにはまだわからないでしょうけど・・・」
私は、早く素敵にならなくっちゃってこのとき思った。
だって、このときには、既に目の前に素敵な男性(ひと)がいたから。
それは11歳違いの、お向かいのお兄さん。
ねえ、私が大きくなるまで待っていて!
ほかのだれの物にもならないで・・・!
早く大きくなるから!
絶対素敵になるから・・・!
待っていてね・・・!
私はいまだに願っているわ・・・。
待っていてって・・・。

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