BODY AND SOUL

CHAPTER 12


 その夜、ベッドで互いの愛を確かめ合いながら、ふたりは夢心地の甘い時間を過ごしていた。
「愛してる、アンジェ」
「私も、愛してるわ、アリオス」
 柔らかな彼女の温もりは、何よりもアリオスを安らぎに導いてくれる。
「もうすぐアルカディアに戻るのね?」
「おまえをちゃんと守ってやるからな?」
 ぎゅっと抱き締められて、アンジェリークも彼を抱き返した。
「離さないでね、ずっと・・・」
「ああ。おまえが嫌だと言ってもな?」
 アリオスの温もりに安心しながら、アンジェリークは安らかに瞳を閉じる。
 彼もまた久し振りに、穏やかな眠りを迎えていた。

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 翌朝、早くに宇宙船は、離陸した。
 アンジェリークの故郷、アルカディアに向かって、戦いの旅に出る。
 誰もが判っていた。
 このメンバーでの最後の旅になることを。
 今までにも増して強くなった結束で、彼らは戦いに挑みに行く。
 どの顔も明るく、最後の戦いを楽しんでいるかのようだ。
 離陸の間、不安げなアンジェリークを落ち着かせるため、アリオスは彼女を自分の操縦席の隣にある補助席に座らせた。
「アルカディアに向かって出発」
 アリオスの声と同時に、宇宙船は浮き上がり、星の海に漕ぎ出していく。
 操縦席にいるアリオス、オスカー、エルンストのコンビネーションはとても素晴らしく、そのせいか宇宙船は余り揺れることもなく、軌道に乗った。
 軌道に乗ると、後は、自動運転になる。
 保護のシートベルトが外れた瞬間、アリオスは直ぐに操縦席を降り、アンジェリークを助手席から立ち上がらせた。
「大丈夫か?」
「平気」
 アリオスに身体の一部分を触れてもらうだけで、アンジェリークはほっと安堵の溜め息を吐く。
「星、見に行くか?」
「うん」
 手を繋いで、二人は展望デッキに上がる。
 ここのドーム天井は、シースルーで美しい星の海を見つめることができる。
 そこに連れていって、彼女の心を落ち着かせてやりたかった。
「ここからアルカディアは三日かかる」
「うん・・・。巻き込んじゃってごめんね」
「バカ。大事な女を守るのは当然だろ?」
 アリオスはぎゅっと彼女の肩を抱き寄せ、包み込んだ。
「有り難う」
 二人は一番星が見える場所で腰を下ろし、空を見上げると、お互いの想いをそこに託す。
「アリオスはいっぱい星を旅してきたのよね? どれか判る?」
「ああ。あの星も行った。お宝がざくざくだったな。おまえの星にも行ったぜ?」
「ホント!?」
 アンジェリークは嬉しそうに笑うと、アリオスに輝く瞳を向けてきた。
「どこを行ったの!」
「エンジェル。マウンテン。ずげえ綺麗だった・・・。その奥にあるウ゛ィーナスの湖の夕日が沈むときの美しさは目を見張ったな・・・」
「私もよく見ていたわ。同じ風景を・・・。夕焼けで山が燃えて凄く綺麗な・・・。一緒に見たいわ」
「ああ。見ような?」
 アリオスはアンジェリークを抱き締めると、その薔薇色の唇に甘い口付けを送る。
 彼女を優しく包み、落ち着かせるために。
「アリオス、やっぱり、トレジャーハンティングは楽しかったでしょ?」
「ああ。刺激的だったな・・・。お宝も面白いものがあったし」
「だったら、戸惑いはないの? 私といたら・・・」
 そこまで言ったところで、アリオスに唇を塞がれた。
「あっ・・・」
 アンジェリークは、潤んだまなざしで、唇を離した彼を見つめる。
「おまえが、俺にとっては最高の宝物だ。それを見つけたから、俺はトレジャーハンターとしてはもうやり残したことはねえよ」
 低い声で囁かれる言葉は、アンジェリークの心を何よりも安心させ、感激させてくれる。
 宝物のような言葉。
「有り難う、アリオス・・・。大好きよ」
 アンジェリークは彼に抱き付いて甘えると、いつまでもその思いを心に抱き締めていた。

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 旅は穏やかに進む。誰もが、大きな戦いになることを知ってはいたが、その表情は明るかった。
 ゼフェルなどは、戦闘に備えた武器の担当のせいか、整備やパワーアップをしっかりと行い、その準備に余念がない。
 エルンストは着陸の事前申請手続きを行い、セイランはアンジェリークの偽パスポートを作り、チャーリーとオスカーは戦闘に備えて訓練している。
 誰もが、アルカディアを救うために頑張ってくれているのが、アンジェリークには嬉しくてたまらない。

 皆さんどうも有り難う・・・。
 アンジェはすごく幸せです・・・

「アルカディアへ着陸態勢に入る!」
 アリオスの声が凛として響き、各自がシートベルトを着用して、備える。
 アンジェリークは、宇宙船に大きく見える、青き美しい惑星(ほし)、故郷である、アルカディアをじっと見詰める。
 太陽に輝けるその星は、とても美しく、まるで宇宙に浮かぶひとつぶの真珠のようだ。
 誰もがその美しさに、言葉を失ってしまう。
 宇宙船はゆっくりと吸い寄せられるかのようにアルカディアに近づいていく。

 ただいま…。
 レイチェル、アルフォンシア・・・

「宇宙船no.ARIOS・DCAC112228.着陸許可を求める」
 エルンストは端末を叩きながら、アルカディアの検問所に伺いを立てる。

 戦いはまもなく開始される。

コメント

アリXアンのSFです。
今回は盛り上がる前の序章です。
これからクライマックスにいきます。
頑張れみんな(笑)