13.電気系、燃料系部品を取り付ける

基本的にはヒーターを降ろす前の状態に戻せばヒーターは機能しますが、この際にやっておくとより作動が確実になるコツがあります。
やすりかけるまずは電気系部品。燃焼を司るグロープラグの取り付けです。グロープラグが入る穴の表面は取り付ける前に空研ぎペーパーやヤスリなどで研いで、金属の表面を出しておくようにします。永年の使用により残留したガソリンやエンジンルーム内の埃により、グロープラグとの合わせ目がかさぶた状の汚れで覆われていることがよくあるためです。そのままグロープラグを取り付けると電気がアースされず、グロープラグが機能しません。
グロープラグ取付グロープラグを取り付けた後、もとあった通りにハーネスをつないでいきます。レジスターを取り付ける際にはステーに留めるボルトでレジスターのステーとヒーター本体のステーとを共締めにしますので、仮組みしていたボルトを一旦抜いて締めます。ここが決まった後に、ヒーターを留めるボルト4本を本締めします。
ヒューズボックス燃焼式ヒーターは電源を取るところが二箇所必要です。一方はスターターモーターの端子から。もう一方がこのヒューズボックスからです。ヒーターのハーネスは20Aのヒューズが入っている端子から取っています。右がバルクヘッド側、左が進行方向前側になります。このヒーターはトヨタスポーツ800に使用されているヒーターの中でも初期のもので、その配線図をみると一番下のヒューズの左側の端子から電源を取っているように書いて有ります。しかし、後の配線がやりやすいのと後年のヒーターの配線図によるとここから電源を取っているのでそれに倣うことにしました。
リレー台座下サーモスイッチ上部の配線が終了した後にサーモスイッチの上にヒーターリレーが乗っている台座を取り付けます。取り付ける前に台座とヒーターケースが接するところのビス穴の付近を空研ぎペーパーで研ぎ、ヒーターケースの地金をだしておきます。ここまで書けばわかると思いますが、台座の上に乗るヒーターリレーのアースをとり、動作確実にするための処置です。
ヒューズボックスヒューズを確認の上、交換します。赤いハーネスのついているヒューズボックスには20Aのヒューズを、黒いハーネスのヒューズボツクスには5Aのヒューズを入れます。永年の使用により性能が落ちているヒューズが入っていたり、勝手にアンペア増しされていたりする例がありますので、確認するついでに思い切って交換してください。なお、このヒューズボックスの位置は年式によりまちまちですので、ハーネスを取り付ける前にご自身のヒーターにはどこにヒューズボックスがあるか確認した上でハーネスを引くようにしてください。

ハーネス終了ハーネスなど電気系の取り付けに引き続き、燃料系の取り付けです。電気系と同じく、基本的にはもとあった通りに組み付けるだけです。画像は燃焼炉に燃料を送るフューエルパイプとフューエルノズルを取り付けたところです。特にフューエルノズルは組み立てる前に穴が詰まっていないかきちんと確認して、キャブクリーナーなどで改めて清掃した後に組み付けるといいでしょう。フェンダーにあるマグネットバルブからレギュレーターへのパイプ、オーバーフローパイプを元あった通りに取り付けます。
エキパイエキゾーストとインテークパイプを本体に取り付けます。太いほうがエキゾースト、細いほうがインテークです。取り付ける際にはまず、インテークパイプの曲がっている部分を取り付けます。エキゾーストとインテークはボルトを介して隣りあわせでつなげておいてから、上からではなくエンジンルーム下からパイプを通すと取付が楽です。フロアに空いている穴にエキゾーストを固定した後、エキゾーストパイプを止める長いピンを通し、Rピンで留めます。もし余裕があるなら、上からパイプを受け取ってくれる助手がいるとあっと言う間に作業は終ります。これでヒーターの取り付けは完了です。