9.電磁バルブを組み立てる

洗浄後の部品

燃焼式ヒーターのオーバーホールの肝のひとつである電磁バルブの組み立てをします。基本的には分解したときの反対をすればいいのですが、いくつかポイントがあります。

シリンダーのあわせ口 左がフューエルレギュレーター。右がエンジンルーム内のインナーフェンダー上に付くマグネットバルブです。バルブを支持するシリンダーが中央の穴に入るのですが、この下にゴム製のガスケットが入っています。しかしこのガスケット、実はパーツリスト上では存在しないことになっています。当然ですがその役目は重要です。適切な規格品も今のところ見つかっていないので、ガスケットを自作します。なお、液体パッキンなどでとめることを考え付くかもしれませんが、必ずガソリンに侵されます。燃料漏れはもちろんのこと、溶け出したシーラーはバルブの固着やフューエルラインのつまりなどのトラブルの原因となりますのでシーラーの使用は絶対にやめてください。
材料ガスケットの材料は厚さ0.5ミリの耐油性のゴムシート。それとボール紙です。ボール紙は腰があるならできれば薄いものの方がいいです。いずれも東急ハンズで手に入れました。ゴムシートの表面にスプレーのりを吹き付けてボール紙を貼り付けます。これをゴムシートの両面でやります。
ゴムシート ボール紙にサイドウィッチにしたゴムシート。とりあえず机上での作業がしやすいように、10センチ四方くらいの大きさに切り出しました。このシートからガスケットとなるゴムをカッターナイフで切り出します。
ボール紙にゴムをサンドウィッチする理由は、ゴムシートに剛性を与えること。そして表面に必要な図形を書けるようにするためです。これによってより正確に作業をすることができます。
円形に書く 紙の上にコンパスでガスケットの形を書きます。今回の電磁バルブに付くガスケットの大きさは外径が14ミリ、内径10ミリです。年式によってはこの径が違う場合がありますので、制作の際には現物の寸法を測ってから作ってください。ガスケットの形状が書けたら、カッターナイフで丁寧に切り出します。切り出す際には内側の小さい円から切り出すようにしてください。外からですと、うまく切り出せません。
ガスケットできあがり 切り出したゴムシートからボール紙を取り除くとガスケットの出来上がりです。フューエルレギュレーター用のガスケットも含めて最低2つ必要です。慣れないうちは微妙に寸法が合わない場合があるので、余分に作っておくことをお勧めします。
組立て開始 ガスケットが出来たらいよいよ本格的に電磁バルブの組立てです。シリンダーが入る部分に今作ったガスケットを入れて、電磁バルブを支持するシリンダーをこの上に載せます。
カップ取り付け 次にマグネット本体が入るカップでシリンダーを押さえながらカップ底部のねじを締めこみます。
マグネット入れる マグネット本体をカップの中に入れます。この際、画像のようにマグネットの端部とシリンダーの頂部をカップのふたを留める際に共締めにしますので、なるべく両方の穴が合う位置においておきます。
出来上がり カップのふたを閉じた後、中央部のねじを締めて出来上がりです。
フューエルレギュレータとバルブ 同じ要領でフューエルレギュレーターのマグネットバルブも組立てます。
動作チェック 最後に動作確認をします。バルブのどこでもかまいませんので、ボディにマイナス側を噛ませて、プラスは電磁バルブから出ている丸ギポシに噛ませます。この時にバルブの中から「カチッ」という音が聞こえれば動作確認完了です。動かしたついでに何度か動作させて、内部のバルブをなじませます。