3.ブロアモーターを整備する

 ヒーターのケースに入っている部品のもう一つ、ブロアモーターです。左の白いファンで燃焼炉の熱交換部に送風します。右側のタービンブレードのような形をしている部分が燃焼炉とビスを介して接しています。右側に見える円形の入り口から吸気して、ブレードはノズルから滴出したガソリンで出来た炎を燃焼炉内に送ります。
 写真ではあの汚かったブロアモーターをブレーキクリーナーを含ませたウエスで拭きあげています。元々白かったファンは過ぎた歳月によって黄色く変色しています。

外れる まず最初に、ブロアモーターからファンを取り外します。ナットとワッシャをはずすと、ファンがユニオンで留まっているのがわかります。このユニオンの頭をプラハンで叩いてはずします。躊躇せず、しかし軽く叩くのが取り外すときのコツです。手でグラグラゆすりながらでははずれませんし、もし外れたとしたら、ファンのプラスチックが粉砕している時です。モーターが落ちてもいいように、下にはやわらかいものをおきましょう。
外れたユニオンとファン 外したユニオンとファンです。この後の作業をするかしないかは作業する人の趣味ですが、今回は黄色く変色したファンを塗装することにします。
塗装の手順はプラモデルの塗装前と同じです。ハブラシを使用して中性洗剤で洗浄します。汚れがひどい場合は一度他の洗剤(カーシャンプーの類で可)で洗った後、中性洗剤で洗いなおします。最近売られている洗剤は化学的に汚れを取るためか、弱アルカリ性のものが多いので使用する前にはよく選んで使いましょう。今回は結局ボディソープで洗いました。
今回使う塗料は塗る部品の材質と大きさ、そしてコストパフォーマンスとを鑑みてプラモデル用の缶スプレーです。右が「隠ぺい力が強い」の一言で買ったミスターホビーのMr.ベースホワイト。これをサーフェイサーに使用します。本塗りは同じくMr.カラースプレー。半光沢の白、キャラクターホワイトという名前でした。これでたぶんフィギュアのメイドのエプロンや、セーラー服などの白に使うんだろうなぁ、と思いながら買ってきました。筆者が模型をやってきたときには、白、赤、黄色といった隠ぺい力の弱い色を塗るのに苦労をしてきましたが、今はこんなのがあるんですね。いい時代です。
ファン ベースホワイトで塗ったファンです。上の写真と比べるとかなりいい感じで白くなっています。このまま使っていいかもしれませんが、この上に半光沢の白を塗ります。

一方、ブロアモーター本体です。こちらは動作を確認してとりあえずは終わりにします。丸ギボシのついているハーネスに+極を、ビスが通るようになっている金具がついている方が−極。バッテリーにバッテリーコードをつないで動作の確認をします。このブロアモーター、12Vより低い電圧では動作しませんので、これが一番簡単な方法です。回り渋い場合もありますが、続けて回していると調子がよくなりますのでしばらく回したままにしておくといいでしょう。これで回らない場合はオーバーホールしかありませんが、これをオーバーホールしてくれるところを現在は知りません。今回はこれでモーターが回ったのでよしとします。

ブロアモーター完成 塗装が終了したら元通りにくみ上げます。ユニオンをモーターの軸につけたあと、ファンを取り付け、トゥースドワッシャとナットをつけて締めます。