1.モデルの素性を知る

 今回オーバーホールをするヒーターは昭和41年式のトヨタスポーツ800に載っていたヒーターである。回転計が8000回転まで振ってあるタイプの車で、昭和41年式でも前半の生産。以後30年以上の間ヒーターは稼動し続け、現オーナーが手に入れてから10年近くの歳月が経つが、その間一回も整備らしい整備はせずとも動いていたという奇跡のヒーターである。
 1999年11月、流石に寄る年波には勝てずついにボディの修復にかかり、2004年の末漸く戻って来た車である。現在は必要なパーツをコツコツ組んでいる段階で、完成の暁には当然ヒーターも完全動作の状態で再び車に収める予定である。
 
 ヒーターの部品は欠品なし。ボディの修復にかかる前にヒーターは降ろしてあった。その際には、外した部品はビス一本、クリップ一つに至るまで取っておくように丹念に作業をしてある。ヒーターのケースはボディ修復の段階でオリジナルの色に塗装してもらってある状態だ。
 以上が前提の条件として読んでいただきたい。
レストア前 ボディ修復前、昭和41年製スポーツ800に載っていた当時の画像。今回のモデルとなるヒーターが動いていた時の最後の状態である。こんな感じであってもきちんと動作していたというのが凄いと思われるかもしれない。1999年11月に撮影。