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燃焼式ヒーターの取り扱い方については、「燃焼式デンソーカーヒーターのお取り扱いに際して」という、冊子が有名です。その中ではシーズンオフ時はたまに使用するように勧めています。しかし燃焼式ヒーターの火力は強力でその性能の優秀さ故に、夏場のただでさえ暑いときにわざわざ使う人もいないでしょう。使わなくなると、フューエルレギュレータ内部に苔が生えたり、ガソリンが干上がって粉状になってしまったりしてフューエルラインの各部で悪さをします。
一方で「燃焼式ヒーター点検修理書」のシーズンオフ時の処置に従って整備した場合の難点は、フューエルレギュレータ内に燃料が本当になくなったかどうかが目視で確認ができないことです。仮にガソリンが燃料系に残っていたとしたら、残留したガソリンはこれまたフューエルラインで悪さをします。なまじ量を減らしたがために、悪くなるのが早くなるくらいです。
そして、現在の部品の補給状況。「燃焼式ヒーター点検修理書」には使用できなくなった部品は新品に交換するように書いていますが、いまやそれはままならぬ補給状況にあります。即ち、燃焼式ヒーターの部品に関しては一部例外を除いて「現品限り」と思ったほうがいいでしょう。
これらが21世紀を迎えた今日において、燃焼式ヒーターの維持が更に「デリケート」にならざるを得ない要因です。では、部品の補給状況を考慮しつつヒーターを維持できるシーズンオフの処置とはどういうものなのか、電気系と燃料系に分けて見ていきましょう。