「昭和44年式トヨタスポーツ800」を定義する
 「昭和44年式トヨタスポーツ800」は次のように定義します。
昭和44年4月から有効になる車両保安基準改定に適合するように各部の改造を行ったスポーツ800、すなわち外観の特徴で言えば
1.フロントフェンダー左右にサイドマーカーが追加されている
2.シートにヘッドレストが生産時より装備されている
 このようなスポーツ800をこの研究の対象にしています。

 ですので、便宜上以下のスポーツ800は44年式とはしないものとして考えます。しかしそれらのスポーツ800の存在を否定するものではありませんので誤解のないように。
1.昭和44年『登録』だが、それ以前に生産された車。
2.昭和44年に製造されていても上記の要件を満たしていない車。
3.生産後の改造、修理などで44年式の装備が追加された事が明らかな車。
尚、装備が省かれていてもその装備をしていたことが確認されれば44年式としますし、昭和45年登録でも昭和44年に『製造』されていれば44年式とします。
 例えば車体番号でいくつからとはっきりと言いたい所です。しかし、実証的に検証していこうというのが趣旨なのと、今までご協力いただいたオーナーのプライバシーに配慮してそれに類する数字は極力出さないこととします。
また、時々「何月生産」と表現するところがありますが、これは『トヨタの2台のスポーツカー』(ネコ・パブリッシング刊)を参考にしています。

エンジン型式の表記について
 車検証上の型式名で言うと、それが20パブリカ、ミニエースに載っていたものでも30パブリカに載っていたものでも、はたまたスポーツ800に載っていたものでもすべてが2Uとなってしまいます。しかし、スポーツ800用はミニエース、パブリカ用の物とは性格の違うエンジンであることは周知の通りです。
 ここでは以後の混乱を避けるために、「2U」と表記した場合は無条件でスポーツ800用、その他については「ミニエース用の2U」あるいは「UP30用のエンジン」と、いちいち表記していくことにします。
 言うまでもなく、ミニエースは2U−B、UP30は2U−Cが搭載されています。しかし−B、−Cは補機(キャブレター)の違いであり、エンジン本体の違いではありません。そして、仮にスポーツ800にかつて2U−B、2U−Cだったエンジンが乗せられてしまった場合、その違いは一目ではわからなくなります。
 その一方、製造された時期によって微妙に仕様が変更され、その仕様変更はミニエース用とUP30用では時期などが若干ずれる場合があります。それらに正確さを期するために、いちいち表記していくこととします。
部品番号の表記について
トヨタの部品番号は周知の通り、12345−67890といった感じで、上五桁、下五桁の数字で表されます。簡単にいうと上五桁は部品の種類を表し、下五桁はその部品の仕様を表します。このサイトでは上五桁が同じ場合は、下五桁だけを表記します。