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月組バウホール公演
『SLAPSTICK』
                         6/22.11:00.14:30観劇

      待望のきりやん初単独主演&男役復帰第一作公演『SLAPSTICK』観てきました〜(^○^)
       “SLAPSTICK”というのは、無声映画時代、動きのおもしろさを追求した映画の手法で、
      (「そんな事分かってるっちゅーの!」とツッコミを入れられそうですが(笑))きりやん演じるマック・
      セネットはアメリカで最初に“スラップスティック・コメディ”を取り入れた映画監督です。

       いや〜、それにしても主役っちゅうのは、出番が多いもんですねえ(笑)
       幕開きから最後まで、ほとんど出ずっぱり&膨大なセリフ、そして若者からおじいちゃんまで
      演じて、きりやん大奮闘公演でしたね。
       それに加えて、歌が多い多い。たくさんの歌をこれまた朗々と歌って下さって、“きりやんの歌が
      大・大・だ〜い好き〜〜♪”なワタクシにとりましては、これだけでいった甲斐があったかな。

       さて、ここで作品についての感想を少々…。
       この作品がデビュー作になる小柳菜穂子センセイが高校生時代から暖めてきた構想ということで、
      きっとあれもこれも書きたかったんだろうな…という事が第一印象。そのためか、物語が表面的に
      なってしまったような気がしました。(掘り下げ不足といいますか…)
       この話の大筋は、映画創生期における、マック・セネットを中心とした映画人の青春群像劇に
      セネットとメイベルの淡い恋を織り交ぜて…って事なんでしょうが、こと恋愛話においては、これは
      ちょっとねえ…ってカンジですね。
       メイベルに対する、セネットの感情の動きがほとんど書かれていないので(これはメイベルも同様)
      最後にどうしてキスをするのかがわからな〜い!メイベルがキスをしたのはあれは愛情なの?
      それとも友情のキスなのかしらん?あれだけの書きこみでメイベルへの恋心をあらわすというのは
      きりやんにとってちょっと酷だったよね。1、2場面でもメイベルへの思いを語るセリフがあったら
      よかったのに。
       もう一つきりやんにとって気の毒だったのは、主役にもかかわらず受け身のお芝居が
      多かったこと。
      特に二幕目はセネットは何もしてないよ(笑)あえて言うならメイベルとルディの映画を撮ろうとする
      ぐらいで…。ルディのように何か悩んでほしかった(なんじゃそりゃ)
      主役なんだからさー、もうちょっと見せ場を作って欲しかったなー、菜穂子センセ。
       この作品はかなりきりやんの持ち味に頼ってるところがありますね。元気で前向きで…っていう。
      もう少しきりやんの違った一面を引き出すような、そんな演出も観たかったかなあ…。

       と文句ばっかり書いてますが、実は結構好きだったりして、この作品^_^;
       なんと言いますか、見終わった後、すごく暖かい気持ちになったんです。登場人物がみんな
      「頑張って生きてるぞ〜〜!」っていうカンジが良かった。それぞれが色々あったけれども、
      (でも、セネットにはあまりないんだよね(笑))“WILL BE GOOD(きっといいことがある)”
      のナンバーで昇華されたというか、救われたというか…あの曲は力強くていいですね。
      聴いてるとこちらまで元気がもらえるような気持ちになりました。
       出演者の映像を無声映画風に撮って映し出すというのも、目新しくて(さすが若い作者さん)
      インパクトがあってよかったです。3回ある内の最後の映像は、はじめの頃の、登場人物が希望に
      あふれている笑顔が映し出されて、(二幕目が結構重い内容だった事もあって)観ているうちに涙が
      溢れてきてボロボロになってしまった…(笑)
       セットもすごくシンプルで(あれは映画のフィルムをイメージしてるんですね)舞台の空間を上下に
      区切って上手く使っていたんじゃないでしょうか。小柳センセイはなかなかセンスのある方なのかも
      しれませんね。まあ、これはバウのような小劇場だからできる事なんだろうと思いますが。

       それでは、恒例の一言コメント〜〜〜(^○^)
      ★ 霧矢 大夢(マック・セネット)
       スミマセン…きりやんに対しては思い入れが多すぎるので、一言で終わりません(笑)
       ということで、
こちらへ…。

      ★ 紫城 るい(メイベル・ノーマンド)
       るいるい、やっぱり娘役に転向したのねえ(『ゼンダ』&『ジャズマニア』のページ参照〜)
       今回の役は男役から転向した人だからこそのカラッとした役作りだったと思いますが、
      ちょっと気が強すぎるきらいが…。可愛げがないというか(-_-;)セネットはどのあたりを
      好きになったんだろう。(ここらへんも書き込み不足かも)
       でもセリフは結構聞き取りやすかったし、それにやっぱりキレイ。(でもプログラムの顔はイマイチ
      だったかな…)身長がやっぱりちょっと大きめなので、小柄なきりやんと並ぶと多少違和感が
      あったような気もしますが、雰囲気的には悪くなかったですね。
       二幕の最初でどうしてテーラーと一緒になってたんだろう…。あまりの急展開にビックリした(笑)
       メイベルってセネットの事…愛してたんだよね!?う〜ん…。

      ★ 月船さらら(ルドルフ・アーバス)
       さららん、今回頑張りました!!見せ場もあってオイシイ役です。
       さららんって、お芝居が好きみたいですよね。二幕目の酔っ払いの演技もなかなか上手かったし、
      事件に巻き込まれて叫ぶところや、ジェニファーの前で泣き崩れるところとか、本当に迫真の演技
      で、引き込まれてしまいました。フィナーレでも娘役さんを引き連れて踊っていて、カッコよかったー。
       それにしてもルディーって波乱万丈の人生送ったんだなあ…。

      ★ 箙 かおる(ウィリアム・テーラー)
       チャルさーん、もっと出番が欲しかったよ〜。どんな演技をしてくれるかかなり期待していたのに、
      今回はあまり見せ場がなかったですね(T_T)まあ、舞台を引き締めてはくれたのかもしれませんが、
      かなり遅目のご登場&早めのご臨終(笑)それもピストルの音だけなんて…。
       『更狂』の義円さまや、『フィガロ』の男爵(だっけ?)がインパクトが強かったので、
      ちょっと淋しかったです〜。
       これは余談ですが私、チャルさんの真似、結構得意かも(なんてどうでもいい話でした(^^ゞ)

      ★ 光樹すばる(デイヴィット)・美々 杏里(マリア)・嘉月 絵里(ヘンリー)・
       瀧川 末子(ジェニファー)

       上級生の皆さん、下級生の多いお芝居を支えてくれていましたね。
       光樹さんはちょっと気の弱そうな(笑)映画監督でした。ソロのお歌を初めて聴いたような…。
       ちずさんは、お芝居も歌もやっぱり上手ですねえ。ハリウッドへ行く場面のマリアさん、
      カッコよかったですわ〜、姉御肌で…。
       エリさんは、ちょっと役不足だったかな?エリさんに関しては、『LUNA』の科学者の印象が強くて
      何か一発(?)やって欲しいんですよねえ…。もちょっといい役をやらせてあげたい!
      でも、心に染み入るようないいお歌を歌って下さって、それは満足です。
       末子ちゃんもお上手〜〜(^○^)メガネもよくお似合いでした。泣き崩れたルディを支える場面は
      優しさ&強さに満ち溢れていて、良い場面でした。

      ★ 大樹 槙(デミル)・楠 恵華(ゴールドウィン)・宝生 ルミ(フランセス)
       かおるさんもねえ、私結構好きなので、もう少しいい役をやらせて欲しかったよー。イマイチ印象が
      薄かったわ…(T_T)革命家で「〜するのだぁぁぁぁ!!」と演説ぶってるのは笑えた。
       のぞみちゃん、流し目ステキね。スーツもよくお似合いでした。二幕のしょっぱな、結婚式をあげて
      ますが、ゴールドウィンって再婚だよね。お金持ちになって再婚しちゃって、前の奥さんはちょっと
      かわいそうじゃん…って、私余計な事を考えてしまいました(笑)
       宝生ルミちゃん、綺麗な娘役さんなのに、今回体当たり演技で…、まさかいずみちゃんがパイ投げ
      の犠牲者になるとは予想外でありました。でもそのつぐないか、二幕目ではウエディングドレスが
      着られてよかったねっ!

      ★ 一色 瑠加(ケッセル)・夏芽 凛(ボーマン)
       今回はこの二人がお笑い担当?ってカンジでしょうか…。いいコンビネーションで、二人が出てくる
      となんかホッとしましたね。
       一色さんはシブイわ〜〜。オールバック似合ってました。わたしが観た時、ちょっとしたハプニング
      (胸ポケットから出そうとしていたメガネが出なくて、おまけに壊れてしまった…)があって、ちょっと
      “素”に戻ってしまったのが可愛かったです。
       凛ちゃんは、今回かなりいい役をもらいましたね。ソロの歌もちょこっとあったし(結構上手)
      お芝居もまずまずだったんじゃないかなあ…。
      凛ちゃんはこの他に“映画の呼びこみのおじさん”も演ってましたが、
      これもかなり印象に残ってますね。これから応援してあげようー。

      ★ 瀬央みつき(フレッド)・龍 真咲(ルー・コディ)
       撮影所の仲間の役は、今回はかなり出番も多くてオイシイ役だったんではないでしょうかねえ。
       私事なんですが、実は瀬央みつきチャンの東京の代表さんとお話する機会がありまして、
      その方の話によると、りょうこちゃんは今回初の通し役だったそうで、おまけにセリフも多くて
      「疲れる〜〜」って言ってたそうな(可愛いねえ)ホントにセリフ多かったよね。
      お芝居なかなかよかったので、これから頑張っておくれー、りょうこちゃん。
      代表さんとお話したのも何かの縁、応援するぞー。
       龍 真咲くんは、まだ研二ですが、大抜擢でしたねえ。短髪でちょっと“モンチッチ”の様でしたが、
      (あれはきりやんの“マウロ”に影響されたというのは本当かな?)舞台度胸もあるみたいで、堂々と
      してましたね。フィナーレで4人口に入ってたし、これから月組は彼女をイチオシなのか??

       とまあ、こんなところでしょうか…。
       その他に印象に残ったのは、「知ってるつもり、かしら?」の司会の真野すがたくん、背が高くて
      スタイルが良い!!月組85期の男役トリオ、頑張ってくだされ〜〜!
       それと忘れてました、城咲あいちゃん。『ガイズ』の新公からかなりプッシュされてますね。
      今回さららんの相手役でフィナーレで一緒に踊ってるわ、最後の挨拶もさららんと一緒で、二番手
      娘役の扱いでした。彼女もスタイル良いですねえ、それに顔が小っちゃいのなんの…。
       二幕のパーティで記者の役をやってた紫水梗華ちゃん、遠目で観ると松坂慶子に似ていると
      思ったのは私だけでしょうか??

       若い演出家さん、若い出演者で、若さ溢れる舞台だった『SLAPSTICK』、まあ、詰めの甘い所も
      多々あったような気もしますがー、最後は「観てよかったなあ…」という気持ちになって、きりやんの
      初主演としては、まあまあ…成功なのかなあ…。どうなんでしょうか…?
       でも一回観ただけでは、ちょっと分かりづらい部分もあるし、(何回も観る人ばかりじゃないですし)
      まだまだ小柳先生には頑張って勉強して下さいねってカンジですかね。
       フレー、フレー、こ・や・な・ぎっ!と菜穂子センセイにエールを送って…

オシマイ♪         
   

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