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5日目 2009/5/3

モニュメントバレーの朝焼け

朝4時頃起床。 泊まっているGouldings Lodge は窓からモニュメントバレーが一望出来る立地。おまけに東の方角を向いている。 起きたときはまだ真っ暗だが、朝焼けの撮影の準備のためベランダにカメラと三脚をセットして夜明けを待った。
今回の旅行でモニュメントバレーに泊まることを選んだのは、朝焼けを撮るのが目的なのだ。 さあ、ちゃんと撮れるか

隣のベランダでもゴソゴソと音がする。やはりおなじように朝焼けを見ようと早起きしているのだろう。
準備をしてから15分ほど。ほのかに地平線があると思われるあたりに薄明かりが見えてきた。肉眼ではほとんど真っ暗だが、試しにシャッター速度30秒ほどで撮影。驚いたことにちゃんと岩山の稜線が映っている。今のデジタルカメラの性能は驚異的だ。
モニュメントバレー アメリカ旅行記
撮影をしている10分ぐらいの間にも徐々に東の空が赤みを増してくる。 先ほどまでは肉眼では確認がしづらい岩山の稜線もはっきりと見えてくる。
上空は雲が多く日の出が拝めないかと不安にはなったが、幸い、地平線付近は晴れ渡っている。
そうするうちに、東の空全面がオレンジ、上空は濃い青色に染まってくる。
ここぞと、何十枚もシャッターを切っていく。 カメラの液晶に映る撮影結果は自分で撮ったものとは思えないような美しい写真が表示されているが、ちゃんと拡大しても大丈夫だろうか。。
30分ほどで100枚近く撮影したころには、太陽が昇り、朝焼けは消え、普段の朝の風景になっていた。
モニュメントバレー アメリカ旅行記 モニュメントバレー アメリカ旅行記

モニュメントバレー アメリカ旅行記 モニュメントバレー アメリカ旅行記
太古の昔からこの付近で「ホーガン」という簡易的な住居を造り住んでいたインディアンたちはこの風景を見てきたのだろう。朝焼け、夕焼けに輝く岩山を 見て神秘的な感情を持つのは納得できるわ。
朝食は、昨晩と同じくロッジ併設のレストランでのモーニングセット。 トーストとオムレツ。まあ普通のトーストだが10ドル近くもする。
準備を整えて、8時前にロッジを出発。

ペイジの街へ

モニュメントバレーを出発。US163、US160を経由して150kmほど西のペイジの街へ向かう。 朝はまだ晴れていたのに、今はすぐにも雨が降りそうな天候だ。
モニュメントバレーからケイエンタの間もビュート、メサが林立する地帯。特にケイエンタ手前にある二つの岩山の間をUS163が抜けていくのだけれど、まるで異界への門であるかのよう。
途中にあるケイエンタ(Keyenta)の町。 ここはモニュメントバレーに一番近い街。それでも20kmほどは離れているかな。 ここも昨日通ったチンリーと同じくインディアンの町。荒野の中で砂っぽい大地の中にぽつっと立っている町です。およそ農業には不適な土地で、好んで住むようなところではなさそう。
ここはインディアンの部族の一つのナバホ族の居留地になっています。ナバホ族は部族独自の言葉を持っていて、今はあまりしゃべる人も少ないようですが、50年ぐらい前はその言葉で部族同士会話をしていたそうです。 対外的には辞書も無く部族外には暗号としか聞こえないという特性を活かして、太平洋戦争中には文字通り暗号通信部隊として対日戦線で活躍していたそうだ。この功績を称える記念館が、ケイエンタのUS160とUS163の交差点脇にあるバーガーキングの店内にあるそうだ。 先を急ぐので通過したが、朝飯をここで食べればよかったかもしれない

ケイエンタからは、川沿いの道を走り、所々で出てくる小さな集落を越え、30kmほど走ったところでアリゾナ98号線(AZ98) に入る。この道は、2002年にも走っているのだな。 もう7年も前のことになるのだが景色を覚えていることに驚き。

ドライブ中は一人で退屈なのでラジオを付けていました。 今回もiPod +FMチューナー(アメリカ仕様) を持ってきているのだが、iPod に大部分の音楽をコピーし忘れたというとんでもないミスなので、ラジオを聞いていた。30分に一度ぐらいニュースになるのだけど、いつの時間もトップは Swine Flu ブタインフルエンザの話題。この日はWHOがパンデミックのアラートを最高レベル6に上げた直後だった。 この日は香港のホテルでアメリカ人観光客を含む何人もが隔離されているなどの話題。今回の旅行はちょうどブタインフルエンザが流行始めた時期に出発して、アメリカについてから状況がどんどんと悪化していったので、心の中でかなり心配になっていた。AZ98を走りながら何度もこのニュースを聞いた記憶があり、旅行から帰ってきた今でもペイジ手前のだだっぴろい風景とともに、日本に入国できるだろうかと不安になっていた思いが一緒に思い出されます
AZ98を走ること1時間。なだらかな下り坂の向こうに3本煙突が見えてきた。ナバホ発電所の煙突。ペイジの町のランドマークだな。
ペイジ アメリカ旅行記
3本の煙突が目印。ナバホ発電所
この発電所の脇に今日のペイジでのアクティビティの一つである「アンテロープキャニオン」があるのだけど、ここは太陽が南中する時間がベストタイム。まだ早いので、もう一つの場所、「ホースシューベンド」に向かう。

ホースシューベンド

ホースシューベンドは、コロラド川がヘアピンカーブのように湾曲しているところで、崖の上から見ると、まるでウマの蹄鉄(Ω字型)のように見えることからその名がついているところ。 5年ぐらい前までは観光地でもなんでもなく、道路からしばらく荒れ地を歩くようなところだったらしいのだけど、「地球の歩き方」やブログなどで紹介されるようになってから急に人気になったスポット。

ペイジの町を過ぎて、US89にぶつかり左に1kmほど入ったところが入り口。ちょっとした駐車場が整備されています。 結構車が停まってます。そんな人気なのか。
駐車場からちょっとした坂を登ると、目の前がアリゾナの大地。ここからはコロラド川はおろか、ホースシューベンドの場所もよくわかりません。ちょっと前には日本人カップル。
モニュメントバレー アメリカ旅行記 モニュメントバレー アメリカ旅行記
駐車場から坂を登っていくと、ホースシューベンド。この二人にはペイジの中で何度も偶然出会った 坂の上から見たホースシューベンド。
岩地を歩くこと10分ほど。荒野の中に突如鋭くえぐられた崖が見えます。
柵は無く、落ちたら確実に命はありません。 アメリカの公園は整備していないところが多いのですね。
崖の下およそ200mぐらいにコロラド川が流れています。アメリカの公園ではいろいろ足がすくむところがありますが、ここは群を抜いて怖い。こわごわと片手でカメラを崖下に差し出して何枚か写真をとって崖際からは退却。

モニュメントバレー アメリカ旅行記
さて、このホースシューベンド。人は多いのだけど実は驚いたことにほとんどが日本人。 ゴールデンウイークだということを考えても多い。 逆に日本人以外を見かけなかった気もする。
地球の歩き方の効果なのか。

さて、ここの岩地だけど、実は結構毛虫が大量発生している。いろいろな人のブログを読むと、これまでは発生していなかったみたいだから、大量発生の周期があるのかもしれない。

アンテロープキャニオン

アンテロープキャニオンは、来るときに通った発電所の脇にある、岩のミゾのこと。 このミゾの中で撮った写真が神秘的でいろいろな本などで紹介されるようになって、世界中の写真好きが撮影に訪れる場所なのですな。 Lower Anterope と Upper Anterope の二つがあり Lower の方が幅が狭いのですがゆったりと写真が撮れるので人気のよう。 私もそちらにしました。
ここは、以前鉄砲水で何人もの死者が出ていることもあり、ガイドが必須。入り口でガイド料と入場料を払ってツアーに参加します。クレジットカードは使えないので、ちゃんと現金を用意する必要があります。 30分に一度、現地のガイドに引率されてツアーが始まります。
15名ぐらいの集団で移動。あ、先ほどのホースシューベンドにいた日本人のカップルも同じグループに来た。偶然ですな。やはり考えることは同じか。。 Lower の方の入り口。ガイドブックなどで予習していたとはいえ、本当に狭い。ここに入れない小錦体型のアメリカ人いるだろう。
意外とミゾは深く、地表から10mぐらい降りる。昼間なので十分内部は明るい。写真だから神秘的な光景が見えるのかな。
アンテロープキャニオン アメリカ旅行記
狭い狭い溝のような所からローアーアンテロープキャニオンに降りていく
きれいに撮ろうとカメラの感度を下げると、シャッター速度は0.5秒などと遅くなるので三脚は必須なのだが、内部は狭くて人がすれ違える所は少なく写真を撮るのには気を遣う。「三脚があった方がいい」といろいろなブログではアドバイスがあったけれど、実際に使っているのは私ぐらいだった。 その分、ぶれない写真が撮れたのはよかった。 写真集で見るような、天井から光が差し込む写真は撮れなかったけど、でもたくさんの写真を撮れて満足。
モニュメントバレー アメリカ旅行記 モニュメントバレー アメリカ旅行記
モニュメントバレー アメリカ旅行記 モニュメントバレー アメリカ旅行記
ただ、アンテロープキャニオンは、粒子の非常に細かい砂埃が舞っているというカメラにはダメージの大きな環境なので、対策が必要です。
アンテロープキャニオンを出て、1時過ぎ。 ペイジの街で食事と食料の調達。 街の出口にあるバーガーキングで大きめのハンバーガーをパクつき、一休み。 もっと食べたかったがあまり食べ過ぎると運転中に体調を壊すので小食にしている。(というかトイレに行きたくなるが、荒野の中はトイレがないので仕方なくあまり食べないようにしている)

ペイジを離れ、カナブへ

グレンキャニオンの展望台

ペイジを離れ、今日の宿である ブライスキャニオンへ向かいます。 ブライスキャニオンまで一気に行こうかと思ったのですが、あまりに空がきれいで写真を少し撮りたくなりました。
コロラド川にかかるグレンキャニオンダムを越え1kmほど西に行ったところに展望台への入り口がたしかあったはず。。 と7年前の遠い記憶で走ると、記憶通りの場所に入り口が。 よく覚えていたなあ。 ダートの坂道で丘の上にでると、360度、一面遮るもののない空があります。 やっぱり美しい。 思い残すことなく写真を撮りまくります。 気持ちいい雲がプカプカと浮かんでいるのね。
だれもいない展望台で写真を撮っていると、一台の車が。 あれれまさかと思ったら先ほどのカムリが。なんか本当に偶然って続きますな。
モニュメントバレー アメリカ旅行記 モニュメントバレー アメリカ旅行記

US89 をひたすら西へ

展望台で満足行くだけ空の写真を撮り、一路西へ。この道は、7年前に夜明け前の真っ暗な中を走っていたので、景色を見るのは初めてです。 バックミラーをみると、あのカムリが。 ここから西の観光地はブライスキャニオンかザイオンしかないから、およそ半分の確率で最後まで一緒か。なんという偶然。 しばらく後ろを走っていましたが、途中何台か車が合流していくうちに見失ってしまいました。 同じカムリとはいえ、向こうは幸せそうだ。私の旅行はいつも助手席は荷物置き場だ(苦笑)
このあたりはエスカランテ国定公園(The Grand Staircase-Escalante National Monument)という公園エリア。荒野とちがって、木々も生えてすがすがしい風景が広がります。北側にはブライスキャニオンへと続く山がそびえ立っています。 2時間ほど走ってカナブの街へ到着。 ここでこの旅3回目のガソリン給油。 カムリはとにかく燃費がいいのに驚き。山道も多いし、特にエコな運転は心がけてもいませんでしたが、燃費は33マイル/ガロン(≒17km/l)。大きな車体のことを考えると、非常に燃費がよい。ガソリン高の中、日本車がもてはやされるわけだ。

モニュメントバレー アメリカ旅行記
ここから、89号線は一路北に進路を変えさらに続きます。どんどんと標高が上がっていき、山岳道路になっていきます。
昨日と同じでかなり眠気が出てきているけど、気持ちいい。
ペイジでかったヨーグルトをがぶ飲みしながら眠気を抑え、一路ブライスキャニオンへ。

UT12号へ入り、途中の岩山を入り抜いたレッドロックキャニオンを経て、ブライスキャニオンへ到着。 今日は公園内のロッジに宿泊だ。
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岩をくりぬいたレッドロックキャニオン。今ならこんな破壊はしないだろう。 ビジターセンター

部屋にチェックインして、さっそく公園内を散策。 雨がぱらついて夕陽が拝めなかったのは残念だが、トレイルを一周してみた。
ブライスキャニオンは、米国の他の国立公園のようにだっだっぴろいスケール感はなく、逆に箱庭庭園の趣があるところ。日本人の感性にはあっているかもしれない。 フードゥーという石の柱が林立しています。 数百の石柱が密集しているエリアはまるで兵馬俑のようです。
モニュメントバレー アメリカ旅行記
ブライスキャニオンのフードゥー
夜はビジターセンターで、写真のスライドショーが開かれ、ブライスキャニオンの動物たち、四季の風景を楽しみました。
ブライスキャニオンはこの旅で初めてブロードバンド環境が無い宿。
まあ国立公園だし仕方ないところもあるけど。 旅行中も回線が用意できればネットに繋いでしまうような中毒気味なので、電話回線で接続。 同一市内にはアクセスポイントが無いので隣町のアクセスポイントに接続。 対して電話台はかからないかと思っていたのだが、翌日30ドルも請求されてしまった。。 高すぎる。 ということで、撮影旅行としてはもっとも充実した一日が過ぎていきました。
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