セドナ出発
セドナを6時にチェックアウト。フロント横のジャムパンをパクついて出発。ガソリン残量が心許なかったので、セドナでガソリンを入れていこうと思い出す。
ホテルの目の前がガソリンスタンド。目をこらすと24時間営業と看板が出ている。これはラッキー。 早速乗り入れると、店員はこの時間はいなくて、完全なセルフ。 ちょっといやな感じがするなあ。
クレジットカードを通しても、認証は通らない。 そりゃそうだ。5年前ならいざ知らずこの時代にアメリカのガソリンスタンドのポンプで日本発行のクレジットカードは使えない (アメリカのガソリンスタンドは基本は会計含めてセルフですが、アメリカ国外で発行されたカードの場合、店内にいる店員に申し出て処理してもらう必要があります)
仕方ないので、セドナの50kmほど北にあるフラッグスタッフで入れることにしました。
セドナからフラッグスタッフ。 来るときにも通ったけれど木々に覆われて、オーククリークのせせらぎも見え、それはそれは癒される景色が広がります。途中からつづら折りの坂を200mぐらい上がって、峡谷の上にでます。ここから先はずっと高地。
フラッグスタッフ
フラッグスタッフには朝7時頃到着。早速ガソリンを入れて出発。まだ朝早いこともあって涼しい。ちょっと汚れていたフロントガラスをセルフサービスのモップで掃除して視界クリア
2005年にもフラッグスタッフは一度通過していますが、今回もこの街は通過のみ。。 一度はちゃんと見てみたいなあ。
ここからはI-40 をひたすら東へ走っていきます。 フラッグスタッフを出てすぐに、何もない大平原が両側に広がり、それがしばらく続きます。 広大なアメリカそのものの風景が広がります。 日本に帰ってもこの風景がことある事に思い出されます。
この辺りの大平原は[コロラド高地」といわれます。 この高地は柔らかい赤茶けた土でできていて、川が流れると、容易に削られていきます。グランドキャニオンもモニュメントバレーもそうやってできていったのですね。
I-40が走るあたりは元々はルート66が通っていて、アメリカの東西を横断する人たちの休憩所として栄えていましたが、 ルート66がI-40 の開通で廃道となってしまい、今では所々に残るドライブインの遺跡が当時の盛り上がりを思い出させます。
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Twin Arrows。朽ちているが、当時の賑やかさを思い出させる
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荒れ地となっている Two Guns。 ここも栄えていたのだろう
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中でもこの辺りで有名なのが、 Twin Arrows とTwo guns というドライブインの廃墟。 どちらもI-40のインターがあるのですが、I-40を降りても一般道には繋がっていません。 行き止まりでなんのためにあるのか分からないインターです (実際には、トラックの休憩所とUターンのためにあるようです)
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Two Guns のインターチェンジより。 平原の先まで道路が続いている
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Two Guns 付近の遺跡。Route66がここを通っていたのだろう
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Holbrook
交通量も少なく、クルーズコントロールをセットしたら、あとはひたすら前方の車と車線を見続けるのが2時間ほど続きます。。 流石に目も疲れてしまうのでところどころで休憩。
Holbrook という町で降りてマクドナルドで間食。I-40 を降りて町と逆の方向に行ったところにある何も無いエリアに、マクドナルドとケンタッキーが仲良く並んで立っています。
長距離をドライブして、簡単に安い食事にありつき、ふたたびまた長距離のドライブ。マクドナルドの原点はこういうドライブインだったと聞きますが、確かに長距離ドライブにはマクドナルドのようなファストフードが便利。モータリゼーション時代のアメリカで発展してきたことが分かるわー。
軽くエッグマフィンをパクつき、ストレッチをして再度I-40へ。
Holbrook という町は、2005年の旅行の時も一度降りてホームセンターで捜し物をしたんだっけかな。アメリカインディアンのナバホ族の人が多い町で、ホームセンターにもナバホ族向けの新聞が置いていた記憶があります。
Jack Rabbit
ルート66時代の有名なランドマークに 「HERE IT IS」といううさぎの看板があります。
うさぎがシンボルマークのドライブインなのです。
ここも「Jack Rabbit」という名前のインターチェンジがあります。 この店は今でも商売をしているようです。私が通った時間はまだ朝早く開いてはいませんでしたが。
ちなみに、この周囲もこの店以外目立った町はありません。 I-40を走るトラックドライバーの休憩所として使われているのでしょう。
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I-40からもはっきりと見える Jack Rabbit のHERE IT IS の看板
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一路北へ
I-40 は Chambers というインターで降り、 一路 US129 を北上。
途中、何十キロも直線の道あり、うねった道ありというアメリカの田舎らしい道を走り抜けていきます。 途中には町らしい町もなく、 ようやく1時間以上走り続けてGanado という小さな村に到着。ふと気がつくと、知らぬ間にこの村のパトカーに追尾されていた。 まあ標識は律儀に守って走行しているので安心ですが驚いちゃいますね。
US129に入ってすぐは、周囲に木々があり緑豊かな風景ですが、Ganadoを超えたあたりから、周囲は砂埃が舞う土漠です。 人が住むのには適さないような荒涼とした環境です。風が強く道路の視界も100mとかなり悪いところもあります。
キャニオンデシェイ国立公園
今日の最初の目的地であるキャニオンデシェイ国立公園は、このような砂埃舞う土漠の中にあります。
US129から脇道にそれて、5kmほど行くと公園入り口があり、更に進むと峡谷になります。
峡谷の深さは200mほど。グランドキャニオンほど深くはないですが、幅も狭いので、
まさに「峡谷」。
下は小川程度のせせらぎが流れています。 アメリカの他の峡谷と違って、下の部分は牧草地になっていて、原住民が牧畜を営んでいます。 国立公園ながら生活が認められている珍しいところです。写真だと分かりづらいのですが、緑豊かで箱庭のような美しさです。
峡谷の一番奥には「スパイダーロック」という、高さ200m近くの岩の塔が立っています。よく崩れずに残っているものです。
この公園は、地形のユニークさだけでなく、アメリカの先住民族の遺跡が残っているところとしても有名。 峡谷の崖に沿うように、石造りの集落があったそうで今でもその遺構を見ることができます。
ビジターセンターでツアーに申し込めば下まで降りて目の前で見ることもできるようですが、そこまでの時間と体力もないのでパス。
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Chinli の町外れにあるキャニオンデシェイ国立公園のビジターセンター
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アメリカ先住民族の遺跡
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スパイダーロック
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チンリー という町
キャニオンデシェイ国立公園のゲートウエイシティは、チンリー(Chinle) という町。
ちっちゃな町で、ほとんどがインディアンの町です。
ほかにもアリゾナにはインディアン居留地で人口の大半がインディアンという町もあるのですが、チンリーは他の町に比べても貧しそう。 何しろ、砂埃が舞う土地柄なので、農業もできないし、大きな町からは離れていて工場を造るのも困難。
車を持っていない人も多く、路上でのヒッチハイクをする人が多い。
豊かな土地は後からきたアングロサクソンに奪われてしまったのだよなあ。 アメリカ、特にアリゾナ付近を旅行していると「自由の国アメリカ」のなんともやりきれない先住民の悲惨さを目にしてしまいます。
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砂埃で先が見えづらいUS129
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さらに北上。
さらにUS129を北上続けます。 このあたりからはだんだんと西部劇の世界のようなメサ、ビュートが増えてきます。
モニュメントバレーはまだまだ先ですが、同じような岩山が各地に転々としています。 そんな景色の中を通り過ぎていきます。 もう今日は出発から6時間以上車を走らせていてだんだんと眠気が耐えられなくなってきて、路肩に寄せて一休み。
メキシカンハット
US129 をずっと北上。途中で少しUS160を走って更にUS129 で北上。
見渡す限り赤茶けた台地の世界。2002年に来たときも思ったが、ここは同じ地球とは思えない。少なくとも日本では見かけない風景だ。 人が住んだり、農業をするには全く向かない地帯。そのため今でも未開拓のまま残されているのだろう。
US129がUS163号とぶつかり、今度はUS163にのって西へ。
30kmほど走ると、メキシカンハットという珍しい岩がある地点に到着。
この岩は道沿いからはみられない。側道にのって500mほど行くと、なんともあやういバランスの岩が見えてくる。
頭の上にお皿が載っかっているような岩。「なんたらムーチョー」と叫びながらマラカスを振っているようなメキシコ人(偏見) が頭にかぶっているようなあの帽子ですな。
確かに似てるといえば似てる。この岩の前で家族連れが写真を撮っているのでちょっと待つ。
日本語のように聞こえるな。。 と思ったらやっぱり日本人だった。 辺境ではあるけれど、モニュメントバレーのすぐそばなので、日本人もくるのだよな。
この先が、この岩から名前をとった、メキシカンハットの町。 ガソリンスタンドとホテルが1軒ほどの小さな町。 ここで今日2回目のガソリン補給。
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メキシカンハット
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メキシカンハットの街
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モニュメントバレーに続く道
メキシカンハットからさらに西に行くといよいよモニュメントバレーです。
その途中に、アメリカの道の中でも特に有名な風景があります
一直線の道の先にモニュメントバレーのビュートが見える風景。
アメリカドライブのガイドなどには必ず出てくるところ。
ちょっとガスっていたけど、無事眺めることができました。
広大なアメリカらしい風景ですなあ。
なお、この辺りは速度を出す人が多いのか、ねずみ取りのパトカーがたくさんいますので注意を。
モニュメントバレー到着
この道を越えた先がモニュメントバレー。 といっても、有名なモニュメントバレーの3つのビュートが道路沿いから見えるわけではないです。 US163から5kmほど入ったところにあります。今日は近くのGooldings Lodge に宿を取っているのでまずはチェックイン。
伝統のあるロッジで、もう100年近くの歴史があるようです。隣にはモニュメントバレーの歴史館が併設されています。ここでかつて撮影された映画などが上映されています。
Gooldings Lodge 、有名なだけあって人気。 ゴールデンウイーク期間なので、日本人のツアー客が多いこと。 半分ぐらいは日本人でした(驚)。
ホテルの窓からはビュートが一望できます。有名な3つのビュートではないですが、それでも目の前がモニュメントバレーの岩山というのはリッチな気分。
さて、ホテルで時間をつぶすのもったいない。 もう日が傾いてくる時間だけど、モニュメントバレーへ急ごう。 モニュメントバレーのビュートは US163を挟んでGooldings Lodgeと逆側。 一直線の道を走ること5分。 駐車場に到着。2002年にきた時には目の前に見えていたけれど、今はここにホテルが立っていてすぐには見えない。 ホテルの中を抜けて展望台にでると、見えました。 3つのビュート。 夕陽に照らされて雄大です。
展望台からはダートの道になっていますが、車で下まで降りることができます。
ダートを走るのは推奨されていない(保険の対象外)ので、慎重にゆっくりと下っていきます。 近くまで来ると、ビュートの大きさに圧倒されます。大きな岩山ですからねえ。
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3つのビュートの目に前にそびえるホテル。
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ここまで降りてみた
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ホテルから
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ゆっくり食事
今日の食事はホテル併設のレストラン。 アルコール禁止のナバホ居留地内にあるため、レストランでもビールなどアルコール類はでません。
メニューもそれほどバリエーションはないのですが、せっかくアメリカに来ているのでステーキを頼んでみました。 うーん。ちょっと固い。 ミディアムレアで注文したのに。。
まあ日本のステーキとは違うのだよなあ。 とにかく腹は満腹になります。
部屋に戻ると、外は真っ暗闇。もうどこにモニュメントバレーがあるかはわかりません。
明日は朝焼けのモニュメントバレーを撮影するために早起きをします。
WEBのサイズの都合で写真は縮小しています。
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