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2日目 2009/4/30 ルート66、セリグマン、セドナ

旅行本格稼働 セドナへ

昨日は、午後ラスベガス着で、眠い目と戦いながらキングマンに到着して、そのままバタンキュー。
今日からが旅行本番です。朝は5時過ぎに起床。 やっぱり、日本における豚インフルエンザの状況が気になってしまい、ネットで日本のニュースをチェックしてしまいます。うーん。かなりの騒ぎになっているなあ。当のアメリカは定時のラジオニュースでちょっと Swine Flu がどうたらとちょっと触れるだけなのに

さて、このモーテルの食事は朝6時から始まります。 6時に食堂に行くと、すでに何人もの宿泊客が席についています。 アメリカのモーテルといえば、 コーヒーにトーストといった軽食ですが、このモーテルはちょっと高級なだけあって、 スクランブルエッグ、ベーコン、ウインナー、ワッフル、 その他シリアル類、ミルク、ヨーグルト、生ジュースなどアメリカの朝食としてはフルコースが揃っています。

長距離運転は食べ過ぎは禁物。トイレ行きたくなるしね。なので適度に節制しよう。 でもやっぱり好きなものを選んでしまうよね。結局、普段通りの食事。
でもアメリカの田舎で朝から満足に食事ができること自体幸せなことです。

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モーテルの朝飯。 一般的なモーテルに比べると品揃え充実 モーテルの前の道路には Route66 のペイントが。

ルート66!!!

モーテルの目の前の道はルート66。 目の前の路面にはルート66のマークがペイントされている。 50年ほど前は、この道がアメリカの「メインストリート」だったのだなあ。 「怒りの葡萄」の家族や「ドラマルート66」の主人公たちもこの道を通ったのか。

インターステートにも乗れるけれど、今回の旅行の目的の一つは 「ふたたびルート66を走る」なので、もちろんI-40じゃなくって、走るのは旧道のルート66です。

午前7時。キングマンを出発。宿をでてすぐにI-40の交差点を越えると周りは安いモーテル街。今日泊まったところは95ドルだけど、このあたりは50ドルほど。 建物もそれほど汚れてはいない。もうちょっと調査すれば良かったかな。

キングマンのCity Limit を抜けるとすぐに周りはなにもない寂しい平野。ところどころ、まるでゴーストタウンのように民家が点在しています。いつも思うけれど、どうやって生計をたてているのだろう。
全米を通してみるとルート66はすでに消えているところが多いのだけど、アリゾナ州はまだまだ残っていて、特にキングマンからセリグマンの間はしっかりと残っています。山、谷をさけて道を引いたためか、この間はジグザグ状の道になっています。ジグザグの最初の曲がり角にあるのが、ハックベリー(HackBerry)。古くは炭坑か鉱山があったのかと思いますが、今や半ゴーストタウン状態。 やっぱりルート66といえば、こういう「現代の遺跡」だよなあ。 ちょっと寄り道。 この小さな集落を見てみようと思ったのだけど、いきなりがたがた道。ダートよりもひどい。 この集落の入り口には、小さなグロッサリーストアがあり、昔の車が展示されていました。映画カーズでいえば、おばあさん車でしょうか

さて、急ぐ旅でもないのですが先に進みます。
このあたりは、BNSF鉄道と平行して進んでいきます。アメリカの100両近くは有るんじゃないかという長編成の貨物鉄道ですね。アメリカの荒野らしい風景です。アメリカの鉄道は結構のんびり走っているイメージがありますが車とほぼ併走しているので時速80キロ以上はでてますね。トレーラーの後ろ部分をそのまま乗せています(コンテナじゃなくて、台車そのもの)。

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HackBerry のドライブイン。歴史を感じさせます セリグマン手前のちっちゃな街のモーテル。 営業しているのだろうか? そのモーテル前で逆方向を振り向く。一直線の道
途中、ハバスパイインディアン居留地へのゲートウエイ、ピーチスプリングスで休憩。 ちょっと北に行くとグランドキャニオンの西側に位置するところ。2005年の旅行の時は、眠気のあまりこの街に車を止めて1時間ほど寝たんだったなあ。 今日は目もぱっちり。車で通ったら1分もかからない街。記憶ではもうちょっと大きかった気がしたが。

緑豊かな平原

ピーチスプリングスを超えたあたりから植生が土漠から草原に変わってきます。見渡す限りの平原。一気にセリグマンまで突っ走ってもいいのですが、もったいなくって途中途中で車を止めて路面に立って写真を撮っていました。

セリグマン

今日の目的地の一つ、セリグマン。アリゾナの平原の中にまさにぽつんと立っているこの町。人口は1000人もいない、田舎町ですが、ルート66のブームと共に注目されています。

「カーズ」というルート66をモデルにしたピクサーの映画がありましたが、この町がモデルと言われています。昔懐かしい土産物屋さんが数件あるだけの寂れたところなのですが、大型観光バスが何台も何台も停まってたくさんの観光客が所狭しと歩いています。ラスベガスとグランドキャニオンの中間点にあるため、アメリカ人だけでなく日本人のツアー客も多く見かけました。

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セリグマン手前の一直線の道 セリグマンの中心地。いくつかのモーテルが立ち並びます 有名な土産物屋さん。プレスリー、モンローの人形と一緒に写真がとれるので大人気
セリグマン、訪れるのは3回目なのですが、前回と比べて明らかに観光客の数が増えています。これは、いいこと。
観光地化したのは残念なところはあるけれど、映画カーズの中と同じように、この町やルート66にふたたび人を集めたいと願ったセリグマンの人たちにとっては今は夢が現実化した状況なんだろう。

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土産物屋さん 土産物屋さんにて。 ギリギリのセンスですな。 セリグマンだからこそ許されるというか。 観光客で一杯
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最近は、カーズをつかった宣伝もふえてました これなど、まさにカーズの世界。目をいれなくてもいいのに。。 と思ってしまいますが、そんなセンスを含めてルート66ですな。
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たくさんのステッカーや訪れた人の名刺が貼られています。 日本人の名刺が多かったなあ 道は片側2車線なので十分広いです。なんといっても、昔のアメリカのメインストリートですから。
この街でお土産をたくさん買い込んで、さあセドナへ。 セリグマンを出ると、ルート66はまた周りに何も無い平原を突っ走っていきます。インターステートのように平たくなった道と違い、直線ではあるものの、上下にうねった道なのが特徴です。 しばらく走ると、ルート66は途切れ、I-40に吸収されます。
I-40への合流路でバンが停まって、何人か道の真ん中に立っているので、何かトラブルかなと注意してみたら、観光客がルート66の写真を撮っていたのだった。日本人の大学生グループらしき人たち。うんうん。若いころにここを走れるっていうのはうらやましい。

インターステート40号

ここから、インターステート40号。久々の70マイル走行。 インターステートはアメリカのドライブでは欠かせない道路。日本でいうところの「高速道路」です。ほとんどが無料です。交差点がない「フリーウエイ」になっているのが特徴です。(日本だと高速道路は「ハイウエイ」といわれますが、アメリカの「Highway」は交差点も信号もある道路で日本の「国道」のような道路です) インターステート(州間高速道路) はアメリカに何百本もあるけれど、x0番(I-10,I-20,I-30,I-40,I-50,I-60,I-70,I-80,I-90)は東西に大陸を横断するインターステートのなかでも特に重要な役割を持つ道路です。 I-40 も基本的にはルート66を置き換えた道路で、現在のアメリカの物流に無くてはならない道路。 アメリカの物流の多くはトレーラーで支えられていて、インターステートはいつでも18輪のトレーラーでいっぱいです。
アメリカでのレンタカーのドライブには不可欠で、インターステートをオートクルーズ入れて爆走するのはアメリカドライブの醍醐味といえるのですが、途中の景色のいいところでふらっと停車ともいかないのはちょっと味気ないと感じることもあります。
セリグマンから東にいくと、台地上の地形(コロラド台地)になり、アップダウンの起伏が大きくなります。 周りの植生も、ブッシュ上の背の低い木々から、青々した針葉樹に変わってきます。

グランドキャニオンのゲートウエイシティ。ウイリアムズ

I-40にのって30分ほど。 グランドキャニオンのゲートウエイシティであるウイリアムズに立ち寄ります。 ここは「グランドキャニオン鉄道」の駅。 この街とグランドキャニオンとを結んでいます。 いまでも蒸気機関車が列車を引っ張っています。 500m四方ぐらいの小ささですが、西部開拓時代の面影もありゆったりと歩いてみたくもなる街です。 2002年に初めてアメリカ旅行したときもこの街に立ち寄りましたが、そのときは蒸気機関車を発見できずリベンジをかねて(?) 立ち寄りました。 今回は駅を発見できたので思い残すこともありません。
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ウイリアムズの古い街並み グランドキャニオン鉄道のSL

フラッグスタッフへ

次の目的地は、フラッグスタッフ。アリゾナでフェニックスに次ぐ第二の大きさの街。 2000mを超える高地のため、スポーツの世界で高地トレーニングに使われているところです。日本でも水泳の北島選手が練習に使うことで名前が知られてきたかも。 この街を通過をしてもよかったのですが、ちゃんと買い物ができそうな街はここを逃すとないことは分かっていたので立ち寄ります。I-40の出口のすぐそばのウォルマートに立ち寄り買い物。 ウォルマートの建物といえば他の街ではでっかいプレハブ作りのチープなのが特徴ですが、フラッグスタッフでは街の雰囲気に合わせているのか、茶色のおしゃれな作りになっていました。 ちょっとした食料を購入。 本当は iPod のアクセサリを調達したかったのだけど、残念ながら売っていなかった。
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ちょっと高級なつくりの WALMART

セドナへ向かう森の中の道

フラッグスタッフでI-40を降りてからは一路南へ向かいます。 ここからしばらくは森の中を抜けていく道。
周りの車にはちょっと迷惑かもしれないですが、景色が気持ちいいので制限速度ぴったりでゆったりと走ります。15kmほど走るとヘアピンの連続で一気に谷の底に下っていきます。 いよいよセドナが近づいてきます。「セドナにいるとパワーを感じる」と表現する人が多いですが、よくわかります。 谷底には、オーククリーク(Oak Creak) という清流が流れていて、周りには木々があふれ、周りを高く赤茶けた岩山がそびえ立つ風景が続いています。
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セドナの街の手前にて

青々した森と赤茶けた岩山に囲まれた街 セドナ

ようやくセドナ到着。 まだ1時過ぎなので十分活動できます。 実はセドナは2005年にも訪れていましたが、そのときは事前に調査をしていなかったし、時間も少なかったので、十分に訪れることができませんでした。 セドナの岩山巡りも、リベンジです。
セドナ地図 半径5kmほどのエリアに岩山が密集

セドナ中心部地図。 右上の "The Y"のエリアが、レストランやショップが並ぶ中心地。179号線を南下すると、聖十字架教会、カセドラルロック、ベルロックが。 89A号線を西に行くと、レッドロッククッシング、チムニーロックがある。 また途中にはスーパーマーケットがあり、食料調達可能

聖十字架教会

セドナ中心部アップタウンから179号線で南に20分ほど(工事をしていたので時間がかかりましたが普通は10分程度で到着するはず) 岩山の中腹に教会が作られています。 教会の礼拝堂は奥がガラス張りになっていて、十字架の後ろにセドナの岩山が重ね合わせて見えるような作りになっています。 ここで祈るとセドナの土地のパワーももらえる御利益があるのかも。 セドナの岩山の神秘的な力と相まって、ちょっと霊的なものも感じられるかもしれません。 たあ、セドナはもともとネイティブアメリカンの聖地なわけで、日本でいうと富士山に教会を建ててしまうようなものでしょうか。 なんとなく文化侵攻の気もしてしまう。 まあ考えすぎですけどね。
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岩山にそびえる聖十字教会(Chapel of the Holy Cross) 礼拝堂の向こうに岩山が見えます
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チャペルからの風景 チャペルからの風景 チャペルからの風景

ベルロック

179号線に戻りさらに5kmほどゆったりと下ると、丸い巨大な岩山が見えてきます。これは見落とすことはないですな。 ベルロックという岩山です。 明日登る予定なので、とりあえずは下見。 駐車場の位置確認とトレイルの入り口を確認します。 とげとげしいセドナの岩山の中で特徴的に丸みを帯びた形が印象的。明日に期待。 セドナのエリアでは全エリア共通の駐車券システムが取り入れられています。駐車場に併設の販売機で一日5ドル払いステッカーをダッシュボードに提示しておきます。 セドナは国立公園ではないので維持管理費を自分たちで集める必要があるので当然ですね。

カセドラルロック

次に向かったのはセドナの写真集ではたいてい表紙に紹介される、セドナのシンボルともいえる「カセドラルロック」。今日はこの岩山は登りたい。
179号線を途中で左折。 道はダート。気にせず進む。 500mほどでちっちゃな駐車場があります。 登山靴に履き替え、早速頂上を目指します。
一つ困ったことが。 トレイルが分からない。 標識が充実しているアメリカ国立公園に慣れた身には、セドナの岩山のトレイルは分かりづらい。
頂上は見えているのにそこにいくルートが分からない。。 本当はダメなのは分かっているが、勘で登っていく。 ブッシュと雑木林で進めなくなる。やっぱり違っていたようだ。 ブッシュの中を横断して本来のトレイルを発見。
黒魔術の跡のような不思議な石のサインを超え、しばらく登ると 中腹で平たくなっているエリアがあり一休み。後ろを振り返ると、一面セドナの山々と木々。 背後のカセドラルロックと相まってパワーをもらえるというのはよく分かります。
この先から標識がでてきた。籠に岩を入れた標識がポイントポイントに置かれていてこれが目印。下から見ると、それほど急には見えないのだけど中腹以降は意外と急。最後の方は、両手も使わないと上れません。登山靴は必須ですね。カセドラルロックは女性にも人気のエリアですが、大変だろうなあ。
半分ヘロヘロになったころ頂上に到着。大体40分ぐらいはかかっただろうか。風が気持ちいい。 岩の向こうには下にオーククリークが流れている。 ずっといたい場所だ。
頂上で座ってくつろいでいるおじさんがいる。軽く会釈すると、いろいろと話しかけてくれたり、私のカメラで私の写真を撮ってくれたりした。 一人旅だと自分の写真はほとんど残らないので貴重だ。
このおじさんとしばらく語る。 カリフォルニアで大工をしていたが、15年ぐらい前からセドナに移住したそうだ。セドナに住めるのはセレブだけかと思ったら、そういう場所は一部のみみたい。
毎日セドナの岩山を歩いていて、カセドラルロックが特に好きとのこと。 今日も昼からここに座っていているそうだ。ここに座っていると日本人も結構見かけるそうで、今日も先ほど東京から来た女性と会ったそうだ。
頂上に時々鷹が止まって獲物をめがけて時速300kmほどで谷を下ることもあるらしい。それは見てみたいものだ。頻繁に通っているからこそわかるのですなあ。
さてここが本当の頂上だと思っていたら、おじさんに、もうちょっと奥に静かな場所があるよと促されて、岩山の脇を進んでいったら神秘的な場所にたどり着いた。 切り立った岩の隙間に岩の柱が立っている。 通り抜ける風が気持ちいい。しばらくここで目をつぶって眠っていました。
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トレイルの途中にあった石。なにか儀式したのかな 頂上。風が気持ちいい 先ほどの登った頂上を振り返る

宿へ

今日の宿は、"The Y"というセドナの交通の要衝にある "Cedars Resort Sedona"というモーテル。立地のわりには比較的安いモーテルです。
バスタブはついていないのがちょっとマイナスですが、場所の便利さは一級品。歩いてレストランにいけるというのはポイントが高い。ビールも頼めるしね。
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今日の宿。

アップタウン

歩いて5分ほど。アップタウンで食事。 今日は、ハンバーガー。アメリカでハンバーガーといえば、ファストフードはさておき、レストランではちゃんとした肉料理がでてきます。 10ドル程度だし意外とリーズナブル。 ようやく今日ちゃんとした料理にありつけます。
セドナといえば、芸術の街でもあって、セドナのアップタウンには、リアルな彫刻が多く置かれています。 写真にあるように、絵を描くおじさんとそれを写真に撮る少女 といういきいきとした動き。これがすべて彫刻。リアルですなあ。
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女の子含めて彫刻です
そんな感じで2日目も過ぎていきます。
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