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クーラ「ねえねえダイアナ、フォクシー、珍しい生き物が動いてるよ。」
フォクシー「ああ、それはテンっていう小動物よ。」
クーラ「へえ、かわいいね。」
 クーラ、ダイアナ、フォクシーの三人はサウスタウンに来ていた。K´ら裏切り者を始末するため・・・。クーラはいろんな店を見て回ってはその度に珍しがっている。無理もない。普段は外に出ることすらないのだ。だから、クーラにとって今自分が見ている景色は全て新鮮に思えるのだ。
クーラ「わあ、これもすごいや。」
 だんだんと二人との距離を離すクーラ。
ダイアナ「ちょっと、クーラ。先に行き過ぎちゃだめよ。」
クーラ「わかってる。」
 その数分後、すっかり二人とはぐれてしまったクーラ。二人を探そうにも辺りはものすごい人で見つけるのも一苦労だ。
クーラ「弱ったなぁ・・・。」
 その時だった。
「お嬢ちゃん、道にでも迷ったかい?」
数人の若者がクーラを囲む。
クーラ「あの、私ダイアナとフォクシーを探してるんだけど・・・。」
「はぁ?知らないな。それよりも嬢ちゃん、ここは結構治安が悪いんだぜ。あんたみたいなのが一人でいると危ないぜ。」
「ヒィーヒッヒッヒ。」
 残りの若者達も一斉に笑い始める。クーラに対し、何かしようとしているのは明らかだ。
「だからさ、優しい俺達が安全な所に連れてってやるよ。」
「そうそう、信用しなって。」
 若者の一人がクーラの手を取ろうとした。
クーラ「やめて!私、急いでるの!」
 クーラが若者の手を避ける。
「おいおい、そう怯えるなよ。別に何もしねえって。」
クーラ「嘘!あなた達みたいなのは悪者の顔だってフォクシー言ってたもん!!」
「へえ、悪者ね。でも嬢ちゃん、人を見かけで判断しちゃいけねえぜ!!」
 その瞬間、若者達が一斉に攻めてきた。いくらクーラといえど力を解放していない状態では若者一人まともに相手できるかわからない。そのときだった。
K´「シャラァァ〜ッ!!」
 K´のミニッツスパイクが若者の後頭部を直撃する。今の出来事に若者達の視線は全てK´に向けられる。
「なんなんだ!てめぇ!!」
K´「てめえら揃って女一人しか襲えねえとは弱虫にも程があるんじゃねえか?」
 クーラは何事かわからない。だが、彼女を守ったのは紛れもなく敵であるはずのK´その人であった。
クーラ「あなた・・・。」
K´「俺から離れるな。」
 K´がクーラに振り向いた。その顔にクーラは今まで感じた事のない熱いものが込み上げてくるのだった。
「てめえ、こんなことしてただで済むと思うなよ!」
K´「けっ、やってみろ!弱虫風情が!!」
 若者達がK´に襲いかかる。だがK´はそいつらを一蹴する。若者達はもはや動く気力すらない。
K´「情けねえ。口だけ野郎が・・・。」
 K´はそのまま去ろうとした。その時だった。
クーラ「あの、私も連れてってくれない?」
 K´が振り向く。
K´「お前、ネスツの手先だろうが。何言ってるのかわかってんのか?」
クーラ「うん。でも、フォクシーやダイアナとはぐれちゃったし・・・。」
 思案するK´。そして・・・
K´「勝手にしろ!!」
 そう言い残し、勝手に歩くK´。クーラも後をついていくのだった。

マキシマ「お前、自分のやってることがわかってんのか!?」
 帰ってきたK´に一喝するマキシマ。
K´「仕方ねえだろ?こいつが連れてって、なんて言ってんだから。」
マキシマ「だがな、K´。そいつは・・・」
K´「わかってる。どうせあいつらも溺愛してるこの女にはさすがに手は出せんだろう。人質代わりには丁度いい。」
マキシマ「確かにな・・・。」
 こうして夜は更けていった。
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