PAGE:3
 翌朝、外は素晴らしい程の晴れ模様であった。心地よい日の光を浴びながらK´は寝ていた。そして、朝食の匂いを嗅ぎ、起きる。
マキシマ「遅いぞ、K´。何時だと思ってる。」
 相変わらずK´の保護者っぷりを見せるマキシマ。
K´「けっ、ったくお袋くせえんだよな、マキシマは。朝食も毎日お前が作るし・・・。」
マキシマ「ああ、今日の朝食は俺は作ってないぞ。」
 その言葉に耳を疑うK´。では一体誰が・・・。K´が目を開けるとそこには料理をしているクーラの姿があった。
K´「なんだ、これは。悪い冗談か?」
クーラ「違うわよ。今日からここでお世話になるのよ。だからせめて料理くらいはやろうと思って・・・。これでもフォクシー達に教えてもらったんだから。」
 K´が椅子に座る。ご飯と味噌汁と卵焼き。典型的な和食である。
K´「お前、何人だよ。」
クーラ「いいから食べてみて。」
 渋々食べるK´。だが食べてみると、これが結構美味かったりする。
ウィップ「驚いたでしょう?K´。もしかしたら私より料理の腕は上じゃないかな、と思うんだけど・・・。」
K´「さあな。お前より下手な料理人を探せるもんなら探してみたいぜ。」
ウィップ「ちょっと、何ですって!?」
 食事も早々に切り上げ、食器を片付けるK´。
クーラ「あ、いいよ。洗っておくから。」
K´「あ、そうか。」
 その時のクーラの顔に一瞬胸がときめくK´。だが、すぐに自分の部屋に閉じこもってしまった。
K´(馬鹿な。何でよりにもよって敵のあいつに惚れなければならない)

 食事も一段落。クーラがK´の元に詰め寄る。
K´「何のようだ。」
クーラ「うん。今日さ、遊園地一緒に行こうかなと思って。近くにあるからさ。」
K´「遊園地・・・だぁ!?」
 思わず大声を上げるK´。
クーラ「私、前から一度行ってみたかったの。みんな楽しそうな表情で帰ってくるからどんな所かなぁと思って・・・。」
K´「あのなぁ、俺らは遊びでここに来てるんじゃ・・・。」
クーラ「お願い・・・。」
 クーラが真面目に頼む。
K´「チッ、お前、そうやって今まで奴らに物ねだってきたな。まあいいさ。そんなに行きたいなら連れてってやってもいいぜ。」
クーラ「本当?ワーイ!!」
 クーラの喜ぶ表情。それにK´はまた惹かれるのだった。

マキシマ「ダメだ!俺達は暇じゃないんだ!」
 クーラに頼まれた後、マキシマにクーラの世話を頼むK´。だが、それはあっさり断られてしまった。
K´「何言ってんだ!俺一人であいつの面倒見ろってのか?」
マキシマ「仕方ないだろう。お前にそう頼んできたんだから。」
K´「お前はどうなんだ。」
 今度はウィップに聞く。
ウィップ「あら、お二人さんってとってもお似合いのカップルだと思うけど・・・。」
 全く取り合ってくれない。結局、マキシマとウィップは調査に、K´はクーラと共に遊園地に行った。

 遊園地。クーラは思い切りアトラクションを楽しんでいた。対するK´はげんなりしていた。早くこの瞬間が去らないかと切に願っていた。だが、彼のもう一つの心は、クーラの笑顔に確実にとりこになっていくのだった。そしてそれは段々大きくなっていくのだった。
 ある時、クーラが話し掛ける。
クーラ「ねえねえ、そろそろお昼にしない?」
 時計は正午を回っていた。
K´「ああ、いいんじゃねえ。」
 適当に昼を過ごす二人。その時、クーラがある店を発見する。
クーラ「ねえ、あそこで何か買っていかない?」
 K´は渋々付き合う。そして彼は思う。
K´(俺は、何やってんだろう・・・。)
 クーラがK´を呼んだ。
K´「何だ?」
クーラ「これ買おうよ。」
 それはキーホルダーだった。しかもそれぞれハートの半分をかたどったものが。
K´「お前・・・」
 次の瞬間、クーラはレジのまん前にいた。
K´(早っ!!)
 その後もクーラは楽しみ、K´も段々慣れてきて、辺りは夜になった。
クーラ「ねぇ、あれ乗らない?」
 クーラが指したのは巨大な観覧車だった。
K´「ああ、乗るか。」
 二人は観覧車に乗った。
 それを密かに目撃した者がいた。ネスツの兵士であった。
兵士「ダイアナ様、フォクシー様、クーラお嬢様を発見しました。あのK´も一緒です。」
 無線でその連絡を聞く二人。
ダイアナ「わかったわ。あなたはそのまま二人の様子を見続けて。至急そちらに向かうから。」
 無線を切るダイアナ。
ダイアナ「ククク、あの子がなぜK´といるかわからないけど、これは奴を倒すまたとない機会だわ。」
 ダイアナが不敵な笑みを見せる。
ダイアナ「それでは行きましょうか。例の遊園地へ。」
 ダイアナとフォクシー、その他大勢の兵士達が遊園地に向かう。
 K´とクーラはその事はまだ知らない・・・。
next