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ジャイロステーション

SOKKIA



GP1-2A


ジャイロステーションを使った測量例
● シールド工事のダボの測量

 もっとも一般的に依頼が有るのが、ジールド工事の発進から到達までの掘進時の、ダボの座標管理です。立坑が掘れたら当面のシールドマシン掘進方向として下げ振りでポイントを地上より落とし方向墨を出し、掘進を開始、50m程度の基線が確保される場所まで掘ったら、しっかりとしたダボ点を設置してジャイロにて観測し出来るだけ正確に座標値を確定させる。後は線形と予算に応じてなるべく長く基線が確保されるダボ点にてジャイロ測定を行い、同時に立坑下のダボ点からトラバース点検測量を実施して基線ダボの座標確定を繰り返えしますこの測量は、外部チェック機関が測量を行うことにより工事を管理する人の不安材料の解消、安心を提供する作業では無いかと思います。


● 変わった立坑
 
 片側3車線の交通量が多い国道の下を発進し、その道路の下を掘進する推進工事の立坑でした。立坑は道路脇の敷地を開口部として、L字型に道路下まで掘られたものでした。掘進開始にあたり坑内にBP点を設置し掘進方向墨を設置するんですが、地上からのポイントの落としも線形の中心線上には落とせず、5m位並行に逃がした線上に2点ポイントを落として、坑内で本来の線形の位置に戻す形となりますが、立坑自体も狭く基線設置に当然誤差を多く含みやすい、と言う事で他の測量会社から紹介を受けジャイロを使った掘進方向の基線設定を依頼されました。掘進開始時と最終カーブ手前で点検ジャイロ測定を行い、到達したときは、かなり良い精度で貫通したと聞いております。


● 深い立坑

 最近大深度のシールドが多くなっているようですが、私が作業した中で一番深かったのが、地上から70m位有る立坑でした。管径も大きく、立坑の下に立ち、立坑上部を見上げると人は米粒の様に小さく、今回は竣工時の引き継図書作成に伴う台帳記入の為の出来方測量だったので照明設備もほとんど無く薄暗い感じで、ちょっと異様な感じでした。こんな状況なので、地上からのポイントの落としも、普段は下げ振りを使うのですが、風などの影響で下げ振りの揺れが止まらないと判断し鉛直機を使用しました。このシールドは延長4km位行ってどん詰まりの状況でした。路線が長くトラバーも開放路線になってしまうので、到達付近では大きな誤差が生じる可能性があり、ジャイロを用いて、立坑下、中間、到達の3箇所で観測しトラバーの方向角の補正を行ないました。


● こんな事も

 地中線のトンネルから新築のビルに電気を供給する為の工事を行なうので設計の位置を坑内に設置したいのだがジャイロを使って測量を依頼したいとの事で現場を見させてもらいました。そうした所、地上からポイントの落としを行なえるスペースもピンポイントで30cm位のスペースしかなく当然そこには測量機を据えることは出来ない、しかも問題はこのトンネルには27万ボルトの超高圧の電線が何本も通っている環境でした。当然、作業中の電気停止は出来ないとの事なので、これだけの高圧電気の横でジャイロ測定を行なっても信憑性の有るデータは得られないだろうと判断し、もう一箇所1km位先になるがポイントを落とせそうな場所を見付け両端の落とし点2点を与点とする結合トラバースを組み、測量を行うことが出来るのではと提案し、了承を頂き測量を行ったこともありました。















 ジャイロステーションはシールド工事だけでなく、既設下水道、導水路、地下鉄、坑道、山岳トンネル、防空

壕等
地下空間などの特殊環境での測量に大変役に立ちます。シールド工事の測量などをやってますと夜中

に現場の監督さんから電話を頂き、只今無事に貫通しました、ありがとうございました、などとお礼の言葉を

頂いたりする事も有ります。こんな時は本当にうれい事で、やってて良かったなと、つくづく思います。