(衣羅ハルキ「よだかのほし」感想続き)
幼なじみの少女。学校でいじめられ、家でも不遇な彼女を近くに見ながら、救うことができない少年。なにもできない自分にいらだち、少女の態度に腹を立て、自分の親の転勤を聞いたとき抜け出せると思い、だけど内心のやりきれなさは消えず。
ある日を境に、微妙に変化した少女の言動。「私、大丈夫だから」という少女に、思わず心ない言葉を吐いてしまって、少年は知ります。いじめられ下を向き、不安な言葉しか口にできなかった少女が、いつしか前を向いていることを。前を向いて大丈夫だといい、自分を気づかいさえしていることを。救いたいけど救えないと思っていた、いつも気にばかりしていたその少女に、自分が救われたことを。
最初に読んだとき、中盤からラストまで引き込まれてとまりませんでした。あざやかなラストシーンも忘れられません。美しいまんがです。