MEET THE NEKO−SENNIN(Part1)<BACK>
東路の道の果てよりもなお奥つ方、海抜2040mの岩手山の頂に、ネコ仙人という数学を究めた老人(老ネコ)がいるという。私、しもまっちは、相棒「ちかぴゅう」とともに、数学の奥義を学ぶべく、ネコ仙人のもとに旅立つのだった。相棒ちかぴゅうによると、ネコ仙人のもとに行くまでには、インディージョーンズ「魔宮の伝説」まっつぁおの、魑魅魍魎が跳梁跋扈、百鬼夜行の夜行列車、言語道断横断歩道といった幾多の困難が待ち受けているという。
しかし、我々は、数学の奥義を伝授されたいという決意も固く、勇気凛々で岩手山麓まで達したのである。さて、岩手山麓に着くと、そこには図のような迷路があり、その入り口には次のような説明があった。
「ネコ仙人のもとに行くには、まずこの迷路を通ること。スタートで君達のエネルギーは1。電卓を持って、道路に書いてあるとおりの演算をしながらゴールに向かえ。ただし、交差点はいいが、同じ道を2度通るのはだめ(要は一筆書きで)。エネルギーが最大になるよう考えて歩け。では幸運を祈る。」
ううむ。最初からすごい難関が待っていた。相棒ちかぴゅうによると、ここでできるだけエネルギーを大きくしておかないと、次の妖怪との戦いに敗れればもう帰るしかなくなるのだそうだ。2人は迷路の地図を見ながら最適な道順を考えた。
「よし、これでいこう」しばらく考えて、ある道順を選んだ。その結果エネルギーは何と2431948にもなった(皆さんもやってみてね)。
「よっしゃー、パワーアップしたぞ。」ゴールに着くと、そこには2人の妖怪キャイリキーとカニワラーが待っていた。
カニワラー
(註 エネルギーを大きくするための呪文・・・自己回避型ランダムウォークではないので、シェルピンスキ−のギャスケットは一筆書き可能)
「さあ、ここで俺達と勝負してもらおう。今ここに3つの袋A,B,Cがあり、その中に球が3個ずつ入っている。この中から30秒以内に好きなものを選べ。そうしたら我々一人一人と勝負するんだ。勝負の方法は袋から1個の球を取り出して見せ合い、数が大きいほうが勝ちだ。この勝負を10回ずつ行うんだ。」
おどろおどろしい妖怪の割には、何とチンケな勝負を挑むのだろう。私しもまっちは、妖怪が説明をしているうちに素早く確率を計算した。『ふむ。BとCを比べると、Bから5か4が取り出されれば絶対Bが勝つのだから、BがCに勝つ確率は2/3。BはCより断然強い。一方、AがBに勝つ確率は、Aから6を取り出すか、または、Aから2を取り出したとき、Bから1が取り出されるのだから、 つまりBよりAが強い・・・Aを取ればいける!』
「時間だ選べ」の声とともに、Aの袋を選んだ。キャイリキーはB、カニワラーはCを選んだ。
まず、キャイリキーとの対戦は予想通り、10回やって、6勝4敗で勝ち越した。次にカニワラーとはもっと楽勝と思っていたら、結果は無残にも3勝7敗と大負けしてしまった。相棒ちかぴゅうがうめきながら計算している。「こりゃあだめだ。AがCに勝つ確率は6をつかむしかないから1/3だっぺ。」
なんてこったい。順序が成り立たん! A>B、B>Cなのに、A<Cか。じゃあ何を取ればいがったのがあ。
私、しもまっちと相棒ちかぴゅうは、戦いに敗れ、エネルギーが半分の1215974と減ってしまった。うなだれながらそこを出発すると、目の前にはリンクの部屋という看板があり、いくつもの扉があった。
信川正史さんのホームページ
http://www.nishnet.ne.jp/~math/bbs/memo.cgi
佐藤勝彦さんのホームページ http://www.mars.dti.ne.jp/~satokatu/index.html
武田利一さんのホームページ http://www.asahi-net.or.jp/~xc8t-tkd/
宮本次郎さんのホームページ http://homepage1.nifty.com/toretate
上村浩郎さんのホームページ http://www.lekton.co.jp/
中原 宣さんのホームページ http://homepage1.nifty.com/nkhrsen/
来光 均さんのホームページ http://www1.ocn.ne.jp/~raiko/yaku1.htm
市川 良さんのホームページ http://www02.so-net.ne.jp/~iti88pa
横山正道さんのホームページ http://members.tripod.co.jp/yokoyama_m/
下町壽男さんのホームページ http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/
※上のホームページはAMIのリンク集よりとりました。作者の方ご了解下さい。
どこも面白そうだ。しかしどこに行けばネコ仙人にあえるのだろう。私しもまっちと相棒ちかぴゅうは少し考えある部屋を選んだ。ところがその部屋に入ると、またさっきと同じような「リンクの部屋」がある。そこでまた1つの扉を開けると、そこにも「リンクの部屋」が。また1つの扉を開けるとまたまた「リンクの部屋」・・・
2人は部屋の様子には目もくれず、しばらくの間部屋から部屋へと渡り歩いた。そして、はっとして我に返った。「まずい。我々は何をしていたのだろう。」「これがあのリンク地獄か。」2人は途方にくれた。こんなことをしている暇はない。我々はネコ仙人に会いにいかねばならないイカネバの娘なのだ。
私しもまっちとちかぴゅうは気を取り直して歩き続けた。すると、「ネコ仙人の住処へ」という看板が目に入った。「よっしゃあ」喜び勇んでわれわれは駆けつけた。しかしそこへ行くには、サイコロ大王との戦いを避けて通るわけにはいかなかった。
2人の旅はまだ続くのである。