カエルの交換3
前ページで得られた公式
An+Bn+An=(1+2+・・・+n)×2+n=n2+2n
は本当に最小値でしょうか。
実は、最近の杜陵サークル(2001.2月)で、岩手の小山中学校の佐藤宏行さん
がこのカエルパズルについて面白い話をしましたので、それを紹介したい
と思います。
1 |
2 |
……… |
n |
n |
……… |
2 |
1 |
|
●1 |
●2 |
……… |
●n |
×n |
……… |
×2 |
×1 |
図において、●nは、×1の場所に、●n−1は×2の場所に、・・・、●1は
×nの場所に移動するとすれば(これが最も経済的移動とする)移動の総量は、
n(個)×2(●と×)×(n+1)(移動の距離)=2n(n+1)=2n2+2n
ところが、●nは×1の場所に行くためには、×1〜×nのn個を飛び越えなければ
なりません。ということは、先ほどの式からn回分移動が減ることになります。
これが各●×に対してあるので、n×2n=2n2だけ減じられるのですが、飛び越える
ことによって、飛び越えられほうも「飛び越えた」ことになりますから、減ずる量は、
2n2の半分n2で良いことになります。以上から、最小手数は、
2n2+2n−n2=n2+2n となります。
以上が佐藤さんによる考え方です。これは、具体的な手順を示していませんが、移動
手順の限界値を示しています。
つまり 手順≧n2+2n であるわけです。で、前ページのような手順が存在した
わけですから、前ページの戦略は最適な方法であることがいえたわけです。