フェヒナー(G.T.Fechner)の法則と音階の話2

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       その2.フェヒナーの法則  <目次> <NEXT> <BEFORE>

 大学1年のとき、一般教養の心理学の授業で「フェヒナーの法則」の話を聞いたとき、とても

興味を抱きました(滝沢先生という方だった)。自分は学部も理学系だし、何分真面目な学生

ではなかったですので一知半解であることを恐れずにいうと、そのときの私が理解した「フェヒ

ナーの法則」とは次のようなものであります。

 刺激(x)に対して、反応(y)が一意に決定する。反応yは刺激xの関数

つまり、y=f(x)。

 さて、例えば、ローソクの明かりが1本から2本に1本増えたとき、それを見たときの感覚は、

100本から101本に増えたときよりも大きいはずです。フェヒナーによれば、刺激によって変

わる反応の変化率は、現在の刺激の量に反比例するということです。

 この考えは、自然な考えであるように思う。例えば、3歳の子が4歳なる変化率は、100歳か

ら101歳になる変化率より大きい(ちょっと関係ないか。というより、100歳になったことがない

からわからないけれど)。あと、よく野球の投手が、時速150kmをストレートを投げるとき、2球

続けて同じスピードで放るより、初めに、スローなチェンジアップを見せていれば、より早く見え

るのだという(これもちょっと違うかな)。

 フェヒナーの法則を定式化すると、

  dy/dx=k/x  (kは定数) という微分方程式になるので、これを解くと、

   y=klogx という対数関数で表されることになります。刺激が等差数列で変化すると、

反応は対数関数に比例して変化するということですね。ということは、反応を等間隔で変化す

るようにしたいときは、刺激は等比数列的にすればよいということになります。

というわけで、次の音階の話につながります。

 

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