シマリス無理やりペテルブルクに行く(前編)

これは、帰国寸前にペテルブルクに行こうと思い立ち、友人とともに、
夜行で行って、その日の夜行で帰るというとんでもないスケジュールでペテルに行った時の話です。

12月13日の夜、切符を手にレニングラード駅へ。ちょっと高い切符だったけど、
まぁ、サービスはいいだろう、ということで列車に乗り込む。
コンパートメントは偶然私と友人だけだった。
電車が動き出すと同時にカギをかけて寝る。
ちなみに列車の中には、朝食用に?お弁当とガス入り水が置いてありました。

で、シマリスは友人と二人だったことに安心して、かばんにカギをかけたものの、
うっかり荷物入れに貴重品を入れるのを忘れたわけですな。
ドアのカギはかけてましたが、ドアが動かないようにするためのロックをかけるのを、
これまたすっかり忘れてて。
ロシアというのはとんでもない?国で、外国人=金ヅルとしか思ってないらしい。
どうも、外から合鍵でカギを開けられて、シマリスはお金をほぼ全額取られました。
被害額は日本円にして1万円。まぁ、これが日本だったら多少痛いぐらいですむけど、
ロシアだったらこれってすごい大金なんですよ。
しかし、このとき幸いだったのが、

1.カードを全部部屋においてきていた。
2.出国ビザ申請中でパスポートはなく、代わりにスプラーフカという紙切れしかなかった。

とられて困るものはお金しかなかったわけですな。ははははは。
しょうがないので、友人からお金を借り、極貧旅行と相成ったわけです。
くっそ〜!!!あのとき私の財布からお金をとった奴め、今度会ったら許さん!

そんなこんなで怒りながら弁当を平らげ、真っ暗な中(それでも朝7時ぐらい)モスクワ駅到着。
しょうがないので、ネフスキー・プラスペクトのマクドで時間をつぶす。
ここのマクドにはモスクワにないメニューがありました。
たぶん朝食用メニューだと思いますが、コーヒーとマフィンセットがありました。
値段もちょっとだけモスクワより安めですね。

マフィンをつついてコーヒーを飲みながら、作戦会議です。
いかんせん私の所持金はないし、カードもないので、極貧は決定。
ま、とりあえずモスクワ駅で帰りの切符を買ってあったので、
かかるお金はめっちゃ高くもないですが。

しかし、ペテルブルクは高緯度にあるため、夜明けがモスクワより遅い。
このとき、モスクワは8時ぐらいに夜明けだったのですが、
ペテルは9時過ぎてやっと明るくなる程度。
当然、日が落ちるのも早く、3時でもう夕方です。

ま、とりあえずロシア美術館へ行くことにしました。
ロシアでは国際学生証も有名な施設では効きますが、それより有効なのが、
ロシアの大学の学生証です。これさえあればロシア人料金で入れてくれます。
というわけで、我々はロシア美術館にたった40円で入ることができました。
で、ロシアの観光施設、コンサートホール、そういうもん全部に、
ガルジェロープという、日本でいうとこのクロークがありまして、
そこででかい荷物や分厚いコートなんぞを預けるわけです。
で、おばちゃんに、あなたたち学生(注:この場合の学生とは中学生、高校生ぐらいを想像してください)
でしょ、何番のガルジェロープにいきなさい、といわれ、そこにいったら、
なんと、高校生専用のガルジェロープを指定されまして。
いや、私たち学生は学生なんですけど、大学生です…。といってるのに、
おばちゃんはしつこく、あっちいきなさいっていったでしょ、というんです。
あげくに、あんたたちどこの学生なの、といわれ、ペテルブルク大学?といわれたので、
あ、あの、モスクワ大学です…といったら、おばちゃん凍ってました。
注:モスクワ大学は日本でいうところの東大に相当します。ペテ大は京大かな?

ま、そんなこんなでやっと荷物とコートを預けて、美術館へ。
そしたら、うようようようよ、小学生から高校生まで、社会見学にきたと思われる学生だらけ。
そして、微妙に入れない部屋が多すぎて、えらい回り道をするわ、
なんだかんだといって、部屋が無限にあるような感じ。
結構疲れました。でも、新旧のロシアの絵がたくさんあって、
見ごたえは十分です。

この後、エルミタージュ方面へいったのですが、
それは後編で…。

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