シマリス無理やりペテルブルクへ行く(後編)

さて、お金は取られるわ、中学生か高校生に間違えられるわ、夜明けは遅いわ、などなど、
日帰り旅行のくせに散々な目にあっているシマリスと友人ですが、
ここからは、ペテルブルク旅行のハイライトがはじまります。

さて、ロシア美術館でよくわからないことになった私と友人ですが、
気を取り直して、観光を続けることに。

ペテルブルクの目抜き通りである、ネフスキー・プラスペクト(ネフスキー大通り)を歩いていると、
あっちこっちに劇場の切符売り場があるんですが、それだけではなくて、
なんと、エクスクルーシア(日帰りツアー、英語でいうとこのエクスカーション)のキオスクがありました。
ペテルブルク近郊には、ピョートルの夏の宮殿(ペトロドヴァレエツ)とか、
その昔エカテリーナ女帝の別荘で、あの大黒屋光太夫が謁見して帰国許可をもらったという、
エカテリーナ宮殿(ツァールスコエ・セロ、皇帝の村)があったりとか、
ヴォルガの船曳きという絵で有名なレーピンの住んだ、レーピノという村があったりとか、
いろいろ観光のメッカがあります。
エカテリーナ宮殿といえば、内装全部に琥珀を使った、琥珀の間という部屋がありますが、
戦争のときに、その琥珀をナチス・ドイツ軍がかっぱらっていってしまって、今でも行方不明、という話があります。
なんと、ペテルブルク建都300年の今年、その琥珀の間が復活したというではありませんか。
みたいよーう。いつか絶対見てやる。以上余談でした。

で、本題ですが、そのキオスクで、いろいろ日帰りツアーを格安であつかっているわけです。
時間があったら行きたかったけど、いかんせん日帰り、しかも金なし、なので断念。
ちなみにこんなキオスク、モスクワにはありません。探したらあるんやろうけど。

おなかがすいたので、激安ランチを探して、モスクワにそこら中にあるスタンドを探すも、
ない。シャウルマ屋すらない。シャウルマビストロとか言う怪しげな店はあったけど。
運河にかかる橋の上で、やっと一軒スタンドを発見。ホットドックを食す。
ペテルブルクって結構きれいでいい町だと思うけど、激安ごはんに関してはいけてないかも。

ホットドックを食べ、ぶらぶらとしながら、エルミタージュへ。
しかし、モスクワの観光地が地下鉄一本でいけるのに対して、
ペテルブルクの観光ハイライトは、ガスティーヌィ・ドヴォール駅からどんだけ歩かすねん!
というぐらい遠い。早い話が、観光地の近くに駅はない。
しんどいしんどいといいながら、歩いてエルミタージュへ。
しかし、この建物が見えても、入り口はぐる〜っとまわったところにしかないので、
また歩く。しんどい。ていうか、建物でかすぎ。
やっとついたと思ったら、人がめっちゃいて。冬だというのに。
ガルジェロープでコートとでかい荷物を預け、切符売り場へ行く。
ロシアバンザイ、と思ったのが、学生はただでこの世界的に有名な美術館を見れること。
しかし、我々には時間がないので、西ヨーロッパの近現代絵画のコーナーへ。

あぁ、やっぱりもと宮殿、でかい。広い。どこになにがあるんかわからん。
そして、ゴージャス。内装とかほんますごかったもん。
一説によると、エルミタージュの展示品全部みるには、5年、10年かかってもおかしくないとか。
まーとにかくそんぐらいばかでっかいわけです。
そんなかで、あ、これ歴史の教科書で見た!あ、これ美術の資料集で見た!という絵が、
わんさとあるわけですよ。感動しました。マティスの「ダンス」を間近で見たときとか、ほんま感動です。
ロシアに行くのはめんどくさいけど、エルミタージュとクレムリンとトレチャコフ美術館は、
行く価値ありです。マジで。めんどくささがうそのように、感動します。
…しかしここでも、工事中多すぎ…。
あとびっくりしたのが、エルミタージュ1階に、最近できたっぽいねっとかへがあったことです。
そう、エルミタージュには、地下に宝物庫があるそうなのですが、
予約制だとか。あう〜残念。はがきは売ってます。きれいですよ。

エルミタージュを出て、宮殿広場を見物しました。
さすがに真冬、だーれもいなかった。おお〜。これが、というのに水差す話。
肝心かなめのアレクサンドルの円柱が…工事中でやんの。

またまた気を取り直して、イサク聖堂へ。
で、また、おお〜、これが、と思ってたら、ごーん、工事の足場が…。
中に入るにはお金がいるので、入らなかったけど、ぐり〜っとまわってたら、
またまた、工事の足場が…。なんなんだよう。

おなかすいたので、マクドでしっかり食べよう、と思って、マクドを探しました。
で、友人が、あれちゃうん!?というので、いってみたら、両替所だった。ごーん。
でも、しばらく歩いて無事発見。やれやれ。おなかを満たし、あらかじめ買ってあった、
コンサートへ行こうとスモーリヌィという修道院へ。

ガスティーヌィ・ドヴォールの前からバスに乗る。
と、あれ???アナウンスがない!やべー、どこで降りるのかわからん!!!
と思ってドキドキして、しばらくして切符売りのおばちゃんにきいたら、
もう通り過ぎちゃったわよ、といわれ、あえなく下車。
地球の歩き方の地図を頼りに歩くと到着。
で、切符を見せたら、外国人はねぇ、だめなのよ〜、でもいれてあげるわ、
といわれ、入る。
ところが、人が少ない。オケのコンサートを想像していたら、
舞台の上にあるのは譜面台3本。もしや、アンサンブル?と思って、
開演時間を待つ。すると、バイオリンとビオラとチェロのアンサンブルでした。
人がめっちゃ少なくて、途中で寝てる人とかいたけど、
演奏自体はすごく良かった。バイオリンの人がごっついうまかったです。

で、帰ろうと、バス停を探す。
バス停は見つけたけど、果たしてアナウンスがないあのバスで、
どーしたらいいのか、とりあえず来たバスに乗って、
地下鉄駅で降りよう、ということになり、
ちょうど来たバスが、地下鉄駅に行くバスでした。
で、地下鉄に乗り、電車の時間までしばしガスティーヌィ・ドヴォールでお買い物。
ガスティーヌィ・ドヴォールとはモスクワにあるグムと同じようなもんで、
デパートのことです。これがまた、でかい。グムよりでかいんじゃないか、おい、ってぐらい。

そんなこんなで、時間をつぶして、ネフスキー・プラスペクトをモスクワ駅に向かって歩いていると、
モスクワ駅近くで、シャベルマ屋を発見。
よく見ると、ドイツのケバブ・ドゥナーに似ている。
これがペテ版シャウルマ?と思い、買ってみる。
で、モスクワ駅で食す。おいしかった。勝手に切符売り場のところで時間つぶしてたし。
だって外寒いし、座るとこないし。
みんな同じことをやっていたので安心。

モスクワ行きの寝台列車に乗り込む。
こんどコンパートメントで二人だけやったら、扉をひもでくくりつけてしまおう、
というので、クリスマスの飾りのワイヤーを買っていた。
ところが、コンパートメントに、ロシア人のごっついおっちゃん二人がきて、
しかも食べ物持ち込みで、外で飲み会やってやんの。
で、うちらが寝ようとしてたら、おっちゃんたちが戻ってきて、
あー、服脱ぐんだったら、俺たち外に出てるから、といったんだけど、
意味がわからなくて、いや、もう寝るからいいです、といったら、
おっちゃん二人してわさわさと服脱ぎだすんでやんの。
もしや私らも裸で寝ると思われたのか?と思ったりして。
で、扉を良く見ると、カギとは別に、扉が動かないように固定するストッパーがあって、
おっちゃんたちがカギをかけといてくれたのでした。ちゃんちゃん。

ワイヤーはどうなったかというと、
ペテルブルクから帰ってきた後、56号室(シマリスと友人が住む部屋)の、
ドア飾りになっていたのでした。

おわり。

戻る