エネルギー保存則と永久機関

・エネルギーはその形態を変えるだけで、無くなることはない。
・運動をしているものは、ずっと運動を続けるはずだが、
 実際は、空気抵抗や摩擦などで、運動エネルギーが熱エネルギーに
 変わってしまうので、運動が止んでしまう。
・外部から力を加えなくても運動を続ける装置を永久機関というが、
 永久機関が存在しないというのは、上記の理由からである。
・熱として拡散してしまったエネルギーは運動エネルギーになる
 ことはない。
・しかし、それに反するように見えるものがある。
 それを今回紹介する。

・水飲み鳥

  水飲み鳥の動画
  

  ・外部から力が与えられていないのに、動き続けているので、
   永久機関のように見える。
  ・この動力源は気化熱である。
   水が気化するときに熱を奪う現象である。

  ・鳥のくちばしが水を含んだとき、頭部が水で濡れる。
  ・この水が自然蒸発するときに、頭部の気体の熱を奪う。
  ・冷えた頭部の気体の体積が小さくなる。
  ・下の液体が管の中を上昇する。
  ・鳥の重心が上に行くので、鳥が傾く。
  ・傾くと、コップの水を吸う。
   同時に、管の下の端が、下の液体の面から離れるので、
   管の液体は下に落ちる。
  ・鳥の重心が下に行くので、鳥が立ち上がる。
  ・これを繰り返し続ける。

  ・熱エネルギー → 位置エネルギー → 運動エネルギー
   という過程をたどっている。
   とても、よくできた仕組みである。
  ・普通、熱エネルギーを運動エネルギーに変えるときは、
   高温にしなければいけないが、
   この例では、常温の熱エネルギーを運動エネルギーに
   変えている。

  ・熱エネルギー差が小さいので、エンジンなどの大きな
   力が必要な例には使えないが、発電して蓄電してから
   使うという方法なら、実用化できるのではと思う。
  ・このような小さいなエネルギーを寄せ集める方法は、
   ほかにもあって、車や人が通るときの振動を、電気に
   変える方法がある。

・熱交換塗料

  ・これも、熱エネルギーを運動エネルギーに変える例である。

  熱交換塗料の説明サイト(1)

  熱交換塗料の説明サイト(2)

  熱交換塗料の説明動画(1)
  

  熱交換塗料の説明動画(2)
  

  ・次のように説明されている。
    ・熱を運動エネルギーに変えて熱を消す。
    ・塗料に含まれる熱交換分子が振動して、
     熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。

  ・しかし、これはよく分からない。
    ・熱交換分子が振動することを、運動エネルギーと
     言っているが、分子の振動が熱エネルギーなのでは
     ないか。
    ・仮に振動が起こっているのだとしたら、それは、
     熱エネルギーのような、乱雑な分子の振動でなく、
     音のように、そろった振動でなくてはならない。
    ・確かに、温度が上がらないことから、何らかの効果が
     あるのだろう。しかし、それは振動ではないような
     気がする。
    ・次の2つのどちらかではと考えられる。
    ・1つ目は、この塗料の比熱がとても大きいのではないか。
    ・2つ目は、熱を吸収するとすぐに、特別な波長の電磁波を
     放射するため、熱をためないのではないか。

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