スカラー量とベクトル量

・スカラー量
  ・大きさのみ
  ・長さ、質量、時間、温度、電荷、
   面積、体積、気圧、エネルギーなど

・ベクトル量
  ・大きさと向きを持つ
  ・速度、加速度、力、運動量、角運動量、電流など

・ベクトルの成分表示
  ・ベクトルは幾何学的に矢印で表すことが多いが、
   xyz座標の成分で表すことができる。
  ・配列の形で表記する。
    例 A = (3,4,5)
  ・xyz座標を配列で表現したものだけでなく、
   ある人の身長、体重、足のサイズを並べたものも
   ベクトルとして扱うことができる。
    例 A = (170cm,65kg,26cm)

・ベクトルと場
  ・空間の各地点のある量を表したものが場
  ・ある量がスカラー量の場合はスカラー場、
   ベクトル量の場合はベクトル場という。
  ・スカラー場の例
    気圧配置の気象図
  ・ベクトル場の例
    風速の気象図、電場、磁場
  ・テンソル場について
    ・相対性理論では、電場と磁場は一体のものとみなされ、
     セットにしてテンソル場で表現される。
    ・テンソルは行列の形で表される。
         ┌ 2,3,4 ┐
      A = │ 5,6,7 │
         └ 8,9,0 ┘
    *スカラーは1つの値、ベクトルは列の値、テンソルは行列の値

・ベクトルの和
  ・和の結果はベクトル量
  ・二つのベクトルをA,Bとすると、A+B で表す。
  ・図で表すと、Aの矢印の先にBをつないで、
   Aの元とBの先をつないだ線がA+Bのベクトルの矢印。
   画像
  ・空間上のX軸、Y軸、Z軸の成分で表すと、
     A = (ax,ay,az)  B = (bx,by,bz)
     A+B = (ax+bx,ay+by,az+bz)
  ・使用例
    ・二つの方向にある力で引っ張ったときの
     合成された力の向きと大きさ

・ベクトルの内積
  ・内積の結果はスカラー量
  ・二つのベクトルをA,Bとすると、A・B で表す。
  ・A・B = |A| |B| cosθ
     直交(90°)だと0になる
     反対(180°)だとマイナスになる。
  ・空間上のX軸、Y軸、Z軸の成分で表すと、
     A = (ax,ay,az)  B = (bx,by,bz)
     A・B = ax・bx + ay・by + az・bz
  ・使用例
    ・「同じ方向の成分」をかけ合わせたいときに使用する。
    ・力の方向と、進む方向が違うとき、移動した距離に対する仕事
      力の方向と進む方向のなす角度が60°のとき、
      力が10N、進んだ距離が10mなら、10×10×cos60°で
      仕事は50Jになる。

・ベクトルの外積
  ・外積の結果はベクトル量
  ・二つのベクトルをA,Bとすると、A×B で表す。
  ・方向はAとBに垂直。
  ・大きさはAとBの作る平行四辺形の面積。
     |A| |B| sinθ
  ・空間上のX軸、Y軸、Z軸の成分で表すと、
     A = (ax,ay,az)  B = (bx,by,bz)
     A×B = (ay・bz - az・by ,
         az・bx - ax・bz ,
         ax・by - ay・bx)
  ・計算順序を入れ替えるとマイナスになる。
     A×B = -B×A
  ・使用例
    ・「互いに直角方向の成分」をかけ合わせたいときに使用する。
    ・電荷をもつ粒子が磁界内で運動するとき受ける力。
       F=qv×B
         F 力     ベクトル
         q 電荷    スカラー
         v 速度    ベクトル
         B 磁束密度  ベクトル
       力の方向は運動方向と磁力線方向に垂直になる。
       (運動方向がX軸方向、磁力線がY軸方向なら、
        力の方向はZ軸方向になる。)
       力の大きさは、運動方向と磁力線の方向が垂直なら、
       速度の大きさ×磁束密度の大きさ。
       運動方向と磁力線の方向が同じなら0になる。

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