超ひも理論 まとめ
超ひも理論(super string theory)
・概要
・物質の基本単位は点粒子ではなく、1次元の広がりを持つひもである。
・ひもの振動のちがいで約20種ほどの素粒子ができている。
・相対論と量子論を統合する理論。
・4つの力を統合する理論。
・実証されていない仮説である。
・ひもの特徴
・ひもの長さは10-34mである。
・輪ゴムのような閉じたひもと、両端がある開いたひもがある。
・光子は開いたひもが基本振動(節が1つ)している。
・重力子は閉じたひもが基本振動(節が2つ)している。
・ひもは1秒間に1042回、振動する。
・ひもの端は光速で運動することもある。
・ひもは9次元方向に振動している。
3次元以外の残りの次元は、10-34mほどの
小さな領域に収まっている。(カラビ-ヤウ空間)
・膜(brane)宇宙
・われわれの宇宙は高次元空間に浮かんだ膜とする。
・開いたひもは両端をくっつけていて、
膜上を動くことはできるが、膜から離れることができない。
・閉じたひもは、膜にくっつく端を持たない。
膜を離れて、高次元の中を動くことができる。
・光や物質を構成する素粒子は開いたひもなので、
膜上しか伝わらない。
・重力子は閉じたひもなので、高次元を伝わる。
・宇宙ひも
・ビッグバンのときのつくられたひもが、
長大な「宇宙ひも」になって、ただよっている可能性がある。
・その長さは100億光年以上にわたる。
・「超」が付く理由
・元になる「ひも理論」を発展させたものだから。
・元の「ひも理論」は陽子や中間子などのハドロンの
違いを説明するために提案されたが、
後にクォークモデルにとって代わった。
・現在のひも理論は、超対称性粒子の存在を仮定しているので、
超を付けたとされている。
・超対称性粒子とは、現在わかっている粒子のスピンの値と
2分の1だけ値の違う粒子のこと。
・点粒子の問題の解決
・点粒子だと粒子間の距離が0になり電磁気力が無限大になる。
エネルギーが無限大、質量が無限大になる。
・くりこみ理論では、素粒子のマイナスの固有値で相殺して有限値にしている。
・くりこみ理論は、有る階層で起きた無限大の問題をよりミクロな階層へ
先送りしている。
・ひも理論では、相互作用が生じた点が特定できないので無限大が生じない。
・超空間について
・グラスマン数:同じ数字を掛けると0になる数
θ×θ=0、θ1×θ2=-θ2×θ1
・グラスマン数方向に振動するひもがフェルミオン(物質粒子)
・超空間:グラスマン数方向がある空間。
・超対称性:超空間における回転対称性。
・超ひも理論:超空間のひも理論、または、超対称性のひも理論。
・高次元について
・超ひも理論の9次元の根拠はオイラーの公式。
1+2+3+4+5+6+7+8+...=-1/12
光子の質量が0になることを説明するのに使われる。
・電磁場の各点の値は円の角度で表される。
電磁気力と弱い力を統一した電弱理論では、円(一次元)の回転対称性と、
球面(3次元)の回転対称性をあわせた。
あわせた次元数の4と、ボソンの数の4が一致する。
強い力は8次元の回転対称性で説明される。グルーオンの種類は8。
(ゲージ理論)
電磁場の回転のずれが力を生む。ずれを埋めるのがゲージ粒子。
・結合定数の強くなるほど、次元の数が増える。
・高次元になるほどからみつきにくくなる。
3次元では線(1次元)同士はからみつくが、4次元ではからみつかない。
・広がった次元とまとまった次元
・空間はプランク長さより大きければ、紐は振動し、
プランク長さより小さければ、紐は巻きつく、
どちらのエネルギーも区別できない。
・広がった3つの次元と、まとめられた6つの次元。
・広がった3つの次元は数百億光年の環状次元。
プランク長さの10^61倍
まとまった6つの次元はプランク長さ以下の環状次元。
プランク長さの1/10^61倍
・広がった次元が大きくなるほど、まとまった次元は小さくなる。
広がった次元が小さくなるほど、まとまった次元は大きくなり、
プランク長さの時点で、大きさが逆転する。
・よって空間がプランク長さより小さくなることはない。
・ビッグバンは、この逆転が起こった時点と考えることができる。
つまりエネルギーが無から突然生じたと考えなくてもよくなる。
もともとあったものが、別の次元から転じただけである。
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