真空エネルギーとカシミール効果

真空エネルギー

ごく短時間なら、エネルギー保存の法則に反して、
真空は、粒子を対生成し、すぐに対消滅させる。
長い時間でみると、エネルギー保存の法則に反していない。
この粒子を生み出すエネルギーを真空エネルギーという。
このように、一瞬の間だけ存在する粒子を仮想粒子という。

カシミール効果

真空中に、二枚の金属版が、互いに非常に近く(10nm)、
平行な間隔で置かれている。
この二枚には電荷も電流もない。
つまり、電磁気力は働いていない。
しかし、この金属版同士が引き合う。

この力は真空のエネルギーによる。
金属版の間は空間が少ない、すなわち真空が少ない。
金属板の間の反対側は空間が多いので真空が多い。
よって、金属版の間より、金属板の間の反対側の方が、
仮想粒子の発生量が多くなる。
仮想粒子は金属板を押す。
金属板の間側から押す力より、
金属板の間の反対側から押す力の方が強くなる。
よって、金属版の間の方向に金属板が移動する。
これが、金属版が引き合う原因である。

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