成長する

 

祈り

 

 

 

 

天界の秘義2707

 

「かれは成長した」。これは増し加わることを意味していることは解説の要もなく明白である。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P101

 

人間が長く厳しい戦いを通して、永遠の生命へと成長することが神の目的です。それは、人が創造主との親密な交わりを歓び、人をご自分の姿形に似せてお造りになった神に似るように絶えず成長し、神の祝福された国にいつまでも留まり、終わることのない天の生命の歓びに与るためなのです。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P116

 

麦が、地中の暗闇の中にあっても太陽の熱線によって生長を促されて、やがて日の光の中で芽吹くように、人もまた、義の太陽の癒やす光を浴びる前には数々の辛酸という闇を潜り抜け、ついには自らの体験を通して、闇の中にあっても同じ太陽の熱線に知らないうちに育てられていたことを知るのだ。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P146

 

植物の中には、日が沈むと葉と花が自ずと閉じ、朝になって陽の光が柔らかく触れるときにまた開き出すものがある。こうして、成長と存続に必要な太陽の熱と光とを彼らは吸収する。同じように、祈りの中で人の心は義の太陽へと開かれ、闇の危険と困難から安全に守られて、満ち満ちた豊かさへと成育する。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書P146

 

われわれは、一部の人々が考えているように、祈りによって神の計画を変えることはできない。祈る人は自分自身を変えているのであり、魂の資質は、この不完全な人生においてどれほど不完全であっても、日々完成へと向かって成長する。

 母鳥は卵を温めようとうずくまるが、初めのうち、卵の中には形のない一種の液体があるだけである。だが、母鳥が温め続けることによって、卵の中の形なき物質は母と同じ形へと変化し始める。変化は母鳥にではなく卵に起こる。そのように、われわれが祈るときも、神が変わるのではなく、われわれが神の栄光ある似姿へと変わるのである。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P159

 

ゆっくりと段階を追って成長し、完全になるというのが自然界の法則である。このやり方によってのみ、人は創造された目的に向けて準備できる。突然の、急な成長は、自分を弱く不完全な状態にするだけである。ラップランドには、二、三週間で育ってしまうオート麦があるが、六か月かけて実をつける麦ほどの栄養はない。竹は驚くべき速さで育ち、ついには数十メートルにも伸びるが、中は空洞だ。完全になるにはゆっくりとした成長が必要である。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P160

 

完全なるものが完全な環境の中でした得られないことは確かである。とはいえ、完全な環境に入る前に不完全な環境で努力し戦わなくてはならない。この戦いがわたしたちを強くし、完全な環境へと準備させる。それは、繭の中で蚕がもがき、ついに美しい成虫となって出てくるのにも似ている。完全な状態になったとき、自分を妨げていたはずのことが、実際には不思議な方法で完成への手助けをしてくれていたことがわかるだろう。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P160

 

人の中には無数の性質を備えた種子があるが、これらは現世では発芽できないものである。成長、発展、完成にまで導く手段が現世にはない。人は、完全なものとなるのに必要な環境を来世に見出すだろうが、成長はこの世で始めなければならない。完全なものとなった暁にはどうなるのかを今語るのは、余りに早計というものである。しかし、いずれわたしたちは「天の父が完全であるように完全になる」(マタイ5・48)のである。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P160

 

この世には真の平和というものはない。罪のためにこの世の平和は閉ざされている。真の永遠の平和は「平和の御子」にのみ発見できる。自らは高所から流れ落ちるか、地下から噴出するかして、あるべき所に落ち着き静けさを取り戻す。それと同じく、人もあるべき所に落ち着き平和を回復するには、高慢の高みから落ち、罪の奈落から引き上げられる必要がある。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P160

 

変貌の山においては、弟子たちはまだ完成に至っていなかったにもかかわらず、主とエリヤ、モーゼと一緒になったことを歓ぶあまり、三つの幕屋を造って住もうと願ったほどだった。わたしたちが完全になり、天で永遠にキリストと諸聖徒、諸天使との交わりを楽しむときには、その歓びがいかばかりであろうか。

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P161

 

霊的進歩を伴わないこの世的な進歩はどれも嘘偽りである。この世の発展は他を犠牲にすることなく得られはしないからである。競争で走る人は、他を出し抜くことによってのみ勝つ。他の敗北がその人の勝利となる。商人は人の金で富を築く。これとは逆に、他の成功を助け、助けられする霊的成長こそ、真の成長である。他のために労する人が知らないうちに自分を救っていることは、経験が証明する。